nForce 420/420Dについての注目もひと段落し、次世代nForce“Crush17/18”についての噂もあれやこれやと語られ出した4月下旬になって、唐突に現行nForceの廉価モデル“nForce 220D”チップセットを搭載するASUSTeK製マザーボード「A7N266-VM」がデビューした。nForce 220/220Dシリーズのチップセットを搭載する製品が登場するのは今回がはじめて。価格は若松通商エルプラザで1万2780円、T-ZONE.PC DIY SHOPで1万2800円。
DIMMスロットは2本。最大1GBまで搭載可能 |
nForce 420Dマザーボードの登場以降しばらくしても登場しなかったため、すっかり忘れ去られた格好となってしまっているnForce 220/220D。これはnForce 420/420D最大の特徴となっていた“TwinBankアーキテクチャ”による128bitのメモリバス幅を採用せず、他社製のチップセットと同様、DDR SDRAMと同じ64bitのメモリバス幅を採用しているチップセットだ。これにより、内蔵のGeForce2 MXコアを利用する際の描画パフォーマンスに制限が生じる一方で、マザーボード全体のコストは大きく引き下げられることになる。それが、「A7N266」よりも2000円以上安価な実売価格へと繋がっているわけだ。
外部インターフェイス。D-Sub15ピンを使うか使わないかで、A7N266-VMの意義は大きく変わりそうだ |
また、外部AGPバスを用いる(=AGPビデオカードを用いる)場合に、64bitのバス幅がパフォーマンスに与える影響は小さいという点も無視できないだろう。PC2100(DDR266) DDR SDRAMのメモリ帯域幅は2.1GB/秒で、これはAthlon XPの帯域幅と同じ。そして外部AGPカードを用いれば、この2.1GBという帯域幅をビデオコアとシェアする必要はない。つまり、nForceマザーボードを単純にシステムバス帯域の広いマザーボードとして利用するのであれば、800MB/秒というシステム帯域幅は上位モデルと変わりのないnForce 220/220Dマザーボードは現在もっともコストパフォーマンスに優れた選択肢ということになる。実際にはこのほかにも多少の差があるため、外部AGPを用いることで100%“nForce 420/420D=nForce 220/220D”とはならない点には注意が必要だが、限りなく近い製品であるとは判断できそうだ。
なお、nForce 220Dマザーボード、すなわちSouth Bridgeにあたる“MCP-D”によってドルビーデジタル信号デコーダを内蔵するA7N266-VMはMicroATXフォームファクタのマザーボードで、AC'97コーデック“ALC650”によってアナログ5.1ch出力に対応するほか、同梱のブラケットにより同軸デジタル出力もサポート。また、Realtek製のコントローラによってネットワーク接続も標準でサポートする。拡張スロットはAGP×1、PCI×3。
【関連記事】