初の“nForce 415D”チップセット搭載マザーボードとなる製品「NV7-133R」がAbitからデビューした。nForce 415Dは従来製品である“nForce 420D”チップセットからGeForce2 MX相当の内蔵ビデオコアを省いたもの。実売価格は2万円弱となっている。
ビデオコア非搭載Nvidia製チップセット登場の背景
CPUソケット周辺。ATX12Vコネクタが見えるが、NV7-133RではATX12Vコネクタへの電力供給が必須とされている |
Nvidia製のチップセットであるにもかかわらずビデオ機能が省かているのは本末転倒だと考える人もいるだろうが、ハイパフォーマンスのAthlonファミリ向けマザーボードを求める人にとってnForce 420D/420チップセットはNorth Bridgeにあたる“IGP”とSouth Bridgeの“MCP-D/MCP”間が800MB/秒の広帯域で結ばれているのが最大の魅力だった。この数字は、Intelの“ハブアーキテクチャ”やVIAの“V-Link”が持つ帯域幅の約3倍、SiSの“MuTIOL”に比べても1.5倍にあたるもの。パフォーマンスを求める人はGeForce2 MXより上の処理速度を持つビデオカードを用意することが多く、今回のnForce 415Dは内蔵ビデオコアを不要とするユーザーへ安価な選択肢を提供することになる。またnForce 420D/420の登場後、内蔵ビデオコアの処理速度は及第点としても、発売当初の“RIVA128”を彷彿とさせるフォーカスの甘い画質には不満の声が少なくなく、この点もビデオ機能省略版の登場に一役買ったものと思われる。
このほか基本的な機能に差はなく、本来64bitアクセスであるDIMMスロット3本のうち2本に128bitでアクセスし、C2100 DDR SDRAM使用時に4.2GB/秒のメモリ帯域を確保する“TwinBankアーキテクチャ”はこれまでどおり。MCP-Dが10/100Base-TXネットワークコントローラとドルビーデジタル5.1chリアルタイムエンコーダを内蔵するのも変わらない。ただし、ビデオコアが省かれたことにより、IGP(Integrated Graphics Processor)は“SPP”(System Platform Processor)へとその名を変えた。
ドルビーデジタル5.1ch出力のほか、光入出力、USB×2を用意するブラケット | 同梱の内蔵USBケーブル。ちょっと短い?! |
そんなnForce 415Dを搭載し、コストパフォーマンスの高さが期待されるNV7-133Rだが、十分合格点を与えられる製品と言えそうだ。価格はクレバリー1号店とWonderCityで1万8480円、コムサテライト3号店で1万9200円。ネットワーク機能にドルビーデジタル5.1chアナログ出力がMCPによってサポートされるほか、VIA製のUSB2.0にHighPoint製のUltra ATA/133対応IDE RAIDコントローラも搭載しており、ビデオ機能以外に必要なものはオールインワン。GeForce3シリーズや、早ければ今週中にも第1弾が登場すると目されるGeForce4 Tiシリーズと組み合わせれば最新スペックのPCをあっという間に組み上げられるわけで、注目を集めそうだ。
なお、拡張スロットはAGP×1、PCI×5。Abit独自のオーバークロック機能“SoftMenuIII”により、FSBを1MHz刻みで設定できるほか、倍率、Vcoreも変更可能(いずれも詳細不明)になっている。
9日現在の価格
価格 | ショップ |
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NV7-133R | |
\18,480 | クレバリー1号店 |
\18,680 | コムサテライト2号店 |
\18,780 | コムサテライト3号店 |
\18,800 | BLESS 秋葉原本店 |
\18,979 | TSUKUMO eX. |
\18,980 | T-ZONE.PC DIY SHOP |
\20,799 | カクタソフマップ |