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【INTERVIEW】“Internet Business Report”でインターネットビジネスを広げていきたい 発行責任者 松山太河氏

1998年09月16日 00時00分更新

文● 報道局 植草健次郎

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 “Internet Business Report”というメールマガジンが創刊された。主宰者は、メールマガジンの発行代行を行なう“まぐまぐ”の前身システムが始まった2年ほど前から、執筆者などの形で関わってきた松山太河(まつやまたいが)氏。

 ここ1年ほどは経営者列伝や古今の偉人の名言を載せたメールマガジン“Den”で名をはせてきた同氏が、新しく“Internet Business Report”を創刊した。ビジネスとしての成算について聞いた。

発行責任者 松山太河(まつやまたいが)氏発行責任者 松山太河(まつやまたいが)氏



----“Internet Business Report”創刊の目的は何ですか?

「最大の目的はインターネットビジネスのマーケットの拡大です。現状では、どこの企業でもインターネットをビジネスにつなげていくのに苦労しています。成功事例やそのプロセスを紹介していくことでより多くの企業が参入し、マーケットが広がって欲しいと考えています。このメールマガジンでいくら利益をあげるかということより、読者のリテラシー向上を考えているので、短期的には必ずしもビジネスとして成立しなくてもいいと考えています。もちろん決して、ビジネスとしてやらないというわけではありません。ビジネスとして大きく売り込んでいくことが可能ならば、そうします」

----メールマガジンというのは、ビジネスモデルとしては難しいのでは?

「日本の場合、メールマガジンでは広告収入を得るか、有料化して購読料を取る以外に収益を得る手段がありません。現状では1つのメールマガジンで、多くても1万人くらいしか読者を得られないので、広告収入だけで利益を上げていくのは難しいです。“Internet Business Report”に広告を掲載するとしても、内容と関係のあるもの、読者にとって役に立つ情報でなければ載せない方針です。利益を得ることが第一目標ではないので、そのことはあまり気にしていません。長期的に見たときに、“Internet Business Report”を発行していくことで得られるコネクションや信用が後々、生きてくればいいと思っています」

----“Internet Business Report”の原稿は誰が執筆しているのでしょうか?

「すでに発行している第1回は、主に私が執筆しました。2回目もその予定ですが、3回目以降は、協力しくれている人や、インターネットビジネスに関わっている人に寄稿してもらい、構成していきます」

----ASCII24では写真はデジタルカメラで撮っていますが、どのようにされていますか?

「今は、慣れているからというものありますが、35mmのフィルムを使った普通の1眼レフカメラを使っています。将来的にはデジタルカメラを使うより、デジタルビデオカメラを使って動画を取り込んだものを考えています。ただ、インターネットのインフラがもっと整備されてからですが」



----それでは、インタビューなどの内容をTVのように動画配信することも考えているのですか?

「いえ、画像にはあまり重きをおいていません。メールマガジンは文章中心に構成していくつもりです。というのも、文章の力を信じており、自分自身が多くの本を読んできたなかで、文章が人に与える影響の大きさというものを強く感じているからです」

----メールマガジン“Den”は、以前は各界の著名人の伝記でしたが、今は名言を数行掲載するだけのものになっていますね。

「コンテンツは、量よりも質が重要だと考えます。“Den”もひとことだけですが、強く影響される人もいます。近い将来、数年後にはワントゥーワンマーケティングの手段として、企業から大量の案内や、ダイレクトメールが毎日100~200通の電子メールで届くようになるでしょう。しかし、ほとんどは受け取った人にとってはごみメールになってしまうと思います。問題になるのはコンテンツの質です。短時間で内容を把握できる質の高いコンテンツでなくては、読まれるものにならないでしょう」

----ご自身にとって“Den”を発行することでどのような変化がありましたか?

「読者からよくメールをもらうのですが、そういう人たちとメールのやり取りをすることで、コネクションのチャンネルのようなものができました。ネット上では人の顔が見えないので、人とのつながりが重要です。インターネットビジネスは特にそうですが、顔やモノが目に見えないサービスが多くなってきたことで、信用が重要だとわかってきました」

「インターネット自体のマーケットの拡大の、その手段としてノンフィクション的記事を書いていく。それによって触発されて、その革命を進める優秀な人が集まれば、面白いことができるのではないだろうかと思っています」

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