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メトロワークス、PlayStation2用ゲームの開発ツール2製品を発売

2000年08月07日 21時34分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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メトロワークス(株)は8月7日、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCEI)のゲーム機『PlayStation2』(以下、PS2)用のゲームソフト開発ツール『CodeWarrior for PlayStation2 日本語版リリース2』(以下、CW for PS2 R2)、および『CodeWarrior Analyses Tools for PlayStation2 英語版リリース1』(以下、CATS for PS2)を8月21日に発売すると発表した。

統合開発環境『CodeWarrior for PlayStation2』

CW for PS2 R2は、PS2タイトル用のGUIベース統合開発環境。SCEIは、PS2用タイトル開発用にDTL-T10000およびそれに付属する開発環境を提供しているが、SCEIの開発環境はLinuxをホストとしているため、Windows上で開発を行なうためのツールとしてメトロワークスがCW for PS2を提供している。CW for PS2は、DTL-T10000とCW for PS2を導入したWindowsマシンを100BASE対応Ethernetで接続することで利用可能となる。

『CodeWarrior for PlayStation 2 日本語版リリース2』パッケージ

CW for PS2 R2は、ファイルの依存関係や更新記録を自動的に管理できるプロジェクトマネージャーやソースコードエディターといったIDE統合開発環境、PS2のCPU“EmotionEngine”用C/C++最適化コンパイラ、EmotionEngine用アセンブラ、VUアセンブラ、リンカ、ソースレベルデバッガ、VUデバッガ、DMAタグビュー、デバッガを起動せずにプログラムをダウンロードし実行できるPSComUtilダウンロードユーティリティで構成されている。

VUデバッガとDMAタグビューは、CW for PS2 R2で新たに搭載された機能。VUデバッガは、VUマイクロコードのデバッグを支援する機能。VUマイクロコードに対しブレイクポイントを指定でき、ステップ実行が可能。VUレジスタ値も表示できる。DMAタグビューは、DMAタグ情報を表示できる機能。また、コンパイラやリンカ、デバッガはオーバーレイに対応している。

CodeWarrior for PlayStation 2のVUマイクロコードのデバッグを支援するVUデバッガ画面

対応OSはWindows 95/98/2000/NT4.0。価格は1ライセンス34万5000円。1年間のテクニカルサポートが6万9000円。

プログラム性能分析ツール『CodeWarrior Analyses Tools for PlayStation2』

CATS for PS2は、PS2用プログラムの性能解析ツール。プログラムのソースコードを変更せずに、関数単位やC/C++言語単位で、処理回数と処理時間を計測できる。これにより、プログラムのボトルネック(処理に時間がかかる箇所)を短時間で発見できる。対応プログラムは、CW for PS2で作成されたPS2用アプリケーションプログラム。対応OSはWindows 95/98/2000/NT4.0。価格は1ライセンス34万5000円。1年間のテクニカルサポートが6万9000円。ツールは英語版で、日本語マニュアルが付属する。

『CodeWarrior Analyses Tools for PlayStation 2』パッケージ
CodeWarrior Analyses Tools for PlayStation 2画面。プロファイルの結果を表示できる

なお同社は、9月30日までのキャンペーンとして、CW for PS2 R2とCATS for PS2をセットにしたバンドル版を59万8000円で発売する。また、既存のCW for PS2 リリース1および同リリース1.55登録ユーザーは、CATS for PS2を優待価格の29万8000円で購入できる。

「今後デベロッパーのPS2への参入はさらに増える」と今村開発部長

本日都内で行なわれた記者発表会で、メトロワークスの事業開発部長である今村義幸氏は、「CW for PS2は、世界に先駆け日本で先にリリース、開発も日本のメトロワークス(株)が中心となって行なっている製品」と説明した。

メトロワークスの事業開発部長である今村義幸氏

SCEIは8月1日付けの発表で、PS2の出荷台数が累計300万台を突破したことを明らかにしているが、今村氏は「発売開始後5ヵ月で300万台突破は、PSより速いペース」とし、「ゲームのデベロッパーにとって、そのゲームプラットフォームが300万台出荷されているかどうかが、ゲーム開発にあたり採算が合うかどうかの目安となっている。PS2が300万台を突破したことで、今後デベロッパーの参入はさらに増えてくるだろう」と語った。

SCEIは、現在PS2用として400タイトルが開発中であり、200タイトル以上が年内にリリースされる予定としている。また、PS2の海外展開についても、北米で10月24日に、欧州で11月24日にそれぞれ発売することを発表している。今村氏は、「これにともない今後は国内だけでなく海外でもPS2用の開発環境の話題が出てくるだろう」としている。

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