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石田純一・壱成が初の親子競演--日テレ、フルCG映画『海のオーロラ』を今夏劇場公開

2000年04月28日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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日本テレビ放送網(株)は27日、完成間近の劇場用フル3DCG映画『海のオーロラ』の記者会見を行なった。試写会は5月中旬に予定されている。この日は、監督の菅野嘉則氏をはじめ、今回声優を務めた参加した石田純一・いしだ壱成親子が参加し、同映画の製作背景を語った。

『海のオーロラ』は、深海を舞台にした近未来アドベンチャー。21世紀の初め、人類は深海に眠る資源を求めて、水深4000mの海底に掘削基地を建設する。主人公の息吹ヒロシ(声:いしだ壱成)は、基地の作業員の1人。ある日、基地の掘削ドリルが、地球の深部に閉じ込められていた未知のバクテリアを復活させてしまう。金属を溶解する力を持つバクテリアを前に、自衛隊は、基地に閉じ込められた掘削チームは--とストーリーは進んでいく。

『海のオーロラ』より。監督:菅野嘉則、脚本:しまだみちる、キャラクター設定:近藤勝也、美術設定:天野裕夫、音楽:天野正道、製作:日本テレビ、声の出演:いしだ壱世(主人公)、奥菜恵(ヒロイン)、石田純一、林原めぐみ、古川登志夫、千葉繁ほか
『海のオーロラ』より。監督:菅野嘉則、脚本:しまだみちる、キャラクター設定:近藤勝也、美術設定:天野裕夫、音楽:天野正道、製作:日本テレビ、声の出演:いしだ壱世(主人公)、奥菜恵(ヒロイン)、石田純一、林原めぐみ、古川登志夫、千葉繁ほか

(c)2000 NTV Nippon Television Network Corp.

この映画は、構想・脚本からCG製作まで、日テレのスタッフルームですべて自社制作したということでも注目されている。菅野監督自身も、編成局美術開発部に所属する日テレの社員である。プロジェクトがスタートしたのは3年前で、「お前らに期待していない。ドブに金を捨てるつもりでいると、平林(平林邦介氏、日テレ編成局)に言われたことを覚えている」と、菅野氏は当時のエピソードを語る。

監督の菅野嘉則氏。スタジオジブリに出向した経験を持ち、映画『もののけ姫』ではCG室長を務めた
監督の菅野嘉則氏。スタジオジブリに出向した経験を持ち、映画『もののけ姫』ではCG室長を務めた



菅野氏によると、今回3DCGアニメーションの制作に使用した主なソフトは、米アビッドテクノロジー社の3Dアニメーション制作ソフト『SOFTIMAGE|3D』と、米Pixar社のレンダリングソフト『RenderMan』。マシンは日本SGI(株)のものを採用し、プロジェクト開始当初は『O2』や『Indigo 2』などUNIXワークステーションを用い、その後Windows NTに移行していったという。「全国の劇場で公開できるよう、今回は35mmフィルムを採用しました。もちろん、全データはHDDに格納されていますから、デジタル放映も不可能ではありません」と語った。

石田親子。「たぶん、最初で最後の親子競演です」と石田純一氏
石田親子。「たぶん、最初で最後の親子競演です」と石田純一氏



昨年のSIGGRAPHにも足を運んだという石田親子が、最も印象的だったと挙げたのは、モーションキャプチャーの体験だ。いしだ壱成氏は「格好でいうと(とんねるずの)もじもじ君で、玉ッコロが付いていて--」とその状況を語る。

今回の映画製作にあたり、菅野氏は“プレ・スコアリング(プレスコ)”という、画像をアップする前にセリフを録音する手法を採用した。キャラクターの動作についても同様で、モーションキャプチャーで役者の動きを記録した後、それを元にアニメーションを完成させたという。全編を通しては劇団アロックドラマカンパニーが、クライマックス部分は石田親子など声の担当者がその動作を担当したという。

今回、主人公の先輩作業員の声を担当した石田純一氏はプレスコの作業を振り返り、「(映像を見ながら、それに合わせてセリフを録音する)アテレコが普通なのに、今回は先に芝居をやって。僕自身苦労したところもあるけど、やってて楽しかった。作品に入っちゃって、最後は声が枯れていましたね」と語った。

『海のオーロラ』より
『海のオーロラ』より

(c)2000 NTV Nippon Television Network Corp.

公開は8月上旬。新宿シネマカリテなど、全国で上映。

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