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東急コミュニティー、マンション向けインターネットサービスを発表--常時接続とWindows CE情報端末を提供

2000年04月13日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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マンション管理事業などを営む(株)東急コミュニティーは13日、マンション向けインターネットシステムの構築サービス“コミュニティー ウェブ”を発表した。これはマンション入居者に対し、常時接続・定額制を基本としたインターネット接続環境を提供するもの。併せて、壁面埋め込み型のWindows CE端末を利用して生活情報の提供も行なう。新規物件のみならず既存のマンションもシステム導入の対象となる。

電話回線を利用し、既存マンションにも簡単導入

新サービスで予定する主な内容は以下のとおり。

(1)常時接続・定額制のインターネット接続サービス

携帯情報端末(モックアップ)。OSはWindows CE。サーバーソフトについても『Windows 2000 Server』などマイクロソフト製品を採用
携帯情報端末(モックアップ)。OSはWindows CE。サーバーソフトについても『Windows 2000 Server』などマイクロソフト製品を採用



ネットワークインフラは、既存の電話回線を利用する“HomePNA(Home Phoneline Networking Alliance)”*の規格を採用。これにより、配線工事なしに既存物件への導入が実現する。管理人室にサーバーを設置し、マンション構内にはLANを張り巡らす。ISPの役割を果たすものとして、“C-Web”という管理センターを設置する。一戸につき3台までパソコンを接続でき、4つまでメールアカウントを取得できるという。通信速度は、マンションによって異なるが、1.5Mbps~128Kbps程度を想定している。

*家庭内ネットワーク技術の推進団体

(2)タッチパネル式Windows CE端末の設置

CCDカメラを使った遠隔相談のイメージ
CCDカメラを使った遠隔相談のイメージ



ここで使用する端末は、10インチのタッチパネル式液晶ディスプレーを備え、小型CCDカメラを搭載したWindows CEマシン。埋め込み型を基本とし、リモコン操作も検討している。基本的なセキュリティー(TVインターホン/施錠/宅配ボックスの利用状況)に関する操作や情報の表示に対応する。また、CCDカメラで取り込ん画像をもとに、介護や健康に関する遠隔相談も企画している。

同マシンでは、電子メール利用やホームページ閲覧のほか、天気予報や地図といった生活情報の表示や、マンション管理情報などの提供も、各マンションにあわせて提供する。

新サービスの開始にあたっては、サーバーソフトの導入についてはマイクロソフト(株)、端末の製造については(株)日本ビクターが、情報コンテンツの提供については富士通(株)の“@nifty”が協力。管理センターの運営・運用は、東急グループが富士通と協力して行なう。また、総合コンサルティングは、慶応義塾大学環境情報学部の武藤佳恭教授が担当する。

田園都市線沿線を重点対象に2001年4月からサービス開始

東急コミュニティー社長の川崎達之氏。東急グループではケーブルテレビサービスも行なっているが、このインフラを常時接続サービスに利用する計画もあるという 東急コミュニティー社長の川崎達之氏。東急グループではケーブルテレビサービスも行なっているが、このインフラを常時接続サービスに利用する計画もあるという



新サービスのスタートは2001年4月を予定。東急不動産が管理する東急田園都市線沿線の新築物件を重点対象に、他地域の東急不動産の物件や、他社物件にも提供していくという。分譲だけでなく、賃貸マンションも導入対象となる。今年夏に実証実験を行なう予定。

初期導入費用は、100戸規模のマンションで一戸あたり約40万円。入居者にかかる費用負担は、一戸あたり月額3000円(常時接続料+システム利用料)。同社が同沿線沿いに構えている物件は、431件、2万700戸。初年度の売上は10億円を目指す。

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