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ブイシンク、店頭設置型の音楽ダウンロード販売用端末『ミュージックポッド』の販売を開始

1999年12月14日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)ブイシンクは13日、店頭設置型の音楽ダウンロード販売用端末『ミュージックポッド』の販売を2000年1月に開始すると発表した。販売のターゲットは、CDショップを始めとする小売店やショッピングセンターなど。販売代理店は、オークション事業を手掛ける(株)ジャパン オークション システムズが担当する。同社は今年7月、ブイシンクと資本・業務提携を結んでいる。

『ミュージックポッド』。筐体の高さは約2メートル 『ミュージックポッド』。筐体の高さは約2メートル



『ミュージックポッド』を使った楽曲購入の手順は以下の通り。ユーザーは、同機のディスプレーを使って欲しい楽曲を検索する。購入する曲が決まったら、持参したMDもしくは、『ミュージックポッド』で販売されている生MDを用い、筐体前面のMDスロットに差し込み、金額を入れ、録音を開始する。

『ミュージックポッド』の配信システムは、管理センターの原盤サーバーに蓄積された楽曲データを、各端末からのリクエストに応じ、オンデマンドで配信するというもの。データ通信は、NTTグループの光ファイバー通信サービス“ATMシェアリンクサービス”を採用(通信速度は3~6Mbps)。4分の曲をダウンロードするために、約30秒かかるという。IrDA準拠の赤外線ポートが筐体の前面左に付いているが、2000年1月のサービス開始時点で赤外線通信を使ったサービスは特に予定されていない。

なお、レコード会社など原盤を所有する企業に対しては、ユーザーからの購入リクエスト・支払いを受ける度に、管理センターが運用する課金サーバーから通知が届く仕組みになっている。『ミュージックポッド』の店頭端末および、データベースサーバーはLinuxをプラットフォームに開発されている。

『ミュージックポッド』の楽曲検索画面
『ミュージックポッド』の楽曲検索画面



ブイシンクは今年5月から2000年2月まで、都内レコード店を中心に『ミュージックポッド』の実機を用いた実証実験を展開。旧譜やインディーズの楽曲を中心に、約3000曲を用意する。実機の販売がアナウンスされた現時点でも、新譜のダウンロード販売に関しては大手レコード会社との間で交渉中となっており、同社は「当面は旧譜を中心とした展開になるだろう」としている。ダウンロード販売の料金は、1曲150円~300円程度*。MDラベル用の歌詞シールの印刷、販売も行なっているおり、その場合はダウンロード料金も含めて1曲250円~400円程度*

*『ミュージックポッド』で生MDを買う場合は、このダウンロード料金に加え、生MDの代金(小売店側が設定)が必要になる

この『ミュージックポッド』の店頭端末の価格は、2台で520万円。リース用のメニューも用意されている。

『ミュージックポッド』で購入したMDと歌詞シールの例
『ミュージックポッド』で購入したMDと歌詞シールの例



先週、ブイシンク専務取締役から代表取締役に昇格したばかりの伊部孝也氏は、『ミュージックポッド』の市場規模について、「実証実験の結果から分析すると、店頭型音楽配信の市場規模は、楽曲の販売数で年間14億曲、売上にして4200億円の需要創出が可能」と語った。さらに、同機の販売目標について「音楽だけでなく、ゲームソフト、パソコン用ソフト、電子書籍の販売端末として展開したい」とした上で、今後5年間で国内に約5万台設置が目標とした。

ブイシンク代表取締役の伊部孝也氏。なお、前社長の藤井克磨(かつま)氏は、現在同社の会長職に就いている
ブイシンク代表取締役の伊部孝也氏。なお、前社長の藤井克磨(かつま)氏は、現在同社の会長職に就いている

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