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文化庁メディア芸術祭で、“学生CGコンテスト'97”表彰式を開催

1998年02月03日 00時00分更新

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 東京オペラシティおよび新国立劇場で開催されている“文化庁メディア芸術祭”において、“学生CGコンテスト'97”の表彰式が行なわれた。CG-ARTS協会が主催する同コンテストは、今年で3回目。今回は従来の静止画部門に加え、アニメーション部門を設置している。同協会の滝川精一理事長は、「第1回の応募作品は約30点だった。今回は静止画部門で795点、アニメーション部門で53点と規模が大幅に増えたとともに、作品のレベルもアップしている」と顔をほころばせた。



 静止画部門795点の頂点に立つ最優秀賞を射止めたのは、東北芸術工科大学デザイン工学部の本田長彦さん。弱冠24歳ながら、(社)日本広告写真家協会が主催する“APA'98公募展”でもグランプリを受賞した実力派だ。その作品『Hope or desire, and weariness』は、あえて現像ムラをつけたモノクロ印画紙をベースに、Macintoshでデジタル加工したもの。審査委員長の大平智弘氏(東海大学藝術研究所教授)は、「アナログ的な“銀塩”の手法と、デジタル的な“フィルター処理”をうまく使い合わせている。作品には緊張感、存在感が感じられる」と評した。当の本人は、「もともと写真が専門で、デジタルはどちらかといえば苦手。被写体の持つ具体的な意味にしばられない作品に仕上げたかった」と語っていた。

 アニメーション部門の最優秀賞は、神戸芸術工科大学大学院の蒲田将巨さんによる作品『星に想いを』が受賞した。白や紫の線でデフォルメされたヒトが、ゆらゆら揺れながら星に思いを託す様子が描かれている。「フォトリアリズム全盛の時代にあって、静かな心象風景が描かれていた。美しく心地よい作品」と大平氏。

 文化庁メディア芸術祭で、プロフェッショナルの手によるデジタルアートも審査している大平氏は、「確かにプロの作品はよくできているが、すでに型ができてしまって面白味にかける。学生の作品の中には、新しい冒険を試みたものが見受けられた」と総評した。

 受賞作品は以下のとおり。受賞作品の画像およびコンテストの詳細は、CG-ARTS協会のホームページ(http://www.cgarts.or.jp/CGcontest/CGcontest8.html/)で閲覧できる。(報道局 浅野広明)

●静止画部門

【最優秀賞】
 『Hope or desire, and weariness』本田長彦

【優秀賞】
 『進化する人間像』木村智博
 『ZERO』桑原梓
 『Teppou-mizu』矢尾正和

【奨励賞】
 『2222』足立知之

 ほか、入選7名。

●アニメーション部門

【最優秀賞】
 『星に想いを』蒲田将巨

【優秀賞】
 『PLAYING MANTIS』多田学、宮沢芳里
 『yamaguchi takashi』山口崇司

 ほか、入選2名。

http://www.cgarts.or.jp/

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