Macworld Conference & Expo 2009レポート 第8回
MacBUインタビュー
Macのビジネスに効く、MSの「Entourage EWS」とは?
2009年01月14日 13時00分更新
マイクロソフトには、Mac用ソフトを専門に開発している「Microsoft Macintosh Business Unit」(MacBU)という部署がある。そのMacBUがMacworld Expo 2008において2つの新ソフトを発表した。
ひとつはメールソフト「Microsoft Entourage」でExchange Sever利用する際の利便性を高める「Microsoft Entourage for Exchange Web Services Beta」(Entourage EWS)。
もうひとつは、SharePoint ServerやOffice Live SpaceのようなSharePointベースのサービスの利用を可能にする新しいアプリケーション「Microsoft Document Collaboration for Mac Companion Beta」だ。
いずれも無料でのアップデートを予定しており、Entourage EMSが1月中、Document Collaborationは今年中を目処に公開する予定だ。早速、Macworld Expo 2008で開かれた説明会の詳細をお届けしよう。
課題はマイクロソフトが提供するオンラインサービスとの連携
まずはシニアマーケティングマネージャーのアマンダ・ルフェーブル(Amanda Lefebvre)さんが、今回のアップデートの全体を説明した。
「Office 2008 for Mac」の発表から1年が経過したが、セールスはほかのバージョンと比べて好調で、「あるリサーチ結果を見ると、米AmazonのホリデーシーズンにおけるMac用ソフトのセールスでもトップを獲得した」とのこと。米国では、全Macユーザーの4分の3がOffice 2008 for Macを使用しているというデータがあり、マイクロソフトはMacユーザーを重要な顧客として認識しているそうだ。
「将来に向けて、マイクロソフトは『ソフトウェア+サービス』を重要視している。Mac BUでも、Macユーザーがマイクロソフト提供のサービスを利用できるようにすることに注力している」(ルフェーブルさん)
そのための最初の製品が、冒頭に挙げたEntourage EWSと、Microsoft Document Collaboration for Mac Companion Betaだ。
「これらの2製品は、Macユーザーに対してオンラインサービスとの連携を提供する試みのスタートであり、これらがすべてではない。今後もマイクロソフトが提供するさまざまなオンラインサービスを快適に利用できるよう開発を継続していく」(ルフェーブルさん)
昨今、データの蓄積や処理はネットワークの先にある強力なサーバーが担当し、エンドユーザーには操作用のインターフェースだけを提供することをコンセプトとした「Saas」や「クラウド」といったキーワードがトレンドだ。Mac BUでも今回の2製品をきっかけにこの流れを強力に推し進めていくということだ。
そして、マイクロソフトにはExchangeやSharePointといった、ビジネス分野でデファクトスタンダートとなっているインフラがすでにある。Macユーザーに向けてこのインフラを解放するのが彼らのミッションであり、そのためのツールがOffice for Macというわけだ。

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