3年半ぶりの「Microsoft Office for Mac」リリース
2008年の1月16日に、日米同時発売を控えるオフィススイート「Office 2008 for Mac」。プログラムの全コードを「Xcode」に書き直してのユニバーサルバイナリー化、「メイリオ」をはじめとしたWindows環境フォントの導入による互換性の向上、Macユーザーにも違和感のないユーザーインターフェースなど、数え上げればきりがないほどの魅力的な新機能を搭載している。
今回、日本でMac製品の開発に携わるスタッフに開発の裏話や本ソフトのポイントについて話を聞いた。
Mac版Officeの開発体制
「Office 2008 for Mac」の開発は、米マイクロソフト社の「Macintosh Business Unit」(Mac BU)という部門が担当している。約200人ほどの体制で、これはMac向けのソフトウェアディベロッパーとしては最大の規模。ローカライズ版開発の拠点は日本とアイルランドにあり、日本ではもちろん日本語版の開発、アイルランドがヨーロッパ各国版を担当している。日本国内のスタッフは時期によって増減するものの25人前後だという。
実際のコーディング作業は米国本社で統括して行っている。そのため日本の開発部隊が担うのは、国内独自のニーズを汲み上げてスペックに盛り込むというプログラムマネジメントや、日本語環境に特化した入力などの部分のテスト、品質保証、そしてソフトウェアのローカライゼーション(メニューやユーザーインターフェース、ヘルプメニューなどの日本語化)、日本独自のテンプレートの企画などだ。
Macintosh製品のグループマネージャーである高田和明氏は、国内開発部門の守備範囲について、「日本語へのローカライズはもちろんのこと、それに加え、日本独自の機能やお客様からのフィードバックを盛り込む作業と、それらの品質保証に特に力を入れて取り組んでいます」と話す。なにもかもWindows版と同じものを作ればいいというのではなく、Macのユーザーに適したOfficeを互換性を最大限に維持しながら作り上げるというスタンスだ。
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