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逃せば、これっきり──初代新幹線を撮る5つの心得

2008年11月27日 16時13分更新

文● 斉藤博貴

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心得3 手ぶれと被写体ぶれはキッチリ防げ!


 シャッター速度は1/60~1/250秒がいい。それは手ぶれと被写体ぶれを防ぐためだ。手ぶれを防止できるシャッター速度は1/◎秒、使用するレンズ焦点距離の値を分母の◎とした速度だ。50mmレンズ(またはデジタル専用レンズなどを使用す場合は合成焦点距離の実効画角)を使用するなら、シャッター速度は1/50秒以上ということになる。なお、停車中の車両であっても鉄道車両は微妙に振動しているので被写体ぶれに関しても気を配ろう(冷蔵庫が微妙に振動しているのと同じ理屈だ)。

ぶれてしまった場合の失敗例

 手ぶれ補正機能は常時オンだ。しっかりとカメラとレンズをホールドして、深呼吸をして……息を吐いてからシャッターボタンを押すと手ぶれはしづらいと言われている。もし、手ぶれで困ることがあるようなら試してみてほしい。

 撮影感度は、画質が優れるISO 100~400がお勧めだ。しかし、夜間撮影などで暗いようなら非常手段としてISO 800~1600も使用するべきだ。ノイズなどで画質が低下したほうが、手ぶれと被写体ぶれするよりもキレイに撮れることが多い。なお、2008年夏以降のデジタル一眼レフなら、高感度特性に優れた製品が多いので、ISO 800~1600を常用しても問題ない場合もある。

 記録形式はRAW+JPEGがお勧めだ。RAW現像すれば1EV程度の露出不足くらいは画質低下を気にすることなく露出補正できる。ただし、この場合、メモリーカードは大容量のものを用意する必要がある。

 フラッシュの使用は基本的にお勧めできない。オートでフラッシュ撮影をすると、背景が真っ暗に写ってしまうので臨場感が出ない。また、反射率が高く真っ白な新幹線だけに白トビしてしまう可能性が高い、などの問題点があるからだ。だから、根性でスローシャッターに耐えてほしい。大丈夫、10枚も連写すればどれか一枚くらいはブレずに撮れている。

使いこなしたい「ブラケット撮影」

 5分前後の停車時間が保証されているとして、撮影中はつい熱くなって平常心を失いがちだ。失敗を未然に防ぐために、露出ブラケットの使用をお勧めしたい。

+0.3EV

-0.3EV

-0.7EV

 下の3枚を見比べると露出が0.5EV異なるだけで、発色が微妙にことなることが分かる。限られた時間内で撮影する場合、露出は直感でだいたいのところを当てて、後は露出バラシなどで保険を賭けておくのがいい。



心得4 正面から撮る努力をしよう!


 0系新幹線電車に限らず、鉄道車両を撮る場合は先頭方向を撮影するように心がけよう。先頭方向なら運転士も写るのでカッコイイ。一方で、後方から撮ると、真っ赤な後部警戒用のライトが点灯している姿になってしまう、これは「後追い」と呼ばれる撮影ジャンルにあたり、鉄道愛好家ならできれば避けたいシチュエーションである。

心得4に反して列車後方から、さらに入線側のプラットホームから撮ってみた。後部警戒用のライトが赤く点灯してるのが残念。さらに、下部のスカートや車輪がプラットホームで隠れてしまっているのも残念

 そして下部のスカートや車輪までの全景を写真に収めには、反対側のプラットホームがら撮った方がいいだろう。理由は入線して来るプラットホームからだと、乗降口から下が完全に隠れてしまうからだ。

 新幹線の駅の構造はメジャーな駅でないなければ、中央に走行路線、その脇に停車・待避路線、両脇を乗降用のプラットホームという配置になっている。0系新幹線電車の全景を撮る場合、入線してくるプラットホームの反対側からがお勧めだ。

 これには一般の乗降客の邪魔にならないというメリットがある。しかし、反対側のプラットホームであっても、黄色い線の外側には絶対にはみ出して撮影してはいけない。この場合、撮影者の背後から電車が入線して来るので要注意だ。

0系新幹線電車を画面の中央に配置した。ちょっと下の方が余ってる様な気がして筆者的には落ち着かない

0系新幹線電車を画面のやや下側に配置した。駅の構造物が画面の上に入り、余分な道床部も消えたので筆者的には落ち着いて見える

 アングル的には、新幹線の駅撮りは望遠ズームレンズを使用するなら「8:2」、標準ズームレンズを使用するなら「9:1」のバランスで撮影したい。側部を「8~9」で、正面を「2~1」という割合だ。また、鉄道車両の姿は写真の中央ではなく、画面のやや下側に配置した方が落ち着いた描写になる。また、そうすることで駅のプラットホームの屋根などが大きく写るので臨場感も増す。

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