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逃せば、これっきり──初代新幹線を撮る5つの心得

2008年11月27日 16時13分更新

文● 斉藤博貴

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心得5 時刻表を分析して撮影風景を想像しよう!


 時刻表は鉄道撮影の友だ。すべての情報はそこに詰まっている。真理を読み解くのは撮影者の務めだ! 時刻表で、撮影予定駅での0系新幹線電車の出発時間をチェックするのは基本中の基本だ。応用は、心得1にも書いた0系新幹線電車の停車時間中のイベントの流れを把握することだ。

上り待避線に停中の「こだま674」を追い抜く700系レールスターと一緒に撮影。700系レールスターの被写体ぶれを計算してシャッター速度を1/15秒に設定してある。

下り待避線に入線してくる100系新幹線電車と並ぶ0系新幹線電車を撮影。夜の雰囲気を出すため、暗めの露出でオート露出をマイナス2/3段に設定してある。ともに新幹線山陽新幹線、相生駅で撮影

 例えば、相生駅の上り線ホームから22時31分に発車する「こだま674」を想像してみよう。何と上り方向から「ひかり」運用から外されることが発表されている700系の「ひかりレールスター」が追い抜くのだ。そして、下りの停車・待避線にこれまた希少な100系新幹線電車の「こだま」が入線してくることが読みとれるのだ。

 3通りものシチュエーションでで0系新幹線電車を撮影できるのはラッキーだ。

  1. 上り待避線に停中の0系新幹線電車だけを撮る
  2. 次に700系レールスターが待避中の0系新幹線電車の横を通過する光景を撮る
  3. 最後に、下り待避線に入線してくる100系新幹線電車と並ぶ0系新幹線電車という、歴史的な光景を撮影する

 これだけ1回の撮影で撮れれば十分だろう。深夜の時間帯となってしまうのは辛いが、それだけに撮影者が少ないのでプレッシャーが少ない。

 ただし、このプランは、引退予定日より1日早い、11月29日(土)までという期限付きなので注意したい。

撮影にもマナーを


 それと……うるさい話で申し訳ないが、駅撮りのマナーは絶対に守りたい。決して黄色い線の内側に立ち入って撮影してはいけない。また、一般乗客の邪魔になってはいけない。そして、鉄道員からの注意や警告には絶対に従うこと。これらを守らないと、後から続く撮影者が大いに迷惑することになる。最悪の場合、駅での撮影が禁止されてしまう事態にも発展しかねなない。

 ほかの撮影者への配慮も忘れてはいけない。より多くの撮影者が新幹線の撮影を成功できるための協調性の発揮が大切だ。例えば、限定的な撮影スペースを有効的に利用するため、前・中・後の3列に分けて、片膝付き、中腰、直立という順に並べばより多くの撮影チャンスが生まれる。さらに、標準ズームで撮影する場合、後方から望遠レンズで撮影している人がいないかどうかを確認するくらいの心の余裕がほしい。

 撮影する駅を選ぶことも重要だ。例えば、新大阪駅、岡山駅、広島駅、博多駅などメジャーな駅の朝夕の撮影は避けたい。俗に「テツ」と呼ばれる鉄道写真愛好家ではない「一般客(イチゲンサン)」がカメラ付き携帯電話を片手に集結することも予想できるからだ。ここはり、相生駅など「のぞみ」が停車しない途中駅をお勧めしたい。たどり着くことは面倒かもしれないが、その分だけ撮影の効率は高くなる。

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