顔検出と最適露出
E-420にはフラッグシップのE-3と同様に、露出に差が出やすい「顔」と「背景」の両方を明るく撮れる「フェイス&バックコントロール」機能が搭載されている。
暗部補正と白とびの軽減を行なう階調設定を「オート」にして、さらに顔検出を「オン」にした状態がそれだ。それぞれが独立した機能としても利用できるため、応用の範囲が広い。
まず、暗部補正と白とびの軽減については、階調を「オート」にすると黒つぶれや白つぶれを低減してくれるので、ラチチュードが高く見える写真を撮ることができる。
しかし、ややノイズレベルが上がるという副作用もあるようだ。逆光状態で撮影したカラスは確かにある程度黒つぶれが抑えられているが、黒い部分にカラーノイズが浮き出ている。ただし、パソコンのディスプレーで拡大しなければ分からないレベルではある。
顔検出は、ライブビュー時にしか使用できないが、最大8人までの顔を認識できる便利な機能だ。ハイスピードイメージャAF対応レンズを装着していれば、シャッターを押すだけで人物写真がキレイに撮れる。顔検出作業もほとんど時間がかからないで、常時オンにしておいてもいいと思う。
カメラバッグに余裕が生まれる小さな本体
最後にE-420のコンパクトさを象徴するカットをひとつ。いつものカメラバッグに、家にあったEシステムの機材を詰めてみた。
すると、パンケーキレンズを装着したE-420があまりに小さくて、隠れんぼ遊びのようにバッグに奥に入り込んでしまった。機材の林に隠れて目立たないので、カメラをバッグに入れたかどうか不安になるほどだ。
E-420をメインにしてシステムを組めば、泊まりがけの撮影なら通常のカメラバッグを使用して、空いたスペースに着替えセットを詰め込む余裕もできる。とにかく機動性が上がりそうな気配だ。
普段使っているカメラバッグにボディーとレンズを収めたのが右の写真。「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」「同14-54mm F2.8-3.5」「同 ED 40-150mm F4.0-5.6」「同 ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD」を加えた5本に、テレコンバーターの「EC-20」。これだけ詰めても、まだ余裕がある。新しいレンズ買えってことだろうか……。
散歩用のカバンに、E-420、パンケーキレンズ、望遠ズームレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6」を入れてみた。パンケーキレンズならカメラに装着した状態でも凸った部分がほとんどないので、カメラバッグを使用しなくても収まりが良い。これなら、小さなカバンが好きな女性だけでなく、通勤の途中にもスナップ撮影を楽しみたい男性も注目するに違いない。