マイクロソフトは3月13日、ソフトウェア企業のSaaS型ビジネスへの移行を支援する「マイクロソフト SaaS インキュベーションセンター プログラム」の提供開始を発表した。
ビジネスとテクノロジーの両面から情報提供を行なう
マイクロソフトの「SaaS インキュベーションセンター プログラム」とは、ソフトウェア企業のSaaS型ビジネスへの移行を支援するサービス。同プログラムにはSaaSのビジネスとテクノロジー両面の情報提供をセミナー形式で行ない、さらにSaaSの実証実験の環境を提供する。
マイクロソフト 業務執行役員 通信・メディアインダストリー統括本部長 山賀裕二氏は今回のプログラムの目的について、「SaaS市場は今後3年間で2倍以上のマーケットに拡大すると言われている。この市場を盛り上げるためには、新規参入するソフトウェア企業への支援が必要不可欠」と述べる。
同プログラムで提供されるセミナーは「ビジネスデベロップメントセッション(BDS)」と「アーキテクチャデザインセッション(ADS)」の2つに分かれている。BDSでは既存のパッケージビジネスとの棲み分けや価格設定、オンラインマーケティングにおける有効な施策などを提案し、ADSではそのために必要な技術的な情報を提供する。また、同プログラムでは、マイクロソフトがWindows Server環境を用意し、ソフトウェア企業はSaaSの実証実験を行なうことができる。
このプログラムはマイクロソフトのパートナー企業を通じてソフトウェア企業に提供される。SaaSプラットフォーム事業者やホスティングベンダーなどが同プログラムと自社のサポートサービスを組み合わせ、ソフトウェア企業のSaaS事業化を促す。
同プログラムを提供するパートナー企業はKDDI、富士通、GMOホスティング&セキュリティ、NTTPCコミュニケーションズの4社。今春からマイクロソフトと共同でSaaSプラットフォーム「Business Port」を開始するKDDIのソリューション事業統轄本部 戦略企画部長 桑原康明氏は今回の取組みに対し、「マイクロソフトのSaaS移行支援プログラムと、弊社のサポートプログラムを組み合わせることにより、アプリケーションパートナーにより強固な支援を提供できる」と自信を見せる。
山賀氏は「SaaS市場を活性化させるという趣旨をご理解いただき、パートナー企業を拡大していきたい」と今後の展開について述べた。
KDDI、Business Port第1弾参入企業を発表
マイクロソフトの会見中に、KDDIの桑原氏はBusiness Portの進捗状況についても触れ、同プラットフォーム上でアプリケーションを提供するパートナー企業として、ソフトブレーン、オービックビジネスコンサルタント、ピー・シー・エー、エヌジェーケー、GCT研究所、エンタシスの6社の参加を正式に発表した。
「2007年12月に開催したBusiness Portの説明会には60社のアプリケーションベンダーが集まった。これらの企業とは継続して交渉を進めていき、SaaSに取り組む企業を拡大していく」と桑原氏は述べた。