日本はシリコンバレーから何を学ぶべきか
リチャード・ダッシャー博士は、シリコンバレーがどういうシステムかを流暢な日本語で説いた。ダッシャー氏は「日本でシリコンバレーを再現しようとしても、うまくいくわけではない。だから、日本でシリコンバレーからどういうところを学ぶべきかを考えることが重要だ」と訴える。
ダッシャー氏が伝えたシリコンバレーの特徴は、以下のような具合だ。
- 高学歴で移動性の高い労働力
- ベンチャー投資家が大勢存在する
- 起業に詳しい弁護士/会計士/ヘッドハンター/技術者/マーケティング/コンサルタントといった人材を豊富に抱える
- 結果重視でありながら、リスクも尊重する社会的価値感を持つ
- 常に多くの研究開発が行なわれている
- 次の新しい波に合わせていつでも自己改革をできる柔軟性がある
またリスクを取ることについて、「日本では『シリコンバレーは失敗に寛容』とよく言われるが、それは誤解です。シリコンバレーでは失敗時にその原因を分析することを重視している」と語った。
これは容易ではないが、次の行動を起こすうえで非常に重要なプロセスでもある。ダッシャー氏は、日本の企業は失敗の分析における力が足りない、とも力説している。
ダッシャー氏はさらに、シリコンバレーの投資家がリスクをとれる理由として、10社のうち5~6社も成功すれば、かなりいい方で、さらに成功率が低くても十分見返りが得られることなど、ベンチャー投資のからくりなどについても惜しみなく解説した。
最後にはシリコンバレーから学ぶべきこととして4つの事柄を説く。
- チーム作り
- 投資家との関係作り(お金をすぐに受け取らないなど)
- しっかりとしたビジネスプランを持つこと
- コミュニティー作り(インフォーマルな交流が重要)
9時間強のフライトを経て、シリコンバレーに到着するや、すぐにサンフランシスコの街に繰り出して観光。そのあとにスタンフォード大学で3時間の講演といった感じで、スーパークリエイター達の米国1日目は、かなりのハードスケジュールだった。しかし、参加者達は夕食後も眠気まなこをこする者もおらず、目を輝かせて自室に去って行った。
明日は彼らにとっての本番、シリコンバレーの投資家達へのプレゼンテーションの日となる。はたして「八人の侍」の思いは通じるのだろうか。明日のレポートをお待ちいただきたい(2日目の記事はこちら)。