日本オラクルは12月12日、「Oracle CRM」に関する説明会を開催し、2008年前半にリリースされる予定の「Siebel CRM On Demand Release 15」についての事前紹介を行なった。
個々の従業員の生産性向上を図る、Siebel CRM On Demand
今回の説明会は、先月サンフランシスコで開催されたOracle OpenWorldで行なわれた次期CRMの発表を受けたもの。説明を行なった米オラクルのCRM担当シニア・バイスプレジデントであるアンソニー・ライ氏は、「エンタープライズ・アプリケーションは過去20年あまり変わっていない」と語る。その上で、「20年ぶりの大きな変革」として同社が取り組む新しいコンセプトとして「顧客中心主義」と「ソーシャルネットワーク参加型」について紹介した。
また、同社の「On Demand」ソフトウェアへの取り組みを市場で注目されるSaaSベンダーと比較した。一般的なSaaSベンダーはマルチテナント型をアピールしているが、同氏は「ユーザーが必ずしもマルチテナントを望んでいるわけではない」という。統合化されたマルチテナント・アプリケーションは全ユーザーに同じ環境を提供することになるが、たとえばバージョンアップへの対応などで、しばらく旧バージョンを使い続けたいと望むユーザーに対応するには、マルチテナントではなくユーザーごとに個別の環境を用意することで選択肢を提供できるという。
同社の「CRM On Demand」は、インフラをユーザー間で共有する“シェアード・ポッド”と、ユーザーごとに用意する“プライベート・ポッド”の組み合わせで構成されているため、SaaSモデルのメリットを活かしつつ、ユーザー個々の要求に柔軟に対応できるとしている。
2008年前半にリリースされる予定の「Siebel CRM On Demand Release 15」は、従来型のパッケージ(On Promise)と連携した「ハイブリッド型」や「統合型」としても利用可能。ソーシャルネットワーキングの技術を取り入れたことで、CRMアプリケーションを利用する個々の従業員の生産性を向上させるものとなっているという。