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収録スタジオの音をそのままお家で再現!

【解説】本気で「スパイダーマン 3」を楽しむなら「Dolby TrueHD」を理解しよう!

2007年10月17日 00時00分更新

文● 編集部 橋本 優

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 米ドルビーラボラトリー社(Dolby Laboratories)の次世代DVD向け音声サラウンドフォーマット「Dolby TrueHD」(テゥルーエイチディー)を採用したビックタイトル「スパイダーマン トリロジーBOX」((株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント販売、1万2800円)が今月17日にリリースされる。スパイダーマンの内容については今週の「週末見るコンテンツはこれ★」で紹介する予定だが、そもそもTrueHDってなんでしょう?

TrueHDって凄いんですか?

スパイダーマン トリロジーBOX

右が「スパイダーマン トリロジーBOX」

 まず、TrueHDは従来のDolby DigitalやリニアPCMと比べて圧倒的に音質がよくなるというものではない。むしろ、リニアPCMと変わらない音質というのが特徴で、その音質を保ったままデータを圧縮できる点がメリットだ。

 TrueHDは「MLP」(Meridian Lossless Packing)というロスレス圧縮形式を拡張したフォーマットで、音質を保持しながら、リニアPCMと比較して半分~5分の1程度の容量で音声を収録することができる。節約した容量で特典映像を収録したり、本編の画質を上げたりできるのだ。

ドルビーの試写室

ドルビーの試写室

 もちろん、音質的にまったくアドバンテージがないかというと、そんなことはない。先日、Dolby Japan(株)は「スパイダーマン 3」の試写会を同社試写室で開催したが、その中でドイツのスタンバーグ メディア テクノロジーズ(Steinberg Media Technnologies)社の業務向け音楽編集ソフト「Nuendo 3」を使用し、圧縮時に失われる音声のみを取り出して再生する、というデモを実施した。

「Nuendo 3」のサウンドミキサー。これを操作することで圧縮時に失われる音声を抽出できる

「Nuendo 3」のサウンドミキサー。これを操作することで圧縮時に失われる音声を抽出できる

 ソースは音楽だったが、ドルビーデジタルやDTS、DTSの次世代DVD向け音声記録方式の「DTS HD」では、多かれ少なかれメロディーが聞き取れる感じだった。しかしTrueHDではメロディーが聞き取れない程レベルであり、つまり、ほぼレコーディング時の原音を再現できる、ということになる。

 さらに、8chのストリームを扱えるので、8スピーカーシステムを揃えれば、5.1chと比べてさらに臨場感あるサラウンドが楽しめる。ちなみに8chというのはBlu-ray ディスクとHD DVDの規格で決められた数であって、TrueHD自体は8ch以上のストリームをサポートしている。



TrueHDを堪能するならアンプが必要


オンキヨーのデジタルアンプ「TX-SA605」と東芝の「VARDIA A600/A300」の組み合わせ

オンキヨーのデジタルアンプ「TX-SA605」と東芝の「VARDIA A600/A300」の組み合わせ。VARDIAがビットストリーム伝送に非対応のため、この取り合わせだとリニアPCM伝送となる

 TrueHDは、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション 3」や(株)東芝の「VARDIA」(ヴァルディア)など、最新のBD/HD DVDプレーヤーであればほとんどの機器で再生できる。ただし、実際に音を出すのはアンプ+スピーカーであり、プレーヤーからアンプに音声ストリームを転送することになるわけだが、実はこの方式には3通りある。

 1つめはプレーヤー側でTrueHDで収録された音声をデコードし、アナログケーブルを通じてアンプに伝送する方法。これならプレーヤーさえ対応していればアンプ側はアナログのマルチチャンネル入力があればいい。サラウンドにこだわらないなら、アンプを省いてテレビのアナログ入力に直接接続しても音声を聞くことができる。

 2つめは、同じくプレーヤー側でデコードし、リニアPCM方式に変換(D/D変換)してからHDMIでデジタルアンプに伝送する方法。プレーヤーがTrueHDに対応するほか、アンプ側はHDMI 1.1以上の入力端子を搭載し、リニアPCMマルチチャンネル入力に対応している必要がある。1つ目、2つ目の方法であれば、最新のBD/HD DVDプレーヤーとデジタルアンプであればほとんどが対応している。

 3つめは、プレーヤー側ではデコードせず、デジタルアンプにTrueHDのストリームをそのまま伝送(ビットストリーム伝送)し、アンプ側でデコードする方法だ。プレーヤーがビットストリーム伝送に対応している必要があるほか、プレーヤー、アンプでHDMI 1.3以上の入出力端子を備えている必要がある。もちろん、アンプ側がTrueHDビットストリームのデコードに対応している必要もある。

パイオニアのBDプレーヤー「BDP-LX80」

パイオニアのBDプレーヤー「BDP-LX80」

 ちなみに、3番目のビットストリーム再生は、最新のデジタルアンプやホームシアターシステムであれば対応しているものが多いが、プレーヤー側はパイオニア(株)のBDプレーヤー「BDP-LX80」が対応している程度で、まだまだ少ないのが現状だ。

 「スパイダーマン トリロジーBOX」は、Blu-ray ディスク 4枚組みで、「劇場版スパイダーマン1~3」と、「スパイダーマン 3」のボーナスディスクがセットになっている。このうちスパイダーマン1、2は英語音声のみスパイダーマン 3は日本語吹き替えのみがTrueHDフォーマットとなる。残念ながらすべて5.1ch収録のため、8chサラウンドは堪能できないが、本作品を見たいと思っている方は、この機会に環境を整えてみてはいかがだろうか。また、環境が整っているなら、「スパイダーマン トリロジーBOX」はゲットすべきコンテンツだ!

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