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Forza Motorsport 2 特別連載 第6回

週アス“Forza2”特集を作った車好き3人が思いの丈をぶちまける

【Forza2】自分のコダワリを表現させた車ができるまで

2007年05月23日 02時00分更新

文● 編集部 飯塚岳史、週刊アスキー編集部 伊藤有、ライター 千駄木和弘

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週刊アスキーでのForza2特集では、リアルでも車(バイク)に対してコダワリがある3人が、鈴鹿サーキットで決着をつけようと試みた(関連記事)。ただ、用意された車だけでレースをするのは面白みに欠けるので、自分なりのコダワリに基づいたチューンナップ、オリジナルペイントを施したカスタムカーで対決することになった。

もちろん、すべて最高クラスまでチューンして、というのではあまりにも大味すぎるので、“車のクラスはBクラスまで”というレギュレーションが取られた。Bクラスというのは、“PI値”(パフォーマンスインデックス:車の総合性能の指標)で言うと“700”までの車である。

それでは、各ドライバーにコダワリを思う存分語ってもらったので楽しんでいただきたい。


週アス 伊藤の場合

カマロ、パワーありすぎ(笑)


対戦するからには笑えるネタ車でなきゃなぁ」というわけで、選んだ車両はアメ車。それも1969年式のシボレー・カマロだ。あらかじめ“Bクラスしばり”というレギュレーションを作ってあるので、ほかの二人と同レベルのPI値で車を作れば“本当に同じくらいのタイムが出るのか”を確かめる意味もあった。

改造はまずエンジンのパワーアップから着手。レースをやるからには旧車でも本気で勝つつもり。なので、いきなりエンジンを丸ごと交換して、最新の“C6コルベット”のエンジンに換装。吸排気系もレース用に変更する。

これで鈴鹿サーキットを流してみることにした。アクセル全開で4速までシフトアップ! 速い! と、スタート直後の第1コーナーが迫る……ブレーキングして……って止まらん!!! あっという間に壁に直行してクラッシュ。

嫌な予感がする。気を取り直してゆっくり走ってみると、全体的にハンドル操作への反応が鈍く、しかも異常なほどリアタイヤがすべる。ほとんどまともにパワーがかけられない状態だ。ノーマルタイヤだから当然と言えば当然なのだが。

仕方なくキャリアモードの“Buy Upgrade”メニューに戻り、路面にパワーを伝えやすくするデフとレース用サスペンションキットを装着。そしてなにより大事なタイヤをハイグリップに交換する。

これで大丈夫だろうと思ったが、ふとPI値に目をやるとBクラスの上限である700ポイントを余裕で超えて、Aクラスレベルにまでなっている。レース用サスやデフの装着ではPI値はほぼ変わっていないので、タイヤの交換が効きすぎているようだ。あの滑りまくるノーマルタイヤでレースをするなんてあり得ないから、エンジンをノーマルに戻してみたり、さまざまなチューニングメニューを試す。

結果としてわかったのは、Bクラスしばりにする限り、カマロはノーマルタイヤでなければならないことだった。なんということか! 旧車でも排気量は5.7リッター。パワーがありすぎるのだ。エンジンの“ダウン”グレードという選択肢はないから、ノーマルタイヤでなんとか乗れるようにして、長所を生かせる仕様にするしかない。

リアが落ち着かないのはアメ車の宿命だと思おう


そうこうして最終的には、ノーマルコンパウンドだが微妙に太めのタイヤで、ホイールは18インチの大径に。エンジンはノーマルをベースにスーパーチャージャーを装着し、600馬力(笑)という仕様に落ち着いた。リアのグリップ不足はデフを入れても改善できないため、カマロ唯一のエアロであるリアウィングを装着して、高速域のダウンフォースを稼ぐ仕様とした。ミッションはシーケンシャルも選べるが、アメ車ならではの4速ATにこだわって、ファイナルギアレシオの調整のみができるスポーツミッションへの交換にとどめてある。PI値はジャスト700だ。

これで数時間走り込んでみたが、全コーナーを基本ドリフトで走るようにすれば、運が良ければ2分17秒台が出る。飯塚号や千駄木号は2分15秒台だというから、すべてのコーナーでD1グランプリを開催してるマシンにしては上出来だ。それにしても、ほかの2台とはまったく異なる性格付けの直線番長マシンなのに、PI値が近いと実際にも近似したタイムが出るのに驚かされる。これなら、発売後に楽しめるXbox LIVEでの対戦も白熱したものになるだろう


ライター 千駄木の場合

ストラトスいいねぇ! 気に入っちゃったよオレ!


今回の対戦は、“マシンはBクラス、セッティングは10時間まで、ペイントも必須”という制限があったので、チューン内容のバランスで非常に悩みまくり。車体すべてに手を加えると、すぐAクラス車になってしまうからね。とくに“軽量化”、“過給器(タービン)の追加”、“ハイグリップタイヤ”はPI値が急上昇するため、排他的に選択しないといけないのが悩ましいところ。ただ、どんなアプローチでチューニングしても、PI値が近ければ同程度のラップタイムになるのがオモシロく、自分が走りやすいグッドバランスを追求したくなる。

個人的には本来、コーナーでベタ踏みできる安定感やタックインによる切れ込み感が好きなので、FF車やAWD車が好みなんだけど、今回はあえてMR車の“ランチア・ストラトス”を選択。不安定だけどミッドシップによる回頭性と加速の良さ、あとビジュアルの良さが気にいっちゃったよオレ! それに、ほかのメンバーはどうせトレノとかZとか選んでくるんじゃないの? という勝手な予想もあってのセレクトですよ。

ストラトスは本来、“Dクラス”の車なので、“Bクラス(PI:700)”までヘビーチューンできるのもナイスなポイント。チューニングの方向性は、軽量化レース用ターボの追加で加速性能をアップし、前後スタビライザーをいじってアンダーステア気味に調整。アンダーステアにすることでFF車的な乗り味スピンの発生を抑えるのが主な狙い。練習走行で完璧でも、対戦時だとミスをするかもしれない、そういうトラブルの可能性も減らしたい。やるからには勝ちたいしね。

しかし、なぜかじゃじゃ馬なドリフトっ子に


制限されたPI値の都合上、パワーは上昇したけどタイヤは標準のまま。なので直線以外は常にキュルキュル鳴りまくり。安定志向が好きとか言ってるくせに完成したのはドリフト車じゃん! あっれーー?? まあ、いくら踏んでもスピンしない適度なダルさと、安定した状態でドリフトしていくからレコードラインのトレースも可能で、なんら問題もナシ(たぶん)。せっかく高めたマシンパワーが逃げているのがもったいナイ気もするけど、余分なパワーをタイヤがリリースしているとポジティブシンキングすることでその問題は回避した。

ていうかね、グリップ力のいいタイヤ履いただけのライトチューンで「これがBクラス最速です」じゃツマラないわけですよ。扱いにくい夢のハイパワーマシンを御してライバル勝つ! こんな“俺ストーリー”に酔いたいじゃないですかっw

ここまでの車体選び・セッティングで約3時間ほど経過。鈴鹿はBクラスのノーマル車で約2分22秒ほどで走れるコースだが、俺ストラトスは約2分16秒前後で走破できる……こりゃ結構イケてるんじゃね? 私、勝つわ、いつまでも勝つわ~♪

残りの時間はせっせと痛車作り


セッティング時間を大幅に短縮したのは、ペイントに時間を取りたいから。前作の“Forza”よりもグレードアップしたペイント環境で、用意されたデカール群を貼るだけでもカッコいいんだが、アキバ系を自負するなら“痛車”(イタシャ)を作らねばなるまい。そこで、テスト走行中に頭をよぎったレースクイーン、“ストラトス子”(仮)をとりあえず紙に描きだしてみる。ウェアの色は当然“アリタリアカラー”だよね……ターボ化したし。妄想しつつ下絵描きに1時間半くらい経過したけど、これはセッティング時間に含まれるのだろうか……?

ペイントで使えるデカールは、ファイヤーパターンやドクロなど“貼るだけでOK”の即戦力のほか、なんだかよく解らない幾何学模様のようなものもある。このよく解らないデカールが実は超重要。引き伸ばしたり回転することで、髪の毛や眼のパーツにバッチリ合うじゃないですか! いやもう、どうせならフィギュアみたいに瞳デカールとか希望したいよねw。

さよなら、ストラトス子(仮)! そして、ありがとう


4時間も経過するとデカール操作にも慣れ、気づいたら80レイヤーを越えるデカールを貼り付けていました。しかし、ボンネットは1000レイヤーまでOKなのでまだまだ安心。でも、1つのデカールを貼り直そうと思って削除したら、1デカールどころか、80デカールすべてを消去してしまったんだ……。あっけなく水泡に帰す4時間と俺のストラトス子(仮)。ありがとう、キミのことは忘れないよ。

取り急ぎ、代役として描いたペイントはたった20分、20レイヤーにも満たないシンプルな子ですよ。なんだかコースに出てて走っているより、セッティングやペイントばかりに時間を掛けていたけど、どちらも呆れるほど本格派なのでイジっているだけでもかなり楽しいんだよ。これはハマル人続出かもしれない。

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