「見える景色、速度感は実車とほぼ同等」
現役プロレーサー 山本左近がForza2をプレイ!
2007年05月22日 01時00分更新
いよいよ発売まであと2日に迫ったXbox 360用レースシミュレーターゲームソフト『Forza Motorsport 2』(フォルツァ モータースポーツ 2)。本日発売の週刊アスキー(6月5日号)に掲載されている特集“Forza2で自宅レーサーになる!”では、現役レースドライバー 山本左近氏がForza2を実際にプレイしている。
去年“スーパーアグリF1”でドイツGPよりセカンドドライバーを務め、今年もテストドライバーを務めながら、フォーミュラーカー選手権“GP2”に参戦する山本左近氏。山本氏から見て、レースシミュレーターゲーム『Forza2』はどう映ったのか。実際のインタビュー内容は週刊アスキーを見てもらうことにして、特集担当の視点から、取材中の様子などを語ってもらった。
「ラップタイムが表示されると削りたくなる(笑)」(山本左近さん)
週アス本誌で特集記事を担当した伊藤です。「自分が肌身で感じたリアルさを、客観的に語ってもらうには、現役レーサーにプレーしてもらうしかないだろう」、そんな思いつきのようなきっかけと、たまたま日本にいらっしゃったという幸運が重なって、山本左近さんの取材が叶いました。
OKの快諾がいただけたときは週刊アスキー編集部内でもどよめきが走りましたね。F1経験もある現役レーサーにゲームのレースカーを乗ってもらうなんて、妄想はしても(笑)、なかなか実現できることじゃありません。
取材時はさまざまなレースカーに乗って、鈴鹿サーキットを走ってもらいましたが、適応能力の高さと集中力に驚かされっぱなしでしたね。取材時間はだいたい2時間くらいだったんですが、そのほとんどを、ずーっとハンドルを握ってタイムアタックですよ。
横で見ていると、息遣いがレース中もそうしてるんだろうと思うような深呼吸に変わってきて、“本気”って雰囲気がビシビシ伝わってきます。
結局、最終的には“ABS”(アンチロック・ブレーキ・システム)や“TCS"(トラクション・コントロール・システム)といったアシストを全オフ(!)にして、取材終了ギリギリにぶっつけ本番くらいのAUDI(アウディ)のプロトカー(ル・マン24時間レース用のレースカー)で驚異的なタイムを出してました。もしあと1時間、取材時間があれば、さらに記録的なタイムが出てたんじゃないでしょうか。走行ラインもおそろしくキレイで、よくよく見てみると、僕らの“普通のライン”とはちょっと違う、“アクセルを踏んでいける”独特のラインで走ってるんですね。走行ラインのアシストで表示される色は、ほとんど真っ赤のまま(普通は曲がれないとされる速度)でした。
取材後に、自分でもアシストを全オフにして、左近さんのゴーストを追いかけてみたんですが、コーナーを5つほど過ぎたところで見えなくなってしまいました。あの当時と比べて、Forza2に慣れた今でも全然追いつけませんよ(笑)。
プロはアシストがない方が速かった!!
連載記事担当の飯塚です。自分もこの取材には立ち合わせてもらったのですが、最も特徴的だったのは、アシスト機能(ブレーキライン含む)を切ったほうが断然速かったということ。その理由をお伺いしたところ、「アシストが介入すると、自分が思ってる動きと違う補正が入るので、逆にやりにくい」という。最近のGTカーにはABSなどのアシスト機能はないのが当たり前で、なまじモデリングなどが似ているぶん、左近さんとしてはそれらの機能が付いていると違和感を感じてしまうようです。
確かに、左近さんのプレイ中の様子を見ているとABSが有効になっていないにも関わらず、フルブレーキング中にタイヤがロックしていないんですよね(タイヤがロックしていると、ハンドルを切っても曲がらずに真っ直ぐ進んでしまう)。試しにアシスト全オフで自分も走ってみたんですが、まずスタートで直進できない。さらに1コーナーでは、フルブレーキングで完全にタイヤがロックし、スポンジバリアまで一直線!
ABSの素晴らしさをあらためて実感できたとともに、それらのアシストに頼ったドライビングをしているんだなぁ、と思い知らされた今回の取材。次回は週アス特集裏話の続編として、特集内で使用したオリジナルカーの仕様について、各ドライバーによるコダワリについてお伝えします。
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