米セールスフォース・ドットコムは、今年後半にもECMシステム市場に参入する。3月に買収した米コーラル・テクノロジーズの技術を基盤に、非構造化データの管理に対応したアプリケーションをSaaSモデルで提供する。
“Web2.0”的な概念を取り入れた非定型コンテンツ管理サービス
米セールスフォース・ドットコムが発表したのは、SaaSモデルで提供されるECM(Enterprise Content Management)ソリューション「Salesforce Content」。Salesforce Contentは、開発プラットフォーム「Apex Content」とコンテンツ管理アプリケーション「Salesforce ContentExchange」から構成される。
Apex Contentは、Office文書やHTML、映像/音声ファイル、電子メールなどの非構造化データを扱うSaaSアプリケーションのプラットフォーム部分を提供する。具体的には、ワークスペース管理機能、履歴管理機能などを持つライブラリサービス、タグ分類機能、全文検索用のインデックス作成機能、ワークフロー機能などを提供する。Apex Contentを使うことで、Salesforce上で動作するアプリケーションは非構造化データの管理・共有を行なう機能を呼び出して利用可能になるとともに、コンプライアンス/臨床試験/デジタル資産管理などの新たなアプリケーションを作成できるようになる。
もうひとつのSalesforce ContentExchangeは、実際にApex Contentを使って開発されたECMアプリケーションとなる。従来型のフォルダベースの管理方法ではなく、タグやコメント、推薦などのコミュニティ機能に特徴を持ち、Ajaxインターフェイスの採用などと併せてWeb2.0の概念を取り込んだのが売りだという。
いずれも今年後半にサービスを正式発表、開始する予定で、現時点では価格は公表されていない。なお、開発にあたっては、今年3月にセールスフォースが買収した米コーラルテクノロジーズの技術をベースに構築する計画だ。