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特許から見るデジタルセラピューティクス(DTx)

連載
知財で読み解くITビジネス by IPTech

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日本で広がる開発中のDTx

 CureApp社は、CureApp SCニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカーの第2弾として、2021年5月に高血圧症治療用アプリを疾患治療用プログラム医療機器として薬事申請しました。2022年の薬事承認と保険適用を目指しています。

・不眠症治療用アプリ(サスメド社)

 サスメド社は、認知行動療法をベースとした不眠症の治療用アプリを開発しています。病院における不眠症の治療は、睡眠薬を処方することが一般的です。しかしながら、睡眠薬の服用は、依存症等の副作用もあり、根本的な治療には結び付きにくいと言われています。有効な治療法として、医師のカウンセリングや睡眠に関する定期的な記録を通じて患者の生活習慣を変化させる「認知行動療法」があります。サスメド社の治療用アプリは、この「認知行動療法」を利用しています。

 薬事承認申請のための検証的試験が、2021年11月に、主要評価項目の達成という結果で終了しました。現在、薬事承認申請の準備中となっています。また、2021年12月27日に、本アプリの日本における独占的販売権を塩野義製薬が獲得したことを発表しました。

・糖尿病管理指導用モバイルアプリケーション(Save Medical社)

 Save Medical社は、糖尿病患者の治療を支援する治療用アプリを開発しています。当該アプリでは、糖尿病の非薬物療法の基本である生活習慣(食事・運動・体重)や指標(服薬・血圧・血糖値)等を患者自身がアプリに入力します。入力された情報に応じ、アプリからは行動変容の支援となるようなメッセージが自動で患者へ送信されます。患者個々人への適切なフォローにより、外来と外来の間の期間に生じる生活習慣の乱れや服薬不良への行動認知が高まり、行動変容が促されることで、臨床的指標が改善されます。

 Save Medical社は、2型糖尿病を対象に、本アプリの有効性及び安全性を評価することを目的とした臨床試験を2020年8月に開始しました。2022年度中の承認取得を目指しています。

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