大阪・関西万博へ行ってきた。
様々なパビリオンを1日で回ることができた。
公園に行くような気持ちで行くと楽しい
万博へ行ったのはオープンから2日目の月曜平日。
初日は人が多すぎて抽選に当たらないのではないかと2日目に応募し、当選した。
初日は雨や入場待機の行列が酷かったそうだが、2日目は昼間は晴れだったし、混みもそこまでではなくスムーズに入場できた。
今回訪れたパビリオンは以下。
・スイス(ハイジカフェで飲食もした)
・クウェート
・トルクメニスタン
・マルタ
・石黒浩パビリオン
・チェコ
・落合陽一パビリオン
・コモンズ-B
・イタリア
・ポルトガル
・河森正治パビリオン
・アラブ首長国連邦
・フィリピン
半年ほど前に超早割特別抽選で当選したのが落合陽一パビリオン、7日前抽選で当選したのが石黒浩パビリオン、当日抽選で河森正治パビリオンに入場した。
他は予約無しで少し並ぶだけで入ることができた。
全体の感想としては、ちゃんと入りたいパビリオンを予約して、公園に行くようなゆったりした気持ちで行けば楽しい。
公園のような座れるスペースが多めに作られており、会場自体が広く作られているので、公園でのんびりする気持ちで行かないと焦ってしまうばかりで楽しめない。
しかし「公園」というのはほんとうに文字通りで、雨が降ると楽しみが半減する。
屋根のある箇所が少なかったり、晴天を前提に作られているパビリオンもあったりと、雨天があまり想定されていない作りになっているようだ。
天気がいい日に行けばかなり気持ちの良い空間だ。
世界最大の木造建築「大屋根リング」からの眺め
スイスパビリオンのハイジカフェから
「未来をなんとか作っていこう」というトーン
技術を競うような展示は意外にも少なく、各国の文化など魅力を伝える展示をしているパビリオンが多かった。
サステナブルな暮らし方を訴える展示もちらほらあった。
全体的に「未来に希望!」って感じではなく、未来をなんとか作っていこう、というトーンだと感じた。
体感、映像展示が多めではあったが、実際に楽団が音楽を奏でるパフォーマンスもタイミングが合えば立ち会えた。音楽っていいね。
トルクメニスタン、イタリア、クウェートで楽団を見かけた。
トルクメニスタンの客も巻き込む歌とダンス
その場にいたときには面白さに気付かず後からX(Twitter)で面白さに気づくような展示も多かった。情報戦である。
シグネチャーパビリオンで見れたのは落合陽一パビリオン、石黒浩パビリオン、河森正治パビリオンだった。印象的なパビリオンだったと思う。
この記事では落合陽一パビリオン「null2」、石黒浩パビリオン「いのちの未来」についてレポートしていきたい。
落合陽一パビリオン「null2」
落合陽一パビリオン「null2」には、友人のぎふけんこと鈴木健太がスタッフとして関わっていた。
パビリオンに着いたところでぎふけんに連絡したら、落合さんと連れ立って出て来てくれた。
記念撮影までしていただいた。
パビリオン全体がメタリックな布張りの素材でできており、低音の出ている音響に合わせて、震えたり動いたりする。恒久展示ではないからこそつくれる建築物という感じで面白かった。
中は全面にグラフィックが投影されている空間だ。
グラフィックの空間の中に、モノリスのような板が置かれていて、ロボットアームによってボックスがぶら下がっている。
その中にその回の人たちで入っていく。
モノリスが動き、語り始める。
計算機が人間より賢くなった今、人間は賢いことを手放してもいい。賢いことは人間のちょっとしたおまけだから。人間はヌルになっても価値はあるんだよ。ヌルになるお手伝いをしてあげるね──というのがストーリーの趣旨。
▲インスタレーションのようなシーンも
実は、落合陽一パビリオンに入場する前に、「Mirrored Body」というアプリを使って自分のミラーとなるアバターを作っていた。
具体的には、2Dや3Dの自分を登録し、声を登録し、自分の趣味思考を学習させる。
筆者のミラーアバターは演出に使われず、他の人のアバターだったので写真が撮れなかったが、ミラーアバターが出現し、会場内にいる人の質問に答えてくれるという内容だった。
わりと言葉でお話が進んでいく。合成音声の怪しげなイントネーションもこの作品の魅力なので、日本語話者ではない外国の人がこの作品を見たらだいぶ見え方が変わるのだろうなあと思った。
万博って思ったより日本人向けだというのは今回随所で感じた。
石黒浩パビリオン「いのちの未来」
石黒浩パビリオンでは、ロボットの案内で未来のおばあちゃんと孫のお話を追いかけた。
▲案内してくれるロボット
案内ロボットが抽象的な形をしているのが、人型アンドロイドで有名な石黒さんのパビリオンとしては意外で面白かった。
おばあちゃんと孫が仲良く生活している。
しかし、次第におばあちゃんは歳をとり、死が近くなる。
そのときに、おばあちゃんをアンドロイドとして残すのかどうか?
というのがこのパビリオンのストーリーだ。
おばあちゃんをアンドロイドとして残すのは、おばあちゃんが孫や家族に残したい「愛」を残す、新しい形なのだというのが印象的だった。
この世界では生きている人間がアバターとしてロボットを使うこともあるようだ。
子どもが、ロボットの身体を操って旅に出るシーンの展示があった。
さらに、1000年後のいのちの姿、として、アンドロイドのパフォーマンスが演じられた。
衣装や、土台のパーツの滑らかさでそう見えるのもあるのだろうが、かなり滑らかな動きで、演出も良く、これは何度も見たいパフォーマンスだと思った。
そう何度も見れる予約システムではないが……。
個人的に筆者は、ロボットのアバターを生きている人間が使うのは、危険な場所へ行くときなど以外想像がつかない。
コストばかりがかさんでしまうような気もする。
でももし、地球環境自体が危ない環境になってしまうのだとしたら、現実的な解なのかもしれない。
環境問題と紐付いたプロジェクトなのかなと思った。

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