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ASCII Power Review 第228回

レンズ込みでも413グラム!

8万円台で買える超小型ミラーレスカメラ「LUMIX G100D」実機レビュー

2023年12月12日 10時00分更新

文● 写真 岡田清孝 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 パナソニックがマイクロフォーサーズ「LUMIX G100D」を発表した。2020年に発売された前モデル「G100」から基本性能は変わらず、EVFやUSB端子など一部に改良を施したマイナーチェンジモデルとなる。

 「G100」は当初Vlog向けとアピールされていたこともあり正直ノーマークだったが、意外にも静止画ユーザーにも人気が高いらしい。パナソニックから実機を借用できたので、カメラマニア目線から静止画性能をチェックしてみよう。

「LUMIX G100D」実機レビュー

量販店価格は標準ズームのキットが8万9100円。ダブルズームキットは10万6920円で、発売は2024年1月26日の予定。

ミラーレスカメラなのに超小型
EVFが最新有機ELに

 まず際立つのがボディーのコンパクトさだ。手のひらに収まるサイズ感でまるでコンパクトデジカメのよう。当然グリップも小振りになるが背面サムレストの指掛かりが良く、思いのほか構えやすい。価格的にはエントリークラスだが、ダイヤル類のローレット加工やボディー塗装など高品位な造りで高級感がある。

「LUMIX G100D」実機レビュー

ボディーサイズは115.6×83.1×54.2mm、重量はメディア、バッテリー込みで約345g。

「LUMIX G100D」実機レビュー

グリップは小さくてもボディー自体が小型軽量なので、構えた感じは軽快だ。

「LUMIX G100D」実機レビュー

リーズナブルな価格の製品だが外装は質感が高く、カメラマニア的には高ポイント。

 小型ボディーなので背面のボタン類は少し窮屈だ。とはいえコマンドダイヤルは前面シャッターボタン周りと背面十字キー周りのホイールと2つ備えているので、片方に露出補正を割り当てればダイレクト操作ができる。

 測距点移動も背面十字キーにくわえEVF撮影時に液晶画面をなぞって移動させる「タッチパットAF」が可能である。構えたときに自然と液晶画面端に親指が掛かる小型ボディーには「タッチパットAF」の相性は抜群だ。このように実際に撮影でも基本的な操作で不満を感じることはなかった。

「LUMIX G100D」実機レビュー

背面操作系は右下に凝縮して配置。誤操作を防ぐためかボタン類は突起がなく少し押しにくい。

「LUMIX G100D」実機レビュー

今では採用機種も増えた「タッチパットAF」だが、初めて搭載したのは「LUMIX」だ。

 上面には右側に1つ、左側に2つ「Fn」ボタンを備え、好みの設定を割り当てられる。ただシャッターボタン横の「動画記録ボタン」はON/OFFの設定しかできない。静止画メインのユーザーとしては、このボタンにも機能を割り当てたいところではある。

 EVFは236万ドットの有機EL(なお前モデルは368万ドット液晶)。倍率は35mm換算0.74倍と小型ボディーながら大きな像で視認できる。

 もう一つ前モデルからの変更点としてUSB端子がMicro-BからTypeCに変更された。転送速度はUSB2.0でPDにも非対応なので給電も不可だが、単純に充電をするだけなら普段持ち歩いているUSB充電器やモバイルバッテリーを利用できるのはうれしい進化だ。

「LUMIX G100D」実機レビュー

USBとHDMIは右側面グリップ下部に配置。左側面に上部にはMIC端子を備える。

 バッテリーも小柄で公称撮影可能枚数は約280枚と少な目。実際に撮影してみるとRAW+JPEGで140カット280枚とまさかのスペック通りで電池切れ。USB給電非対応なので旅行などでは予備のバッテリー(量販店で6730円程度)を用意したほうがいいだろう。

「LUMIX G100D」実機レビュー

メディアはバッテリーと同室で速度はUHS-1になる。

キットレンズがサイズ感ピタリ
大口径小型レンズも魅力

 この小型ボディーと最適な組み合わせなのがキットのレンズだ。標準ズームの「LUMIX G VARIO 12-32mmF3.5-5.6」は沈胴式で収納時の全長は約24mmとコンパクトになるので楽々持ち歩ける。望遠ズームの「LUMIX G VARIO 45-150mm F4-5.6」は35mm算300mm相当なのに重量約200gと軽量。手軽に望遠撮影が楽しめる。

「LUMIX G100D」実機レビュー

「LUMIX G VARIO 12-32mmF3.5-5.6」を装着した状態。沈胴時はかなりスリムになる。

「LUMIX G100D」実機レビュー

「LUMIX G VARIO 45-150mm F4-5.6」を装着した状態。さすがに望遠時は伸びるが、それでもコンパクトといえるサイズだ。

 この2本があれば幅広い画角の写真を撮ることができるので、ミラーレスデビューの入門機にはダブルレンズキットがオススメだ。

「LUMIX G100D」実機レビュー

以下画角の比較。これは12-32mmの広角(換算24mm)

「LUMIX G100D」実機レビュー

12-32mmの望遠(64mm)

「LUMIX G100D」実機レビュー

45-150mmの広角(90mm)

「LUMIX G100D」実機レビュー

45-150mmの望遠(300mm)

「LUMIX G100D」実機レビュー

12-32mmの12mmで撮影。絞りF3.5・シャッタースピード1/1600秒・ISO200・ホワイトバランスオート・フォトスタイルスタンダード。

「LUMIX G100D」実機レビュー

12-32mmの32mmで撮影。絞りF5.6・シャッタースピード1/50秒・ISO3200・ホワイトバランスオート・フォトスタイルスタンダード。

「LUMIX G100D」実機レビュー

45-150mmの45mmで撮影。絞りF4・シャッタースピード1/320秒・ISO200・ホワイトバランスオート・フォトスタイルスタンダード。

「LUMIX G100D」実機レビュー

45-150mmの150mmで撮影。絞りF5.6・シャッタースピード1/320秒・ISO250・ホワイトバランスオート・フォトスタイルスタンダード。

 とはいえ標準ズームは少し描写が物足りなく、望遠レンズはAFがのんびりといった気になる点もある。またカメラマニアとしてはズームではイマイチ面白みに欠けると思う人も多いだろう。

 そんなマニアは開放F値が明るい単焦点に注目。ザっとみても「9mmF1.7」や「15mmF1.7」、「42.5mmF1.7」などなど個性的なレンズが豊富にランナップされている(しかもサイズはコンパクトで価格もリーズナブル)。

 そのなかから個人的に一本選ぶとしたら「LUMIX G 20mmF1.7 II」(3万130円)。人の見た目に近い35mm換算40mm相当の標準レンズで開放も明るく全長25.5mmのパンケーキレンズで、お散歩のおともに最適だ。

「LUMIX G100D」実機レビュー

「LUMIX G 20mmF1.7Ⅱ」を装着。スリムなサイズにくわえ結構見た目もカッコイイ。

「LUMIX G100D」実機レビュー

20mmで撮影。絞りF1.7・シャッタースピード1/1250秒・ISO200・ホワイトバランスオート・フォトスタイルスタンダード。

「LUMIX G100D」実機レビュー

20mmで撮影。絞りF1.7・シャッタースピード1/640秒・ISO200・ホワイトバランスオート・フォトスタイルスタンダード。

「LUMIX G100D」実機レビュー

20mmで撮影。絞りF1.7・シャッタースピード1/1000秒・ISO200・ホワイトバランスオート・フォトスタイルスタンダード。

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