ASCII倶楽部

このページの本文へ

スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典 第118回

スマホ画面上にホログラム表示する夢の端末が失敗に終わった「Takee」

2018年12月09日 16時00分更新

文● 山根康宏

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 スマートフォンのディスプレーから映像を飛び出してホログラム表示できる、そんな夢のようなスマートフォン「Hydrogen One」は2018年夏の出荷が遅れながらも大きな話題を集めています。ところが今から数年前にもホログラム表示可能なスマートフォンがありました。わずか1機種でこの世から消え去ってしまった世界初のホログラムスマートフォンとはどのような製品だったのでしょうか?

世界初のスーパーホログラフィック機能を搭載

 2014年7月17日、中国の首都・北京でスマートフォンの新製品発表会が開催されました。製品名は「Takee 1」。この製品は中国・深センを拠点にVR技術などを開発するEsterの子会社、Takeeが手掛けたものでした。同社によるとTakee 1は世界初のホログラムスマートフォンとのこと。一般的なディスプレーを搭載しながらも、まるで画面の上に映像が浮かび上がるような表現ができるというのです。

 Takee 1の基本スペックは5.5型1920x1080ドットディスプレー、CPUがMT6592T、メモリ2GB、ストレージ32GB。カメラは1300万画素+フロント500万画素。2014年夏当時としては上位スペックの製品となります。価格は3600元とスペックからするとやや高めでした。それはこれから説明するホログラム機能を搭載していたからです。

見た目は普通のスマートフォンに見えるTakee 1

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII倶楽部の新着記事

会員専用動画の紹介も!