このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

柳谷智宣の「簡単すぎて驚く生成AIの使い方」 第75回

旅行が劇的に効率よくなる! 海外出張でChatGPTを秘書として使ってみたら、こんなに便利だった

2026年10月16日 11時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第74回は、シンガポールへの海外出張中、ChatGPTを使ったら超絶便利だったというレポートをお贈りする。

 海外旅行時には調べものが多い。観光地情報だけでなく、飛行機は何時に何番ゲートへ行けばいいのか、おすすめメニューは何か、この料理はどう食べるのか、ATMに出てきた選択肢はどちらを押すのか、お土産を買いすぎたらどう持って帰るのか。こんな小さな調べものに超絶便利なのが生成AIだ。

 2026年9月4日から6日まで、取材でシンガポールへ行ってきた。金曜日は移動、土曜日は仕事、日曜日は自由となっており、せっかくなので限られた時間を目いっぱい使って観光したい。しかし、慣れない土地では調べものにも時間を取られる。そこで今回は、最初から最後までChatGPTのiPhoneアプリに気になることを聞き続けてみた。

 これまで何度も「生成AIをガイドブック代わりに活用しよう」と記事に書いてきたが、最新ChatGPTのレスポンスの速さとハルシネーションの少なさによって、さらに別次元の快適さに進化している。自分の事情と旅先の情報を熟知したパーソナル秘書を連れて歩く感覚に近かった。今回は、実際のシンガポール出張を通して、旅行時にChatGPTをどう活用できるのか紹介したい。

旅行時に気になることがあったら、即生成AIに質問しよう

旅程表を読ませ、旅先の疑問をその場で解消する

 前夜の荷造り段階からChatGPTに質問を始めた。旅程表のPDFをアップロードして、旅行の概要を解説してもらう。突発的に発生した取材で、代理店に予約してもらったため、詳細を十分に把握できていなかったのだ。しかし、ChatGPTは旅程をわかりやすくまとめ、手荷物などの情報もしっかり教えてくれた。「預け荷物なしで行きたい」と伝えると、持ち物リストまで一緒に考えてくれる。

 指示文はプロンプトと呼ぶほどのものではなく、「旅程を解説して」「預け荷物なしで行きたい」など、シンプルな要望でOKだ。逆に要望があやふやだったり、わかりにくかったりすると出力がぶれる可能性が高くなる。

旅程表の情報と検索した最新情報をもとに、荷造りのアドバイスをしてくれる

 羽田空港ではラウンジでぎりぎりまでお酒を飲んでのんびりしていたい。しかし、搭乗に遅れるわけにはいかない。現在位置と搭乗ゲートの位置関係が頭に入っているわけではないし、地図を見ても結局何分前に出ればいいのかはわからない。

 そこで、ChatGPTに聞いてみる。すでに前夜からの文脈を把握しているので、「何時にどのゲートに行けばいい?」と聞くだけでいい。飛行機への搭乗についての質問であることや、往路の便について聞いていることなどは自分で判断してくれる。

意外に時間が掛かる、空港内の移動時間まで計算してくれるのがありがたい

 そして、ChatGPTはその日の搭乗ゲートを検索したうえで、現在時刻から逆算して「このくらいの時間にラウンジを出ればいい」と行動まで落とし込んでくれた。出発時刻などの検索結果を返して終わるのではなく、「では、あなたは何時に動けばいいのか」まで答えてくれる。この一手間が旅先ではかなりありがたい。

 もちろん、搭乗ゲートのような情報は直前に変わる可能性がある。このときChatGPTが参照したのも航空会社の公式情報ではなかったため、最後は空港の案内で最終確認した。生成AIに全部を任せるのではなく、調べる手間を省いてもらいつつ、重要なところは自分でも確認するようにしておこう。

ラウンジにぎりぎりまでいたいので、何分に出ればいいのか聞いてみる

料理やATMは写真を見せ、買い物はその場で相談する

 初日は夕方にシンガポールへ到着し、そのままセントーサ島のホテルへ向かった。長時間移動したあとに、わざわざ店を探して外へ出る気力はなかったので、ルームサービスを取ることにした。しかし、せっかくシンガポールに来たので、夕食はローカルらしいものを食べたい。そこでホテルサイトのルームサービスメニューをChatGPTに見せて相談した。

 単にメニューを解説してもらう段階で、「僕ならローカル系のラクサを選ぶ」などと言ってきた。ビジネスシーンで真面目なタスクを任せているときにこのようなフランクな対応だと困るが、旅行時にはかえってありがたい。とはいえ、おなかがすいているのでもう一品欲しい。すると、サテーを勧めつつ、子ども用を注文するよう言ってきた。通常サイズの6本では多いというのだ。一般的な情報から適当なことを言っているようにも感じたが、とりあえず指示に従って注文した。

 料理が届くと、今度は器がいくつも並んでいて食べ方がわからない。そこで写真を撮り、「料理が来た。どうやって食べる?」と送った。ChatGPTは写真からラクサとサテーを認識し、別添えのスープを麺の器に注ぐことや、辛そうな調味料は少しずつ足すこと、茶色いソースはサテー用だと説明した。教えてもらえなければ、つけ麺のように食べかねなかったので助かった。

初めて見る料理は、何をどれにつけて食べるのかわからなかった

 量に関してのアドバイスはぴったりだった。筆者は人よりもたくさん食べる方だが、それでもサテー6本では持て余した可能性が高い。ソースの使い方もありがたかった。辛味調味料についてのアドバイスだけは無視して全部入れたところ、辛すぎて後悔した。このあたりで、ChatGPTのアドバイスのクオリティが、1年前とはまったく異なる次元に進化していることを感じ始めた。

旅行先でのメニューの選び方から食べ方までばっちりアドバイスしてくれた

 翌日、ATMでもChatGPTを開いた。筆者は海外旅行で現金を大量に両替して持ち歩くのが好きではなく、必要になったら現地ATMでキャッシングすることが多い。その操作中に、国を選ぶのか、通貨を選ぶのか、初めてなら迷いそうな画面が出てきた。筆者はどちらを選ぶか知っていたが、ChatGPTならどう案内するのか試してみた。

日本とはと少し勝手の違うシンガポールのATM。ぱっと見ゲーム機のよう

 すると、通貨換算についての選択肢なら、日本円ではなく現地通貨のシンガポールドルを選ぶのが基本だと答えてくれた。筆者も海外旅行に慣れていなかった頃には、日本円を選んで損をしたことがある。こういう場面で、余計な言い訳なしに選ぶべき方をはっきり教えてくれるのはありがたい。

ATMの表示をうまく説明できなくても、状況を整理しながらアドバイスしてくれる。

 そして、日曜日。ようやく自由時間になったので、スパイスを買いに行くことにした。ただし、普通のカルダモンやクミンを買って帰っても面白くない。せっかくなら日本ではあまり見ないものが欲しい、とChatGPTに相談した。

スパイスを求めて訪れたグッドラックスパイスマーケット

 すると、カルパシやマラティ・モグ、カバブチーニなど、筆者には名前すらなじみのないスパイスが候補に挙がった。さらに、それを扱っていそうな店を探し、営業時間を調べ、店員にスマートフォンで見せる英文まで作ってくれた。まるで敏腕添乗員と一緒に行動しているような頼もしさがある。

日本ではあまり見かけないスパイスたちを手に入れた

 ただ、アドバイスの最後には植物検疫についてのエクスキューズがあった。心配になって詳しく聞くと、量り売りや生のスパイスなどは避けた方がいいと教えてくれた。購入時には、品目ごとの日本への持ち込み条件も植物防疫所の情報で確認しておきたい。

珍しいスパイスの候補から店探し、店員に見せる英文までまとめて提案してくれた。

 買い物を続けていると、今度は別の問題が発生した。お土産が増え、小さなキャリーケースに入りきらなくなったのだ。とはいえ、このためだけに立派なスーツケースを買うのも避けたい。「使い捨てでいい」と伝えると、安い大きめの旅行バッグを買い、衣類をそちらへ移して、壊れやすいものをキャリーケースに入れる案が出てきた。

 さらに、24時間営業のムスタファセンターなら探しやすいとして、30~50L程度、10~20シンガポールドルくらいを目安にするといいと具体的にアドバイスしてくれる。店員に見せるための「1回の旅行だけに使う安いバッグが欲しい」という英文まで付いており、買い物までスムーズに進めることができた。

お土産が増えたら、帰国便の手荷物条件を踏まえて安いバッグを追加する案が出た。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
ピックアップ