パロアルトネットワークスが示す、防御のための2つの戦線と変革を導くAIセキュリティ
フロンティアAI対策を国内組織はどう捉えているか “内製化への意欲”と待ち望む“政府主導のガイドライン”
2026年08月31日 07時30分更新
フロンティアAIが台頭する中、サイバー攻撃のスピード・規模・巧妙さは劇的に増すとみられ、防御側のあり方にも変化が求められている。国内組織は、この状況をどう捉えているのか。
パロアルトネットワークスは、2026年8月26日、「フロンティアAI時代のセキュリティ対策」をテーマとした説明会を開催し、経営者やセキュリティ責任者を対象とした調査結果を公表した。調査からは、自律的なセキュリティ体制の構築を目指す国内組織の現状に加え、政府や業界主導のガイドラインの必要性が浮き彫りになった。
さらに説明会では、フロンティアAIがもたらすサイバーリスクに対抗するための「Extended Zero Trust」「Threat Neutralization」という2つの“防御戦線”についても語られている。
パロアルトネットワークス Head of Public Policy and Government Affairs 天野宏氏(左)、パロアルトネットワークス Principal, GTM Strategy & Execution 和田一寿氏(右)
「内製化」への意欲とその実現に向けた「道しるべ」の必要性
今回の調査は、パロアルトネットワークスが2026年7月に東京と大阪で開催した自社イベント「Frontier AI Open Summit」における参加者アンケートが基となっている(参加者136社・336名のうち、112社・215名が回答)。同イベントには政府関係者や経営者、セキュリティ責任者が参加し、フロンティアAI時代の脅威・防御に関する最新情報に加え、AIで組織をどう進化させていくかについても語られた。
今回の説明会では、政府渉外を担当する天野宏氏が同調査の結果を解説した。
まずは、政府がフロンティアAI対策としてまとめた「Project YATA-Shield」で促している、セキュリティ強化や脆弱性の迅速な検知・パッチ適用において「何が障壁となっているか」である。
上位に挙がったのは、慢性的な課題ともいえる「人材不足(61%)」「予算・経営層の理解(50%)」だ。
それに加え、「運用上の困難さ(61%)」「技術的負債(32%)」に悩む組織も多い。運用面ではシステム停止が避けられないパッチ適用の難しさ、技術的負債ではそもそもパッチ適用すらできないレガシーシステムの問題が、改めて顕在化している形だ。
そして、見逃せないのは、政府や所管省庁からの注意喚起が始まっている一方で、「どこから手をつけたら良いか分からない」とする回答が2割、存在したことである。
加えて、必要とする政府の支援策を尋ねると、「ガイドライン・マニュアル策定」を第一優先とする回答が多く、上記の方針策定に苦慮する組織の存在を裏打ちする結果になった。「補助金」「税制優遇」といった経済的支援よりも、方針策定への支援が求められている格好だ。「各組織、単独での方針策定に限界を感じており、国や業界主導のガイドラインやベストプラクティスが求められている」(天野氏)
さらに天野氏を驚かせたのが、求める補助金の対象として、「セキュリティ製品・サービスの導入」に次いで「内部人材の育成支援」が挙がったことだ。これに対して天野氏は、「フロンティアAIの登場を機に、内部のサイバーセキュリティ人材を育てつつ、セキュリティ基盤を抜本的に強化したい意向が見てとれる」と指摘。
加えて、「フロンティアAIの進化は著しく、組織側も一回の対策で終わらないことを認識している。だからこそ、内部で継続対応できる体制を整えたいという意識の表れではないか」と分析した。
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