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「半固体」なら安心なの? 私のモバイルバッテリー、飛行機に乗れますか
2026年08月06日 07時00分更新
私のモバイルバッテリーちゃんが飛行機に乗れない!?
モバイルバッテリーの破損・炎上事故が多発したことで、航空機への持ち込みルールが厳しくなったのは2026年春のこと。執筆時点では、バッテリー容量が160Wh(定格電圧3.7V換算で約4万3000mAh) 以下の製品を1人2個まで、かつ機内での使用と充電が禁止となっています。
また、JALは、IATAの規定変更により、2027年1月以降は100Wh以下に制限される可能性があると案内しています(今後の扱いは航空会社によって異なる可能性があるため、搭乗前に最新情報を確認してください)。
とは言え、よく見掛ける“マグネットでスマホにくっつきながらワイヤレス充電できるタイプ”は5000~1万mAhが大半ですし、出張などで頼りになる“液晶&収納ケーブル付きの直方体タイプ”も1万~2万5000mAhあたりが売れ筋だと思われますので、ほとんどのユーザーさんは買い替えずに済むでしょう。
さて、こうした制限を受けてにわかに脚光を浴びたのが「半固体バッテリー」。同時に、夢の技術として「全固体バッテリー」なるものも注目を集めています。
すでに“半固体モバイルバッテリー”をうたう新商品もいくつか登場しており、次世代のスタンダード的な扱いを受けていますが、この「半固体/全固体バッテリー」とはいったい何でしょうか?
発火リスクを抑えるつくり
さっそく正解から。「半固体/全固体バッテリー」とは長年、電気自動車(EV)の分野で注目されている技術です。現在主流のリチウムイオンバッテリーを改良したもので、さまざまなメリットがあります。そのなかでも、私たちが持ち歩くモバイルバッテリー製品にとってありがたい特徴の1つが、“これまでよりも液漏れや発火のリスクが抑えられる”ことです。
そもそも、新たな制限を設けるきっかけとなった破損・炎上事故はなぜ起こるのでしょうか?
モバイルバッテリーとは、いうなれば充電可能な電池の集合体です。そして、電池の内部には“正極”と“負極”、そしてその2者の接触(ショートからの発火につながる)を防ぐ“セパレーター”が存在します。
加えてここが重要なのですが、電池セルの内部には正極と負極、その間を隔てるセパレーターがあり、電極とセパレーターには電解液が染み込んでいます。充放電時には、リチウムイオンが電解液を通って正極と負極の間を移動し、電子は外部の回路を流れます。
そう、私たちが日々持ち歩いているモバイルバッテリーには液体が入っているのです。そしてこの構造が破損・炎上事故の要因にもなっています。
経年劣化や衝撃などによってケースが破損すると、この電解液が流れ出してしまい、製品が使用不能になる“液漏れ”が発生します。さらに、落下や圧迫などの強い衝撃を受けて、正極と負極を仕切っていたセパレーターが破損すると、正極と負極が接触してしまい、発火につながります。
リチウムイオン電池の発火原因は1つではありません。落下や圧迫による内部損傷、高温環境、過充電、経年劣化、製造上の不具合などによって内部短絡や異常発熱が起こり、反応が連鎖する「熱暴走」に至る場合があります。一般的なリチウムイオン電池に使われる有機電解液は可燃性であるため、熱暴走が始まった際に燃焼を拡大させる要因にもなります。
半固体だけじゃなくて“全固体”もあるんですって
「半固体バッテリー」と呼ばれる電池では、液体成分をゲル状の材料に保持した電解質や、固体と液体を組み合わせた電解質などが使われます。液体電解質の使用量や流動性を抑えることで、液漏れや発火のリスクを低減できる可能性があります。ただし、構造や材料は製品によって異なり、半固体であれば一律に安全というわけではありません。
また、半固体バッテリーを採用した製品だからといって、航空機への持ち込み条件が緩和されるわけでもないのです。リチウムイオン電池を内蔵するモバイルバッテリーであれば、同じ容量・個数制限が適用されます。
なお、「全固体バッテリー」は、電解質を固体化することで、可燃性の液体電解質に由来する発火リスクを抑えられると期待されています。ただし、内部短絡や材料の異常反応まで完全になくなるわけではなく、「絶対に燃えない電池」ではありません。また、現在はまだ量産に向けた試みが盛んという状態で、私たちが使うようなモバイルバッテリーに用いられるのはもうしばらく後でしょう。
さて、発火の危険性を抑えられるとして一躍有名になった半固体モバイルバッテリー製品ですが、実は統一された規格があるわけではありません。つまり、電解液の代わりにゲル状の電解質を詰めていれば「半固体」を名乗れてしまうわけで、安全性などはメーカーによってバラつきがあります。
購入時は価格や「半固体」という名称だけで判断せず、PSEマーク、製造・輸入事業者名、保証や問い合わせ窓口の有無、容量や定格電圧の表示、安全試験に関する説明などを確認したいところです。
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