AI×IT×OTの統合力で、"AIを現場で動かし続ける"会社に
富士ソフトがエンジニア1万人超を「AIネイティブ」化 実装力を武器にフィジカルAIなど3本柱に注力
2026年07月21日 07時30分更新
AI事業を支える共通基盤とエンジニアのAIネイティブ化
そして、これら3つの事業ドメインを、再現性のあるオファリング型に転換する共通基盤が「AIアセットファブリック」である。
同基盤は、「再利用可能な開発資産(アセット)」「品質と再現性を担保するコントロールプレーン」「ベンダーフリーで最適技術を提案するAIテクノロジースタック」の3要素で構成される。クライアントゼロとしての自社活用や顧客支援で蓄積されていく知見を基に、継続的に強化されていくのがポイントだ。
また、オファリングを推進する人材自体のAIネイティブ化も進めていく。「富士ソフトグループには1万人を超えるエンジニアがおり、平均年齢は他社と比べても若い35歳。ここまで、若手を積極的に現場で登用して、実践力の高い人材を作り上げてきた」と室岡氏。
こうしたエンジニア一人ひとりに、AIスキルを“アドオン”することで、AIネイティブ人材に変え、人とAIが協働する価値を最大化していく。「AIによって人材価値は下がるわけではなく、むしろ役割が高度化していく。これまでのプロジェクトで培った業務理解や止められないシステムの経験、品質や運用への責任感は、AI時代において重要度が増してくる」(室岡氏)
各エンジニアたちはAIスキルを得ることで、何が作るかを決める「プロダクトオーナー」、正しい業務知識を提供する「ドメインエキスパート」、どう作るかを決める「AIアーキテクト」、AIエージェント部隊を監督する「AIオーケストレーター」、AIの暴走を防ぐ「品質&ガバナンス」のいずれかを担う。そして、従来の階層型で大規模なプロジェクト型から、専門性を持ったメンバーがフラットかつ自律的に連携をする「ネットワーク型開発」への転換を図っていくという。
さらに、一連のオファリングを顧客が体験できる場として、「ACTIONABLE AI Hub」の設置も計画している。各事業ドメインのユースケースを体験できるほか、現場への実装に向けた課題の整理や診断なども行える機能も備えるという。現在、設置場所は検討中とのことだが、2026年内のオープンを目指して準備が進んでいる。
まずは、2026年内に共通基盤であるAIアセットファブリックを整備しつつ、中長期的にオファリング化を体系化していく。室岡氏は、「我々はAIを特別な企業だけのものにせず、どんな企業でもその価値を享受できるようにしていきたい。そのためにAI×IT×OTのエンドツーエンドの統合力といった強みを活かしながら、AIを社会や産業に実装していきたい」と締めくくった。
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