「Interop Tokyo 2026」アスキー全力特集! 第36回
AIで守り、AIの攻撃に対応し、AIでエンジニアを支援する
AI時代も安全に OSからハードウェアまで包括するフォーティネットの全方位AI戦略
2026年06月22日 11時30分更新
ファイアウォールを中心に、数多くのセキュリティ対策製品を提供するフォーティネット。Interop Tokyo 2026のブースでは、同社のコアソフトウェアである「FortiOS」を中心に、セキュアネットワーク、ユニファイドSASE、セキュリティオペレーションという3つの領域でAI時代に対応する製品やソリューションの展示を行なっていた。
AI時代のリスク「シャドーAI」に対応する最新のFortiOS 8.0
まずセキュアネットワークの領域では、AIを前提としたFortiOS 8.0とそれを搭載したFortiGateの進化がアピールされていた。具体的には、AI・機械学習エンジンとASICを統合したゼロデイ脅威への防御と高いパフォーマンスの両立、IT管理者から見えない「シャドーAI」のリスクへの対応、そして組み込み型の耐量子暗号と量子鍵配送への対応の3つがポイントとなる。
特に「シャドーAI」に関しては、今後多くの企業で課題となるはずだ。フォーティネットジャパン マーケティング本部のプロダクトマーケティングマネージャーの今井大輔氏は、「シャドーAIは気にされている会社も増えています。Copilotを利用している企業は多いですが、他のフロンティアAIも併用しており、わりと野放しです。今は社内アナウンスだけという運用でカバーしているが、これだとインシデントが起こるのも時間の問題」と警鐘を鳴らす。
フォーティネットはAIによる攻撃をAIで検出・遮断する「AI for Security」のみならず、AIユーザーをAIで守る「Security for AI」にも注力。FortiOS 8.0ではAIの可視化や制御を強化しており、AIエージェントでの連携で用いられるMCP/A2Aや生成AIアプリケーション制御までをカバーする。今年のInteropはAIセキュリティが大きなテーマになっているが、このトレンドが確実に押さえられていると感じられた。
AI時代を前提としたSASEとAI-SOCの進化形を披露
ユニファイドSASEの領域では、FortiOSをクラウド上に展開することで、オフィスネットワークやリモートワークを含めた包括的なセキュリティを提供する「FortiSASE」をアピール。ファイアウォールはもちろん、クラウドアクセスを管理するCASB(Cloud Access Security Broker)、境界型防御やVPNの限界を超えるためのZTNA(Zero Trust Network Access)やネットワークの最適化を実現するSD-WANなどを標準搭載しているのが大きな売りで、脱VPNの有効な選択肢となる。
AI時代を前提にFortiSASEはいまも進化を続けている。「設定ミスやコンプライアンス違反を防ぐCSPM(Cloud Security Posture Management)やセキュアブラウザの機能も搭載しており、お客さまのネットワークインフラやアプリケーションを保護する基盤としてご利用いただけます。SASEの認知もかなり上がり、導入検討数も増えています」と今井氏は語る。
セキュリティオペレーションの領域では、AIがセキュリティの運用支援を行なう「AI-SOC」が大きなテーマとなっていた。フォーティネットジャパン コンサルティングSE本部 コンサルティングシステムエンジニアの熊村 剛規氏は、「データレイクにデータを集約し、FortiAnalyzerで分析するという作業になるのですが、ここで組み込みのFortiAIが調査を手伝ってくれます」と語る。FortiOS 8.0では新たにFortiAIによるデバッグや設定支援も可能になっている。
従来のFortiAIはチャットベースでエンジニアのリクエストに応えていたが、エージェント化も進んでおり、AIエージェント自身がインシデントに対する分析を重ねるというデモも披露されていた。「外部からの不正アクセス検出、対象のクライアントの特定、トリアージや設定の確認などが各エージェントの役割として割り当てられ、原因の分析やアクションを提案してくれます」(熊村氏)。
セキュリティと性能を両立できるハードウェアの強み
フォーティネットはハードウェアにも強みを持つ。多くのベンダーがひしめくファイアウォール市場で同社がグローバルでシェアを獲得できたのは、脅威にいち早く対応できるFortiOSと専用のASICを搭載したForitiGateが、性能とセキュリティの両立に成功したからにほかならない。現在でもクラウドと連携し、統合管理可能なファイアウォール、スイッチ、無線LANアクセスポイントは同社の強力なアピールポイントとなっている。
たとえば、同社が注力しているOTの分野では、「FortiDeceptor」という製品への関心が高いという。これは未知の脅威に対応するいわゆる「デコイ(囮)」製品で、いったん侵入したマルウェアがLAN内を偵察する際の囮として機能する。その他、製造業独自のOTプロトコルに対応するFortiGate、データ分析を可能にするFortiAnalyzer、セキュアなネットワークを実現するFortiSwitchなど、さまざまな製品が製造業向けの耐久性の高いアプライアンスで提供されている。
そして、同社が買収・統合したアラクサラネットワークスのソフトウェアを基盤とするシャーシ型スイッチ「FortiSwitch-AXシリーズ」もInteropのブースにお目見えした。世界初展示となる「FortiSwitch-AX9008G」は400Gbpsポートを最大64ポート収容できる。複数のモジュールを搭載することで、ノンストップでの通信を実現できる高可用性がポイントだ。
シャーシ型スイッチのメリットを活かして、1~100Gbpsまでさまざまなポート構成のモジュールを選択できるのも大きな売り。フォーティネットジャパン マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアマネージャー 能見元英氏は「エンタープライズのお客さまは、レガシーのネットワーク機器も多く抱えているので、さまざまなインターフェイスに選択できた方が喜ばれます」と語る。今後は高い可用性を持つネットワークとセキュリティの高度な連携にチャレンジしていくことになるという。
四半世紀以上に渡って、セキュリティとネットワークの統合を目指してきたフォーティネット。クラウドとAIが当たり前という時代においても、この理念をぶらすことなく、さらなる進化を続けていることが、Interopのブースで体感できた。
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