1兆パラメーターのAIが動くワークステーションも、Dell Technologies Worldで「Dell AI Factory」の機能強化発表
「30%ではなく“30倍”の生産性向上へ」 AIエージェント時代に求められるIT基盤、マイケル・デル氏が語る
2026年05月19日 16時00分更新
「つい最近まで、AIは業務のアシスタントとして、20%、30%程度の生産性向上を実現するものだった。しかし、これからのエージェンティックAI時代には、“20倍、30倍”の生産性向上が実現することになる」(マイケル・デル氏)
Dell Technologiesの年次カンファレンスイベント「Dell Technologies World 2026」が、2026年5月18日、米国ラスベガスで開幕した。21日まで開催される。
1日目には、企業向けのフルスタックAIソリューション「Dell AI Factory with NVIDIA」や「Dell AI Data Platform with NVIDIA」の機能強化が発表された。ワークステーションスケールの「Dell Deskside Agentic AI」やラックスケールの「Dell PowerRack」を追加し、NVIDIA製ソフトウェアによる共通の実行/管理環境を通じて、開発から本番実行までをシームレスにつなぐ。
同社 会長兼CEOのマイケル・デル氏が登壇した1日目の基調講演には、NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏のほか、Dell AI Factoryの導入企業であるイーライリリー(Eli Lilly)、ハネウェル(Honeywell)、サムスン電子(Samsung Electronics)などもゲスト登壇した。
本記事では、1日目の発表内容と基調講演の内容をダイジェストでお伝えする。
Dell AI Facroty:GB300搭載ワークステーションも追加、デスクサイドからデータセンターまでを統合
Dell AI Factoryは、AIワークロードの開発/テスト/実運用環境をオンプレミス導入できるエンタープライズソリューションだ。デル氏は、Dell AI Factoryの提供開始からこの2年間で、すでに5000社が採用したと強調した。
Dell AI Factoryのようなオンプレミスソリューションが必要とされる背景には、パブリッククラウドのAIサービスでは解決できない「コスト」「パフォーマンス(レイテンシ)」「データ主権」の問題がある。
たとえばコストについて、デル氏は「今後、企業におけるトークンの消費量は爆発的に増加し、2030年までに3400%増大すると予測されている」と述べて、従量課金型のクラウドAIサービスではトークンコストの重さに耐えきれなくなることを指摘する。
今回のDell Technologies Worldでは、Dell AI Facrotyについて、幅広い側面での機能拡張が発表された。
ひとつはハードウェアだ。まず、ワークステーションスケールの「Dell Deskside Agentic AI」が発表されている。これは、NVIDIAの「GB300」や「GB10」「RTX PRO」などのGPUを搭載したDell Pro Max/Precisionワークステーション群であり、ユーザーのデスクサイドで300億~1兆パラメーターのAIモデルの推論実行環境を提供する。これにより、ローカル環境でのコード生成やAI検索、またデータセンターで実行するAIエージェントの開発といったユースケースが実現する。
Dellの発表によると、Dell Deskside Agentic AIにより、パブリッククラウドのAIサービスと比較して、2年間で最大87%のコスト削減が可能になるという。
一方で、データセンターの大規模AI環境向けには、ラックスケールソリューションである「Dell PowerRack for compupte/networking/strage」が発表された。サーバー/ネットワーク/ストレージの各機器だけでなく、電源や液冷装置、ソフトウェアまで、事前設計/構築/検証済みのターンキー型ソリューションとして提供される。顧客データセンターへの納入から6.5時間程度でAIワークロードを実行でき、スケールアウトも容易だとしている。
同ラックソリューションで採用されている「Dell PowerCool CDU C7000」も、新発表の冷却分配装置(CDU)だ。4Uサイズのラックマウント型CDUでありながら、220kw以上という冷却性能を備える。
なお、Dell Deskside Agentic AIでは「NVIDIA NemoClaw」リファレンススタックをサポートしている。これにより、Dell AI Factory全体のAI実行/管理環境を「NVIDIA OpenShell」で統合することが可能であり、デスクサイドからデータセンターまで一貫したAIワークロードの移行と、シームレスなスケーリングを実現する。
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