古いプロセスを“AI社員”で巻き取り、人は本質的な仕事に
「SaaSの死」の影響は感じない ― グローバル以上に好調な日本市場、ServiceNow鈴木社長が語る
2026年05月19日 08時00分更新
米ServiceNowは、2026年5月はじめにラスベガスで、年次イベント「Knowledge 2026」を開催。そのビジネスの好調さそのままに、AI時代の戦略を打ち出し、AIエージェントの管理とガバナンスのためのプラットフォームなど、数多くの進展を発表した。
そして、グローバル以上に高成長を遂げているのが日本市場である。Knowledgeの会場で、ServiceNow Japanの社長執行役員である鈴木正敏氏に、国内ビジネスの取り組みについて話を聞いた。
グローバル以上に好調な日本市場 “非IT領域”の成長がけん引
―― グローバルと比較して、日本のAIエージェント活用はどのフェーズにあると考えますか?今年のKnowledgeでは管理・ガバナンスによりAIエージェントのカオスを脱するというメッセージを打ち出していますが、まだ、カオスの状態にも至っていない企業が多いと予想します。
鈴木氏:全般的にグローバルの方が進んでいるのは確かです。ただ、日本でも先進的なテクノロジーをいち早く採用しようという企業は多く、一律に遅れているとは言えない面もあります。ただ、日本企業のシステムの複雑性や業務の過剰さ、プロセスの複雑性が、AI活用のネックになっているのは確かです。
―― AI活用が進んでいる日本企業の共通点は何でしょうか?
鈴木氏:例えばメルカリさんのようなテクノロジー主導の企業は、新しいイノベーションを取り込むのが早いです。大企業では、トップ自らが変革にコミットしているかが明暗を分けています。
―― ServiceNowはグローバルでは成長率が21%(注1)で、日本法人はさらに、2年連続でグローバルを上回って成長しているとのことですが、どこに要因がありますか?
注1:会計年度2025年の総売上の前年同期比
鈴木氏:「戦略通りに進んでいる」というのが大きいです。日本のお客様はこれまで、システム・オブ・レコード(注2)の領域への投資の比重が大きかった。ただ、それだけでは企業の競争力や価値が抜本的に向上しないと気づきつつあり、次の変革を進めるプラットフォームを探していました。それに対し、日本での体制強化とプロダクトの進化が重なったことで、ニーズに的確に応えられるようになっています。
注2:会計や人事、受発注など、主に記録することを目的としたシステム
特に、セキュリティ強化とIT運用の自動化というニーズが高まっており、私たちのソリューションと合致しています。今年のKnowledgeでは、約15もの日本企業の事例セッションがありました。この3年間で本番稼働を始めて、かつ成果が得られたお客様が増えてきている表れです。
―― 新規売り上げでは、非IT領域がIT領域を上回っているとのことですが、ServiceNowのポジションが変わったと感じていますか?
鈴木氏:変わっていると思います。3年半前に着任した当時は、お客様に「ITSMだけではない」と説明していましたが、今では大手のお客様を中心に、私たちの広範なプラットフォームを認知いただいています。場合によっては、HR領域から導入を始めたお客様にITのソリューションを紹介した際、「そういうソリューションもあるんですね」と驚かれるようなケースも出てきました。
―― 非IT領域のひとつであるCRM領域の展開が注目されています。Salesforceなどの競合ベンダーが存在する中で、どのような差別化が機能していますか?
鈴木氏:昨年の実績としても、CRM領域は非常に高い成長を見せました。通信・製造など各業界の大手企業で大規模に採用された事例も多く、CRMビジネスが飛躍した年だったと思っています。
私たちが明確に伝えているのが、従来のCRMがフロントオフィスにおけるオポチュニティ管理と顧客データの一元管理を中心としていたのに対し、実際にサービスの品質を高めて、対応をタイムリーにするには、フロントだけでなく様々な関係部門が協働する必要があるという点です。
Knowledgeでも「パッチワークエンタープライズ」というキーワードが登場しましたが、その最たるものが顧客対応や営業の領域です。日本ではDXという言葉が好まれますが、カスタマーサービスに資するDXはまだ大きな余地があります。
そこに対して、「フロント・ミドル・バックオフィスをつないで業務を整流化する」という私たちのデジタルワークフローが価値を発揮します。利用形態としても、リプレース・新規・既存CRMとの共存という複数のパターンを用意していいます。
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