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中小企業のための“背伸びをしない”AI活用術

Microsoft 365・kintone・Backlog・マネーフォワード・Zoomが搭載するAI機能【まとめ】

人気SaaSの“拡張AI機能”5選 中小企業の「業務ナレッジ」、どのサービスでAI活用する?

2026年04月24日 11時30分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 大企業と中小企業の間で“AI活用の格差”が広がっている。人材不足・予算の壁や、導入効果が見えない問題を解消するアプローチのひとつが、「既に使っているサービスのAI機能を活用すること」だ(参考記事:AIは中小企業の“魔法の杖”にあらず 「今あるツール」と「現場の悩み」で小さく始めるAI活用のススメ)。

 このアプローチをとる最大のメリットは、既に各サービスで蓄積されている業務データをAIが参照して、実業務で役立つ「精度の高い働き」を期待できる点にある。昨今、AIの台頭によって「SaaS is Dead」論が注目を集めるが、AIエージェント時代においても「信頼できるデータソース」としてのSaaSの価値は損なわれないだろう。

 そこで本記事では、実際に中小企業に普及しているSaaSに実装された「拡張AI機能」を5つ紹介する。今回は、グループウェアのMicrosoft 365、ノーコードツールのkintone、プロジェクト・タスク管理のBacklog、バックオフィス業務のマネーフォワード、Web会議のZoomをピックアップした。

Microsoft 365:期待の“業務遂行エージェント”がプレビュー中

 最初に紹介するのは、Microsoft 365のAI機能「Microsoft 365 Copilot」だ。Microsoft 365は、BOXILのグループウェア導入に携わる1704名を対象とした調査(2025年6月実施)でシェア1位を獲得するなど、まさに業務SaaSの代表格といえよう。

 Microsoft 365 Copilotでは、AIアシスタント「Copilot Chat」に加え、OutlookやWord、Excel、PowerPoint、Teamsに統合されたパーソナルアシスタントを利用できる。Microsoft製のAIエージェントやCopilot Studioで構築できるカスタムエージェントも活用可能だ。

 成果を生む鍵となるのが「Work IQ」というインテリジェンス層だ。これはMicrosoft 365から得られる業務や組織のコンテキストを、Microsoft 365 CopilotやAIエージェントに理解させる仕組みだ。さらに、さまざまな業務を自律的に遂行する「Copilot Cowork」が登場(早期アクセスプログラムで展開中)したのも、AI活用の後押しになるだろう。

Copilot Cowork(日本マイクロソフトのブログより)

 中小企業が導入するには、Microsoft 365の一般法人向け(300名まで)プランに加えて、Microsoft 365 Copilotのライセンスが必要になる。今回紹介するサービスの中では最も高価な部類に入るが、日々の業務で触れる社員/機会も多いツールだけに、実効性の高い効率化が期待できる。

■関連サイト

kintone:データ活用・市民開発が捗る+多様なパートナーAI

 続いて紹介するのは、現場主導の業務改革を推進できるノーコード・ローコードツール「kintone」だ。これまで、各AI機能をβ版として展開していたが、2026年6月14日に「kintone AI」として待望の正式リリースを迎える。スタンダードコース以上であれば、規定のクレジット内で利用可能だ。

 kintoneのAI機能は2つの方向性で開発されている。ひとつは「データ活用」の支援で、kintoneアプリに蓄積されたデータを検索できる「検索AI」や、レコード一覧の分析・要約する「レコード一覧分析AI」などを提供。もうひとつは「市民開発」の支援であり、対話を通じて業務アプリの作成を支援する「アプリ作成AI」、アプリの設定のレビューする「アプリ設定レビューAI」などを取り揃える。

「市民開発」を支援するAI(Cybozu Days 2025のプロダクトキーノートより)

 さらにkintoneがユニークなのは、kintoneと連携するパートナーのAIソリューションも豊富に用意されている点だ。「テキスト生成」や「データ活用」、「データ入力」、「UX向上」、「AIエージェント」まで、多種多様なカテゴリのAIを活用することで、短期間で現場のニーズに対応できる。

 まだまだ、AIだけでアプリを完成させるのは難しいが、AIはノーコードのアプリ作成のハードルを下げるため、両技術は相性の良い組み合わせと言える。AIを実務で使い物にするために試行錯誤が欠かせないのも、ノーコードによる業務改善と通じるところがある。

■関連サイト

Backlog:“プロジェクトの進み方”を変えるAIアシスタント

 プロジェクト・タスク管理ツールからは、Backlogを紹介する。同ツールでは、プロジェクトの運用をサポートするAI「Backlog AIアシスタント」が、2026年3月に正式リリースされたばかりだ。

 グループウェア同様にプロジェクト・タスク管理ツールも業務データが蓄積されるサービスである。Backlog AIアシスタントでは、Backlog上の課題(タスク)やコメント、Wiki、ドキュメントなどをAIが参照して、状況整理から要点抽出、課題作成までを代行してくれる。

Backlog AIアシスタント(製品サイトより)

 Backlog上の日々の活動履歴も参照するため、日報や引継ぎ、人事評価などにも役立てることも可能だ。ただ、他のAI機能も同様となるが、十分なデータが蓄積されないと真価が発揮されない可能性がある。そのため、データ入力を定着化させる仕組みづくりが重要になるだろう。

 Backlog AIアシスタントは、Backlogの上位のプレミアムプランとプラチナプランにおいて、規定のクレジット内で利用できる。AI機能とは関係ないが、Backlogは、ほぼ無制限にユーザー数を追加できる点も(スタータープラン除く)、中小企業向けと言える。

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