これまで4つのチャンネルがあったWindows Insider Program
「Experimental」「Beta」「Release Preview」の3つに改編
Windows 11のAI中心からの方向転換が伝えられるなか(「AI傾倒に一息入れて、既存のWindowsの改良を宣言するMicrosoft タスクバーを画面の上下左右に移動可能に!?」)、これに関連してWindows Insider Programのプレビューチャンネルも変更されることになった。
プレビューチャンネルの変更点は、従来の「Canary」「Dev」「Beta」「Release Preview」の各チャンネルを「Experimental(実験)」「Beta」「Release Preview」の3つに改編したことだ。
従来は、Canaryチャンネルは将来のWindows、Dev/Betaチャンネルは次のWindows(時期により利用方法が変化)、Release Previewチャンネルは開発中のWindowsのうち比較的安定したもの、と使い分けられていた。
なお、2022年3月以前は、Dev/Beta/Release Previewの3チャンネルだったが、Canaryチャンネルが追加されて4チャンネルとなった。このとき以前までは、「将来のWindows」というその役割はDevチャンネルが担っていた。
当初は、バージョンを特定しない「将来のWindows」の配布用とされていたCanaryチャンネルだが、2023年頃からバージョンが特定される年1回のアップデートを配布するようになった。これにより、4つのチャンネルのコンセプトが混乱してきた。
決定的なのは、今年2月の発表でCanaryチャンネルは、Windows 11 Ver.26H1の配布チャンネルになるとされたことだ。26H1は、年1回のWindows 11のアップデートではなく、新しいCopilot+ PC用のリリースで、毎年秋のアップデート(24H2や25H2など)とは別物となり、今年後半が予定されている26H2とは統合されないという。
新しいプレビューチャンネルを見る
前述のように新しいプレビューチャンネルはExperimental、Beta、Release Previewの3つ。
Microsoftの提案によれば、次のWindowsに搭載される(かもしれない)新機能を評価するには、Experimentalを選択すればいいとのこと。現在のCanary/Devチャンネルは、もはや名称からは配布内容を想像しにくく、過去から長期に亘ってInsiderとして活動してきたユーザーは理解できても、これからWindows Insider Programに参加するユーザーにはわかりづらいものでしかなかった。
Experimentalチャンネル以外は、直近のアップデートのプレビューであるため、評価対象(自社開発ソフトウェアや構築されたシステムなど)を定めて、新機能の影響を見るために利用する。
Experimentalには、「26H1」系、「25H2」系、Future Platforms系の3つのオプションがある。それぞれコアが異なるWindowsに対応している。この中で「26H1」は以前本連載で解説したように(「今年のWindows 11には26H2以外に「26H1」がある!? 新種のCPUでのAI対応の可能性」)、これから登場する新しいプロセッサ用のWindowsコアになる。現在、市場にある非Copilot+ PCマシンには26H1系がインストールされることはない。
すでに稼働しているWindows 11の通常リリースに対応したWindowsコアは25H2系となる。26H1および25H2は対象ハードウェアにより自動的に選択される。これに対して「Future Platforms」系は、ユーザーの選択肢として提示され、現在および次のWindowsよりもさらに先のWindowsコアを使う。これは、本来のCanaryチャンネルが持っていた役割に相当する。
Betaチャンネルは、今後数週間程度でリリース予定の機能をプレビューするもの。本来の「ベータテスト」の慣用的な意味に忠実になったものといえる。現行のWindowsコア(25H2系)に対して、Windows Updateで配布されるアップデートのプレビューである。
これに対して、Release Previewはアップデートの一般配布に先立ち、早期アクセスを希望する法人顧客やWindows Insider向けのチャンネルである。
ただし、Release Previewに関しては、設定を有効にしないとプレビュー版配布の選択肢としては表示されない。ここから推測するに、新機能やバージョンアップの事前評価というよりも、早期アクセスのほうに力点を置いたチャンネルのようだ。
また、これまでCanary/Dev/Betaチャンネルでは、一部の機能は、配布先が限定されている、もしくは段階的に配布され、プレビュー版をインストールしたからといって、必ず新機能のプレビューができるわけではなかった。
こうした問題を解決するため、Betaチャンネルでは、段階的、選択的な新機能の配布をせず、ターゲットバージョンに搭載予定のすべての新機能がインストール直後から有効になるようにした。また、Experimentalでは、主要な新機能に対して、有効/無効の設定が可能になるという。
なお、ExperimentalのFuture Platforms以外からのチャンネル間の移動では、クリーンインストールが不要になった。同様にプレビュー版から通常版への移行でもクリーンインストールが不要だという。ただし、このときに利用される「インプレースアップデート」は、通常のアップデートよりも時間がかかるとのこと。
また、移行ができない組み合わせ、たとえば、ハードウェアが特定される26H1への移行は、特定のプロセッサを搭載していない限りは不可能。ExperimentalチャンネルのFuture Platformsオプションでは、将来のWindows向けのWindowsコアを採用しているため、インプレースアップデートができない。ここから他のチャンネルに移動するときにはクリーンインストールが必要になる。
段階的ではあったが、さまざまなプレビュー版を配布していることから、確かにWindows Insider Programの配布チャンネルは複雑で、簡単には状況を理解しづらかった。今回のチャンネル改訂は、Windows 10以来、使われてきたチャンネル体制を完全に切り替えるものになった。
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