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エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のアート散歩 第43回

【東京国立博物館・表慶館】100年ぶりの凱旋! 若冲の至宝中の至宝を“ガラスなし”で浴びる衝撃。2026年秋「皇居三の丸尚蔵館」グランドオープンへの序章

文●玉置泰紀(エリアLOVEウォーカー総編集長)

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若冲の「緻密」と対極をなす、狩野永徳の「豪快」!
国宝《唐獅子図屏風》の圧倒的オーラ

 会場で《動植綵絵》の緻密なミクロ宇宙に浸かった後、我々を待ち受けているのが、安土桃山時代の巨匠・狩野永徳(1543〜90)の代表作、国宝《唐獅子図屏風》(右隻)の高精細複製品だ。

 織田信長や豊臣秀吉といった天下人たちに重用された永徳。この作品はまさに、武を競った大名たちの好みが結晶した「桃山文化の豪快さ」をこれ以上ないほど体現している。金箔が敷き詰められた背景に、大胆極まりない筆さばきで描かれた二頭の唐獅子。その迫力たるや、ガラスケースなしの至近距離で見上げると、今にも絵の中から飛び出してきそうな凄みがある。

 若冲の偏執的なまでの「静の緻密さ」に対して、永徳が放つ「動の覇気」。この両極端な日本の至宝を同じ空間で、しかも遮るものなく味わえるのは、今回のプレイベントならではの贅沢な体験だ。

長州藩・毛利家から皇室へ。受け継がれた歴史のドラマ

 この名画が辿ってきた歴史も非常に興味深い。本作は、山口・萩を拠点とした長州藩の毛利家に伝わってきたものだ。そして江戸時代に入ると、永徳のひ孫にあたる狩野常信(1636〜1713)の手によって左隻が描き足され、六曲一双の屏風として受け継がれていったという歴史を持つ。

 その後、1888年(明治21年)にかつての長州藩主・毛利元徳から皇室へと献上され、2021年(令和3年)に国宝に指定された。

 今回展示されているのは、キヤノン株式会社による「ぶんかつ共同プロジェクト2023年」で制作された右隻の高精細複製品だ。単なる印刷ではない。和紙にプリントを施した上で、職人の手によって金箔が貼付されているのだ。

グランドオープン記念! 3大特別展の発表

 また、4月16日に新たな施設の建設と接続工事が進む「皇居三の丸尚蔵館」のグランドオープンを祝う3大特別展の開催情報が解禁された。展示の詳細や、日程などは、これから発表されていく。

■特別展「皇室の至宝―美いづるところ」

■特別展「国宝 動植綵絵 いろどりの世界」

■特別展「日本の書の美1300年」

 皇居三の丸尚蔵館は、皇室にゆかりの絵画・書・工芸品などを収蔵し、保存管理、調査研究、展示公開を行っている。2019年(令和元年)からは、収蔵庫と展示室を拡充し、より充実した活動を行うために、新たな施設の建設が進められ、本年秋に全面開業する。

■皇居三の丸尚蔵館

所在地:東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内

アクセス:東京メトロ各線・都営地下鉄「大手町駅」(C13a出口)から徒歩約5分 JR「東京駅」(丸の内北口)から徒歩約15分
※通常は皇居東御苑の「大手門」からの入門になる

現在の状況:新たな施設の建設および第II期棟への接続工事のため、2025年5月から一時休館中。2026年秋の全面開館(グランドオープン)に向けて準備中

公式サイト:https://shozokan.nich.go.jp/

■2026年秋のグランドオープン

 皇居三の丸尚蔵館は、代々皇室に受け継がれてきた絵画、書、彫刻、工芸品などの貴重な文化財を保存・研究し、一般に公開するための施設として、1993年(平成5年)に開館した。より積極的な展示や情報発信の拠点として発展させるため、2023年(令和5年)10月からは宮内庁から独立行政法人国立文化財機構へと運営が移管されている。

 現在は大規模な建て替えと拡張工事中。2023年11月に先行して「第Ⅰ期棟」が開館し設備のアップデートが行われたが、いよいよ2026年秋のグランドオープンに向けて「第Ⅱ期棟」の建設が進められている。

 秋のフルオープン時には、展示室の広さが旧館の約8倍(約1,300㎡)へと大幅に拡張され、旧館の1室から全3室に増える予定。さらに、映像上映や講演会に対応できる講堂やミュージアムショップが新設されるほか、皇居内では初となる「カフェ」も併設される計画だ。

【皇居三の丸尚蔵館 グランドオープンプレイベント in 表慶館 開催概要】

イベント名: 皇居三の丸尚蔵館 グランドオープンプレイベント in 表慶館

会期: 2026年4月17日(金)〜5月17日(日)

前期:4月17日(金)〜5月1日(金)

後期:5月2日(土)〜5月17日(日)

会場: 東京国立博物館 表慶館(東京・上野公園。東京都台東区上野公園13-9)

休館日: 月曜日(ただし4月27日、5月4日は開館)

開館時間: 午前9時30分〜午後5時(入館は閉館の30分前まで) ※毎週金・土曜日、5月3日〜5日は午後8時まで開館

入館料: 無料(事前予約不要) ※ただし東博コレクション展(平常展)または特別展の観覧券が必要。<東博コレクション展(平常展)観覧料>は一般1,000円、大学生500円。特別展の観覧料や入館方法は、特別展公式サイトで要確認。高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の人は、東博コレクション展について無料。年齢の分かるものを提示。障がい者とその介護者各1名は無料。障がい者手帳等を提示。

作品点数: 31点(全て皇居三の丸尚蔵館収蔵の高精細複製品)

主催: 皇居三の丸尚蔵館

特別協力: 東京国立博物館、文化財活用センター、キヤノン株式会社、特定非営利活動法人 京都文化協会

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