ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第869回
半導体プロセスの新たな覇権! インテルのDNNプロセッサーはAMDやMetaを凌駕する配線密度と演算密度
2026年03月30日 12時00分更新
エネルギー消費を据え置き、スループットを劇的改善
インテルが証明した3D接続のデメリットなき進化
さてこの論文は、3D接続にしたことによるPIMの効率改善である。その効果が明確なのが下の画像で、要はRISC-VコアとDNN PEを2次元平面で接続した場合と3次元接続した場合でのスループットの違いである。
もっともこれは2Dメッシュ vs 3Dメッシュという話で、物理的に3D接続でなくても配線層で疑似的に3D接続すれば同じ効果が得られるとは思うのだが、ダイの外に配線を引き出すならまだしもダイ内でそんなことできるか? というと不可能ではないがとても大変だろう
転送サイズが小さい16Bytesではどちらも大して性能が変わらないが、2D接続は32Bytesの18GB/秒あたりでメッシュがボトルネックになってそれ以上上がらないのに対し、3Dでは512Bytesくらいまで継続的にスループットが向上するとする。
一方でエネルギー消費そのものは2Dだろうと3Dだろうとほぼ変わらないとしており、少なくとも3D接続によるデメリットがないことは確認できたとされる。
前ページ最初の画像で示したように、PHYにあたるものはなく、単にディファレンシャル化するバッファがあるだけなので、不要な電力消費が抑えられた(あとHybrid BondingなのでBumpを経由することでの損失抵抗もない)のがこの結果になったと考えられる
それとこのシステムの性能であるが、ピーク性能では1.2GHz駆動で33TOPSを記録するが、電圧も1.1Vと高めである。逆に電圧を下げると効率は16.1 TOPS/Wまで向上することが確認されたとする。
実際にこのチップでResNet-8を実行した場合の処理の流れ、それとレイテンシーの分布が下の画像となる。
意外に処理時間が長いのがConvolution 2、次がConvolution 4での処理+加算となるが、ほかはわりとそれほど大きな時間を要しておらず、並列化がうまく機能していることが見て取れる。ただこれはパラレル(各処理を全コアを使って並列に行なう)マッピングの場合で、データフロー的に処理するとどうか? というのが下の画像だ。
この図を見ると、そもそも56コアというやや中途半端なコア数は、ResNet-8でデータフロー的な処理をするのに最低56コア必要という判断で決まったのかもしれない。
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