街づくり、街おこし、そして都市計画。その最前線には、常に常識を書き換える「キーマン」たちがいる。元ウォーカー総編集長であり、長年日本の街を見つめ続けてきた玉置泰紀が、いま最も話を聞きたい相手に直撃。大きく変容する日本の「新しい街の形」を紐解いていく。
第1回は、近畿経済産業局の枠を超え、関西の製造業を「オープンファクトリー」というムーブメントで再定義した津田哲史氏(地域連携推進課総括係長/京都橘大学 客員研究員)。単なる工場見学を超えた新概念「Local X(ローカル・エックス)」とは何か? 伝統的なものづくりとデジタルの交差点で起きている、予定調和のない共創の正体に迫る。
【津田哲史氏プロフィール】
経済産業局で中小企業金融や企業立地、設備投資税制に携わったのち、大阪府八尾市へ出向し、「みせるばやお」の立ち上げに参画。その後、経済産業局に戻り、2025年大阪・関西万博における活性化事業として全国の「地域一体型オープンファクトリー」のネットワーク構築を推進。万博後においては、地域産業コミュニティが生み出すオープンイノベーションに着目した産業政策に取り組む。
「点」から「面」、そして「層」への進化
コミュニティが街を塗り替える
玉置: 津田さんが提唱されている「Local X(ローカル・エックス)」。この「X」は数学の変数のようないわゆる「何でも入り得る」という意味かと思いますが、この言葉自体は津田さんが考えられたものなんですよね?
津田: そうですね。何か現場の動きを代弁する言葉があればいいなと思って。 僕は2019年に経済産業局に戻ってきましたが、2016年から約3年間、大阪府八尾市に出向していた時の経験が大きいです。2018年に市内の事業者さんたちと一緒に「みせるばやお」という場を作ったのですが、そこで「既存の団体ではなく、特定の理念に基づいて気の合う仲間が集まれば、企業はイノベーションを起こせるんだ」という強い実体感を得たことが、すべての前提になっています。
玉置: 八尾での活動が、まさにスタート地点だったわけですね。
津田: 実を言うと、近畿経済産業局に戻ってから事業として取り組むにあたって最初は「工場」じゃなくても良かったんです。商店街でも商業施設の裏側でも、付加価値を作る現場を見せれば人の意識は変わる。ただ、役所の事業として進める上で、「仲間を作ればイノベーションが起きますよ」という説明だけでは、どうしても上を説得しきれなかった。
そこで紐解いたのが、先行ロールモデルである新潟県の燕三条の「工場の祭典」や福井県鯖江市の「RENEW」でした。彼らが使っていた「オープンファクトリー」という言葉なら、2015年に関東経済産業局が出したレポート等の積み上げもあり、共通言語として使いやすかった。 僕の元々のイメージは、現場の裏側を見せる「オープン・メーカーズ」に近いものでしたが、事業の推進力を作るために、まずは誰もが分かりやすい「オープンファクトリー」から入ることにしたんです。
●令和4年度 地方経済産業局連携による 地域一体型オープンファクトリー等を中心とした地域企業群の「予定調和のない共創」を繋ぐ「ナレッジシェア・ポート (知識移転の場)創出」実証事業 報告書から
“オープンファクトリーとは 全国の地域一体型オープンファクトリー事例調査の際に、キーパーソンにとっての「オープンファクトリーとは?」を一言で表現してもらった。その結果をまとめたところ、「芯」、「行動」、「結果」、「土台」の4つに分類することができた。そして、これらに知見融合会議で抽出されたワード(俯瞰した立場から観た継続や活性化に資する要素)を重ね合わせると、以下の図のように示すことができる。”
津田:なぜ今、現場を見せることが価値になるのか。藻谷ゆかりさんが書かれた本に「六方よし経営」という言葉があります。近江商人の「三方よし」の時代は、作り手と売り手が同じでした。でも今は流通が発達し、マーケターが生まれ、作り手と売り手が分断されてしまった。 その結果、付加価値を生み出す「裏側」が見えにくくなっている。そこに改めて光を当てることに、今の時代の価値があると考えました。当初は「オープンファクトリー」として工場の公開(点)から始まりましたが、次第にそれは地域(面)へと広がり、現在は志でつながる「コミュニティ(層=レイヤー)」へと進化しています。
かつての日本は、距離は遠くても同じ業種が集まる「全国団体」が強く、2000年代は「産業クラスター」として、地域の産業集積に注目が集まっていました。でも、今イノベーションを起こしているのは、「距離は近いけれど、業種はバラバラな多様な集団」なんです。
集まる理由は業種ではなく「理念」や「居心地」。この集まり方は、地域ごとに「X(Local × テクノロジー、Local × アートなど)」として自由に形を変えていい。
また、調査を続ける中で気づいたのは、「コンソーシアム」と「コミュニティ」の決定的な違いです。
コンソーシアム(Doing): 目的やミッションのために集まる。「これをする」という行動に価値があり、即戦力が求められる。
コミュニティ(Being): ビジョンや状態に価値を感じる仲間が、まず「そこにいる(当たり前にいる)」ことから始まる。
これまでの企業の集まり方は「目的先行型(コンソーシアム)」が多かったと思いますが、今のオープンファクトリーは、まず仲の良い方々が集まって「これやったら面白いんちゃう?」と動き出す「Being型」です。
玉置: その進化の過程で「Local X」という言葉が正式に提唱されたのは、いつ頃だったんですか?
津田: 令和4年度(2022年度)のレポートが作成された時ですね。令和元年から手弁当で始めた調査が、令和2年度には「オープンイノベーションを生む地域発展調査」になり、令和3年度には「テクニカル・ビジット(技術視察)」の調査へと進みました。 そこで分かったのは、人々は技術(テクニカル)を見に行っているのではなく、地域をメタに見られる「人(ヒューマン)」に会いに行っているのだ、ということでした。
玉置: 技術視察(テクニカル・ビジット)が、人間視察(ヒューマン・ビジット)に変わった。
津田: そうです。かつての日本は「鉄鋼」や「繊維」といった同業種で集まることで強くなりました。2000年代の「産業クラスター政策」も、地域の産業集積に注目したものです。 でも今、各地で起きているのは、「距離は近いけれど、業種はバラバラな多様な人たちが、理念や居心地で繋がっている」という状態です。集まる理由は地域ごとに違っていい。その「可変変数」を表現するために、調査事業を通して、上位概念として「Local X」と名付けました。
従来の組織(コンソーシアム)と、今のコミュニティの違いについて調査した結論をお話しします。 これまでの組織は、まず目的があり、そのために集まる「目的先行型(Doing)」でした。でも、今のオープンファクトリーなどの団体は、まず「仲の良い奴らがそこにいる(Being)」という状態が先にあり、そこから「これやったら面白いんちゃう?」と行動(Doing)が生まれる。
この「いる・なる・する」の循環で動くコミュニティは、硬直性がなく、常に変化し続けます。行政の予算主義とは相性が悪い部分もありますが、これこそが「街のOS」を塗り替えていく、自律的なイノベーションの形なのだと考えています。
玉置: 「いる・なる・する」のサイクルですね。仲が良い状態(いる)から、何かが生まれて(なる)、行動(する)に繋がる。
津田: そうです。だからこそ、毎年言うことが変わってもいい(笑)。「去年は採用だったけど、今年はDXだよね」という変化は、役所の予算主義とは相性が悪いですが、街のリアリティとしては正しい。
行政がガチガチの予算で縛るのではなく、地域の大企業と現場のコミュニティが「たまたま合う」瞬間に、緩やかに場を作る。その交差点(クロス)になる舞台が、僕たちが提唱する「LOCAL X STAGE(ローカル・クロス・ステージ)」なんです。
玉置: なるほど。八尾での「みせるばやお」の経験から、単なる工場見学を「コミュニティによる街づくり」へと昇華させていったプロセスが非常によく分かりました。
「予定調和のない共創」と、あえて「作り込まない」デザイン
玉置: 次に伺いたいのが、津田さんの言葉で非常に印象的な「予定調和のない共創」についてです。行政や企業がやるプロジェクトって、普通は最初にカチッとした完成図や成果目標を作りますよね。でも、津田さんが関わる現場は、いい意味で「先が見えない」面白さがある。この「作り込まない」ことの重要性について、改めてお聞かせください。
津田: シンプルに、僕自身が「やらされる」のが大嫌いなんです(笑)。行政によくある「マッチングさせました、さあどうぞ」という形は、人間心理として抵抗があると思うんですよ。「結論ありき」というか。
玉置: 「合わされる」んじゃなくて、自分で見つけたい。
津田: そう。仮に誰かのセットアップだったとしても、数年後に振り返った時に「これは5年前のあの伏線回収だったんだな」と、自分で点と点を繋げられた瞬間に、人は納得して腹落ちするんだと思うんです。その「自分で筋書きを書ける余地」こそが、玉置さんの言葉を借りれば「余白」なんだと思います。
玉置: ただ、真っ白なキャンバスを渡されて「自由に描いて」と言われても、逆に動けなくなることもありますよね。
津田: まさに「自由は不自由」ですよね。だからこそ、場をセッティングする側の「信頼貯金」が重要になります。もちろん経産省など、主催者のもつ看板も、ある種の心理的安全性の担保になっているかもしれませんが、「いつも仲良くしている○○さんが言うなら行ってみよう」と思ってもらえる関係性があってこそ、その余白が効果的に機能するのかもしれません。
街づくりも同じで、大阪の「てんしば」や大阪城公園、そして昨年の大阪・関西万博も、最初から100%完成していたら、みんな一度来たら終わってしまう。万博で、どこにトイレがあるか分からなくて辻さん(※注:辻暢子氏)が勝手にマップを作ったじゃないですか。あれこそが「余白」への書き込みですよね。
玉置: 万博の事務局が、そういう「勝手な動き」を止めなかったのは偉かったですよね。普通なら「公式じゃないからダメ」と対立しちゃうところを。
津田: 止めなかったのか、止められなかったのか(笑)。でも、その余白があったからこそ、自分たちで考える「みんなの万博」になれたんだと思います。最近商標出願された「こみゃく」なんかもまさに万博の余白から生まれた1つの文化ですよね。
津田: 実は「LOCAL X STAGE」で面白い傾向があって、完璧すぎるプレゼンをするコミュニティには、意外と大企業の手が挙がらないという声が参加者から聞こえていました。
玉置: 完璧すぎると、関わる隙間がない。
津田: そうなんです。大企業側も完璧なプレゼンに対しては「関わるなら100点の結果を出さなきゃ」と身構えてしまう。一方で、福井の「RENEW」を牽引する新山(直広)さんなんかは、隙というか自分たちの関わり方の余白を見せるのがすごく上手いと思います(笑)。すごいことを成し遂げているのに、「手伝って」という感情を出すのが上手。 参加したコミュニティ側からも「未完成な状態でいられるのがありがたい」という声が出ました。共に変わり続けることを許容してもらえる。この「未完成を許す」感覚が、共創には不可欠なんです。
玉置: マネジメントに感じられないマネジメント。それが「予定調和のない共創」の正体かもしれませんね。
津田: オープンファクトリーに集まるのは、みんな経営者。ある意味「一国一城の主」です。「1年後にあの山を登ろう」というビジョンは示しても、「階段で登れ」とは言わない。社員さん達は、ヘリで飛んでいく人もいれば、エレベーターを自作する人もいる。手段を指示しないからこそ、うまく回るんです。
玉置: でも、行政としては「全員仲良く」という平等性を求められがちですよね?
津田: そこが「正論は正解ではない」という部分かなと思ってます。最初から全員で手をつなごうとすると失敗する。まずは気の合う仲間で実証して、結果が出たから仲間が増えていく。 だから、僕の資料には「実証」や「実験」という言葉を使うことが多いです。事業と言い切ると完璧を求められますが、「あくまで実証・実験ですから」と言えば、未完成でも走り出せますから。
玉置: 「実験」と言い切ることで、行政の枠組みの中にクリエイティブな余白を無理やりこじ開ける……。これはASCII読者のエンジニアや新規事業担当者にとっても、すごく勇気が出る話ですね。
デジタルとリアルの融合
ASCII読者が「現場」にコミットする面白さ
玉置: ここからはASCII.jp的な視点で、デジタルとリアルの融合について深掘りさせてください。AIやDXが叫ばれる今だからこそ、「実業」を持つ製造業の強さが再注目されています。ただ、中小企業にとってデジタルの導入は、高い壁があるのも事実ですよね。津田さんは「オープンファクトリーとデジタルは相性がいい」と断言されていますが、その心は?
津田: 実は「相性がいい」と言い切ったのは、これまでの導入が「いかに難しかったか」という裏返しでもあります。大量生産のラインを止めてまで新しいITツールを入れるのは、経営者にとって勇気がいりますし、怖い。情報が非対称すぎて「騙されるんじゃないか」という不安もある。
でも、オープンファクトリーは本業ではない「文化祭」のような場です。そこでの連絡手段として、電話やFAXはもう通用しません。外部の人と繋がるためにSlackやChatworkを使い出してみると、「あれ、これ意外と便利やな。社内でもいけるんちゃう?」と、いい意味でのチャレンジが始まる。この「本業じゃない場でのデジタル体験」が、心理的な壁を溶かす大きな要因になっています。
玉置: 中小企業の社長さんって、実は理系マインドの方が多くて、一度納得してハマるとめちゃくちゃ強いですよね。
津田: そうなんです! 町工場の「おっちゃん」たちは、こだわり出したらとことん詳しい。壁を突破するまでが大変ですが、一度理解したらエンジニア顔負けのスピードで使いこなします。
津田: 実際に八尾市では、サイボウズさんと連携して「みせるばやお」の140社近い企業が、ノーコードツールのkintoneで空間予約や連絡を行っています。これも「街づくりのOSとして使ってみよう」という実験枠だからこそできたことです。
また、面白法人カヤックさんの地域通貨「まちのコイン」も導入しましたが、カヤックさん側からしても、オープンファクトリーという「受け皿(コミュニティ)」が既にあるから、実証実験が非常にやりやすかったのではないでしょうか。
玉置: 「up CRAFT」(2026年2月24日開催)も凄まじい盛り上がりだったそうですね。
津田: そうなんです。電通の寺田さんや友安製作所の松尾さんが間に入って、スタートアップと跡継ぎ社長たちを繋いだのですが、これも彼らの「信頼貯金」のなせる業だと思います。 製造業側は「スタートアップって何者?」という怖さがある。でも、信頼する人が連れてきたスタートアップなら、みんな興味津々で「何か一緒にやりましょう」という話が次々と生まれる。IT業界やスタートアップからすれば、現場の「N(検証数)」を稼ぐ場所として、こうしたコミュニティと組むメリットは計り知れないと思います。
玉置: ASCIIでもICTスタートアップリーグなどで支援していますが、現場の熱量がそこまで高いと、メディアとしても放っておけないですね。
津田: 今回のイベントでも感じましたが、参加者が「自分もこのプロジェクトの主人公になれるんだ」と思えるかどうかが、盛り上がりの鍵です。大量に集めるだけの大きなイベントよりも、自分事としてマッチングが期待できる「良質な刺激」をみんな求めている。
IT系のエンジニアやクリエイターが、オープンイノベーションに前向きな町工場の「おっちゃん」たちと組んで、現場の課題を解決していく。そこから新しい街のOSが書き換わっていく風景は、めちゃくちゃ面白いと思いますよ。
玉置: 「信頼貯金」を介したマッチングが、町工場の理系魂に火をつける。この熱量は間違いなくASCII読者に響くはずです。
2025年万博の「その先」へ
関西を巨大な実験都市にする「STATEMENT」
玉置: いよいよ最後の質問です。2025年の大阪・関西万博を経て、今、私たちは「アフター万博」の入り口に立っています。津田さんはこの万博を振り返って、何が最も大きな変化だったと感じていますか?
津田: 今回の万博ほど「ローカル」に注目しやすかった万博はなかったと思います。パビリオンという大きな箱だけでなく、「TEAM EXPO」のような枠組みがあったことで、一人ひとりが「自分にとっての万博」を表現できた。
玉置: まさに「主人公が多い」万博でしたよね。著名なクリエイターも、地域の町工場のおっちゃんも、同じ目線でSNSで発信して、フォーラムで議論していた。
津田: そうなんです。僕の立場としては、万博を契機に各地のオープンファクトリーが「ビジネスの現場」として可視化されたことが最大の収穫です。そしてこれまでは「万博に向けたビジネス拠点マップ」だったものが、2026年の今、それは現実に「実証都市マップ」へとアップデートされました。
津田: この動きを一過性にしないために、僕たちは「LOCAL X STATEMENT(ローカル・クロス・ステートメント)」をまとめました。大切にしたいのは「時間軸を長く考えること」「小さくても始めること」、そして何より「面白がること」です。
玉置: 「面白がる」って、一見柔らかい言葉ですけど、継続には一番大事ですよね。
津田: 誰でも言える「正論」だけでは続かないんです。コミュニティへの投資を促し、大企業と対等に学び合う。この「振る舞い」が浸透すれば、僕がいなくても各地で勝手に「ローカル・クロス・ステージ」が開催されるようになる。かつて珍しかったスタートアップピッチが「文化」になったように、地域産業コミュニティと大企業との連携が自律的に動くことを文化にしたいんです。
玉置: 実は先日、奈良県の大和郡山市の郡山城を取材したのですが、大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主人公である豊臣秀長の居城であり、安土桃山時代も各地から職人を集めて「箱本制度」という自治の仕組みを作り、住民=ローカルがエリアを回して活性化する制度を作って、これは豊臣政権崩壊後の江戸時代も続いていったのが興味深かったです。津田さんの話を聞いていると、行政区画を超えて「泉州」「播磨」といった旧国単位で経済が回っていた、江戸時代以前のダイナミズムに近いものを感じます。
津田: おっしゃる通りです。経済は本来、行政区に縛られるものではありません。オープンファクトリーのルーツを辿ると、鯖江の眼鏡は大阪の生野から伝わったものですし、高岡の鋳物も河内(大阪)から鋳物師(いもじ)が渡り、産業として広がったと言われています。
玉置: ええっ、高岡の銅器のルーツも河内なんですか!
津田: そうなんです。歴史を掘り起こすと、実は昔から職人たちは越境して繋がっていた。SNSで個人が発信し、自分が主人公になれる今の時代は、ある意味でその「自治と共創」の精神が一周回って戻ってきたと言えるのかもしれません。
玉置: 歴史の伏線回収ですね。2026年以降、関西が「とりあえずやってみなはれ」が溢れる巨大な実験都市になっていくのが、本当に楽しみになりました。
以下の写真は、大坂・関西万博でのオープンファクトリーなど近畿経済産業局の活動。
【編集後記:玉置の眼】
今回の対談を通じて確信したのは、津田さんが作っているのは「制度」ではなく「OS」だということだ。OSが優れていれば、その上で動くアプリ(各地域のプロジェクト)は自由に、勝手に進化していく。
「行政マン」という殻を脱ぎ捨て、一人の「編集者」として地域を編む津田さんの視線は、既に万博の先、2030年、あるいはかつての職人たちが闊歩した江戸の活気さえも見据えているようだった。
アスキー読者の皆さんも、ぜひ一度、この「実証都市マップ」を片手に、日本各地の「裏側」を覗きに行ってほしい。そこには、書き込みを待っている真っ白な「余白」が、無限に広がっているはずだ。











