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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第143回

AIエージェントが書いた“異世界転生”、人間が書いた小説と見分けるのが難しいレベルに

2026年02月09日 07時00分更新

文● 新清士

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推敲を続けるとかなり面白くなってきた

 キャラクターと世界観の設定ができた後、1~4話のあらすじを出してと指示したところ、次のようなプロットが出てきました。主人公は官公庁のレガシーシステム保守を担当していた元SEで、魔法が存在する異世界に転生した後に、田舎でのんびりスローライフをしていたが、使った魔法から超常の能力がバレて、どんどん巻き込まれ、愛情たっぷりのヒロイン(王女)に監禁される──という展開です。これでOKを出し、1〜4話を書かせました。

案を元に出してきた1~4話のあらすじ

 その後、4話ごとの物語を作成させ、12話まで進みました。ヒロイン(王女)に監禁された後に、第二ヒロイン(魔導図書館司書)の協力によって脱出、しかし、第二ヒロインは世界の混沌に飲み込まれ闇落ち。再び、主人公は監禁されるという展開になりました。

 当初は、文章がかなりサラッとしていたので、「百夜アンドロイド記」のテンプレートを使って、文体をもっと日常感の描写などを増やすように指示しました。その推敲によって、文章量が増え、雰囲気もそれらしくなります。

 出力させて、展開が面白くないところは、「ここをもっと詳しく書いてくれ」「戦闘シーンを濃くしてくれ」と指示して、何度も推敲しました。第二ヒロインが闇落ちする展開は、筆者が指示して、入れた展開です。また、特に面白かったのは、12話の王女と第二ヒロインが対決するバトル描写です。最初に出力された戦闘が地味だったので、「もっと派手に大爆発させてほしい」「意味不明な単語を詠唱させてほしい」と指示したりして、どんどん変えていくと、かなり面白くなっていきました。

 読み直してみると、整合性が甘いところはあり、直さなければならない部分や、自分で手直ししたほうが早いと感じるところもあります。とはいえ、筆者は異世界転生なろう系が自分自身が書けるジャンルとは思えないので、ここまで書くのはかなり大変だと感じられる一定水準には達していました。

 12話まで完成したところで、その後どうするかアイデアを聞いてみると、「ルート権限争奪戦(七つの鍵編)」という展開の提案を出してきました。パーティを組んだ王女とともに、世界復活の鍵を握る女の子たちのもとを周り、ラスボスである闇落ちした第二ヒロインを救うという展開です。それぞれの多様な女の子を口説いていくハーレム展開がお約束だから、という理由です。このプロットには笑ってしまいました。次は、エルフの村に行って、エルフの女の子を口説くという話が提案されています。

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