白幡社長らが、技術・信頼・人と社会における取り組みとその先を語る
AWSジャパンの次なる支援策は“フィジカルAI” 東京リージョン15周年で加速する投資戦略
2026年01月29日 11時00分更新
「日本のイノベーションを日本の組織で支え始めて15年経ったが、本当のデジタル改革はこれからが本番」と語るのは、AWSジャパンの代表執行役員社長である白幡晶彦氏だ。
AWSの日本への投資を象徴する東京リージョン開設が15年前。「ターニングポイント」だという2026年に、白幡氏は「日本のために、社会のために、その先へ」というメッセージを掲げる。
AWSジャパンは、2026年1月27日、2026年の事業方針に関する説明会を開催。「技術」「信頼」「人と社会」における投資戦略について語ると共に、「フィジカルAI」の実現に向けたロボット基盤モデルの開発支援プログラムを立ち上げたことを発表した。
技術への投資:国内のAI開発支援は“フィジカルAI”のステージへ
白幡氏は冒頭、2026年は節目の年だと語る。AWSの誕生から20年目、そして、東京リージョン開設から15周年、大阪リージョン開設から5周年の年である。「スタートアップからエンタープライズ、公共団体まで、数多くの顧客と共に歩んできた。パートナーにも支えられて、デジタル化を進展させてきたが、本当のデジタル改革はこれからが本番」(白幡氏)
ターニングポイントとなる2026年以降の投資領域として、かねてからの「技術」「人と社会」に「信頼」を加えた“3本柱”に注力していくと宣言。説明会では、この3領域における、直近と今後の取り組みが紹介された。
まずは「技術」への投資だ。
AWSジャパンは、2011年の東京リージョン開設以降、数100億ドル規模の資金を国内に注いできた。その中で、東京・大阪リージョンを日本のデジタル化を支える堅牢かつ安定したインフラとして整備している。白幡氏は「グローバル39のリージョンの中でも、東京・大阪への投資は優先度が高い」と強調する。
例えば、生成AI基盤である「Amazon Bedrock」は、米国に次いでのタイミングで東京リージョンから提供され、「Oracle Database@AWS」でも同様だ。さらに、アジアの中でも最もサービスが豊富なのが東京リージョンであり、「米国リージョンともほとんど差がない」という。今後も、このインフラに対する投資は継続される。
インフラの強化に加えて強調されたのが、AI技術への投資、そしてAI開発の支援だ。
AWSはAIにおいて、ユーザーに「選択肢」を提供するというアプローチをとる。10万を超える組織に利用されるAmazon Bedrockは、ニーズにあわせて多様なAIモデルを選択できるのが強みだ。AI開発でも、NIVDIAをはじめIntelやAMD、AWS独自のチップといった幅広い選択肢を提示する。
2025年12月の年次イベント「re:Invent」では、最新の投資結果として、人の介入なく動作する自律型AI エージェント「フロンティアエージェント」、AmazonのAIモデルNovaをベースに独自モデルを構築できる「Amazon Nova Forge」、前モデルと比べてエネルギー効率を4倍、計算能力を4.4倍に向上させたサーバーインフラ「Trainium3 UltraServer」などを発表している。
2023年より注力しているのがAI開発の支援だ。これまで、AWSジャパン独自のプログラム(生成AI実用化推進プログラムなど)や国が主導するプログラム(GENIAC)での連動、さらにグローバルプログラムを通じて、300を超える日本の企業・組織に対して支援を手掛けてきた。
こうした支援策と並行して、2026年より新たに開始するのが、“ロボット基盤モデル”の開発に特化した「フィジカルAI開発支援プログラム」である。ユーザー企業の「ロボット向けモデルを開発したい」「モデル学習のための計算基盤のスケーリングやシミュレーション環境に悩んでいる」という声がきっかけだという。「これまでの支援策で培ったノウハウを活用して、世界的にも影響力を持つ日本のロボット産業の強みを活かしたい」と白幡氏。
同プログラムでは、フィジカルAIのスペシャリストによる技術支援に始まり、総額600万ドル規模のAWSクレジットの提供やコミュニティの形成、製造業とのマッチングなどを提供する。プログラムには、倉庫・物流を中心としたAmazonグループ全体で蓄積したロボティクス活用のノウハウも詰め込まれる。2026年1月27日から2月13日まで応募を受け付ける。













