HPEが2026年度の事業方針説明会、ネットワーク・クラウド・AIの注力領域は?
ネットワーク市場で「トップに近づいた」HPE Juniper・Arubaを統合し、新たな市場リーダー目指す
2025年12月23日 12時00分更新
HPE GreenLakeにおいては“運用インテリジェンス”を推進
Networkingに加えて注力する領域が「Hybrid Cloud」だ。「HPE GreenLake」がその中核を担う。
特に近年、プライベートクラウドへの回帰が見られる中で、HPE GreenLakeはコンサンプション型のプライベートクラウドとしての地位を確立してきた。2022年には、パブリッククラウドライクな体験をプライベートクラウドで実現する「HPE GreenLake for Private Cloud」を提供し、2025年にはエアギャップ対応によりソブリンクラウドへの需要にも応えている。
望月氏は、プライベートクラウド回帰の背景には「コスト最適化」があると語る。そこでGreenLakeで注力していくのが、運用インテリジェンスの推進だ。GreenLakeは、ここ数年でOpsRampやMorpheus、Zertoといった企業を買収し、運用面での高度化を図ってきた。これらの新しいソフトウェアスタックをひとつにまとめてスイート化したのが「HPE CloudOps Software suite」である。
CloudOps Software suiteは、Morpheusのプロビジョニングオーケストレーション、OpsRampによる可観測性、Zertoによるデータ保護の機能を、すべてのクラウド、すべてのベンダー、すべてのワークロードに適用できるのが特徴だ。「この付加価値を顧客に還元する一年にしていきたい」(望月氏)
また、エージェント型AIOpsのフレームワークとして提供されるのが「GreenLake Intelligence」である。NetworkingやStorege、Serverなどの各領域に実装されたエージェントが相互に連携して、インサイトを提供したり、問題を解決してくれる。まずは、Aruba Networking Centralでの実装が予定されている。
最後に紹介するのは「AI」での取り組みだ。同領域では、「ソブリン」および「エンタープライズ」におけるAIインフラストラクチャの構築にフォーカスしていく。「AIにおいてもデータ保護やセキュリティの観点から、プライベート環境、ソブリン環境でのAI基盤を求める声が非常に大きい」(望月氏)。
HPEでは、2025年1月よりNVDIAと共同開発した「HPE Private Cloud AI」を国内展開している。AI基盤に必要なコンポーネントをパッケージ化した“ターンキー型ソリューション”であり、大規模環境やカスタマイズが必要な顧客向けには「AI Factory at Scale」というラインアップも用意していくという。
HPEのAI領域での強みは、スーパーコンピューターにおけるAIインフラ構築の実績だ。2025年スパコンランキングのトップ3を手掛けており、「今後も先端領域への投資を続けつつ、ここで培った知見をエンタープライズ企業に還元していきたい」(望月氏)と強調した。











