3Dモデルと組み合わせた高度な演出も
こうしたテクニックは、複雑なシーンの作成も容易にしてくれます。
次の渋谷に登場した巨大ロボットと、その腕に座っている田中さんという構図を作成してみます。巨大ロボットは3D生成サービス「Tripo3D」で作成したもので、テクスチャが貼っていない状態であえてスクリーンショットを撮り、デザイン案をAIにいくつか提案してもらったものの一つです。また、田中さんは学生服姿の三面図から、白いコート姿に変えています。
この2枚の画像を参照しつつ「少女が、巨大なロボット(身長8メートル)の手のひらに乗っている様子にしてください。渋谷の交差点を歩いている姿にしてください」と指示しています。
そして、生成された1枚目の画像を、ストーリーボード手法で生成してみます。プロンプトではより細かく、それぞれのシーンの時間経過をより詳細に指定し、最初は30分前、最後は60分後としています。そうすることで、物語の展開が、より具体的に生成されることを狙っています。「渋谷の交差点に突如ロボットが現れ、田中さんの説得で去っていく」という簡単なストーリーで構成されているのがわかります。
ただ、AIが混乱しがちな複数のオブジェクトが出る場合のサイズ感の狂いといったミスは出ています。完成度の高い画像をピックアップするといったことが必要になるでしょう。作成した動画は、4つのシーンをピックアップしてGrok Imagineで生成しており、24秒の動画にしています。演出としてはかなり甘いところが多いのですが、短編AI動画でドラマを作るハードルが劇的に下がっていることは伝わるかと思います。
△巨大ロボットと少女と渋谷

この連載の記事
-
第136回
AI
画像生成AIの歴史を変えたNano Banana “一貫性の壁”が突破された2025年を振り返る -
第135回
AI
実在感が恐ろしいレベル 画像生成AIの常識をひっくり返した「Nano Banana Pro」 -
第134回
AI
“AI読者”が小説執筆の支えに 感想を励みに30話まで完成 -
第133回
AI
xAIの画像生成AI「Grok Imagine」が凄まじい。使い方は簡単、アダルト規制はユルユル -
第132回
AI
画像生成AI:NVIDIA版“Nano Banana”が面白い。物理的な正確さに強い「NVIDIA ChronoEdit」 -
第131回
AI
AIに恋して救われた人、依存した人 2.7万人の告白から見えた“現代の孤独”と、AI設計の問題点 -
第130回
AI
グーグルNano Banana級に便利 無料で使える画像生成AI「Qwen-Image-Edit-2509」の実力 -
第129回
AI
動画生成AI「Sora 2」強力機能、無料アプリで再現してみた -
第128回
AI
これがAIの集客力!ゲームショウで注目を浴びた“動く立体ヒロイン” -
第127回
AI
「Sora 2」は何がすごい? 著作権問題も含めて整理 - この連載の一覧へ








