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6割の人はAIの回答を「まあまあ信頼できる」「非常に信頼できる」と答えた

「ググる」はもう時代遅れらしい AI回答だけで済ませる人が増加中

2025年12月09日 12時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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 一昔前は、わからないことがあれば「ググれ」と言われたものだ。その一言は、インターネットが知識の入り口として機能していた時代を象徴している。検索窓に言葉を打ち込み、無数のリンクの中から最適な答えを拾い上げる作業には、ちょっとしたコツや経験が必要だった。いわば「調べる力」そのものがスキルとして扱われていた。

 しかし、その状況は変わりつつある。問いを投げかければ文章で返答してくれる生成AIの台頭により、「探して見つける」から「聞いて返ってくる」へと、調べものの重心が移りつつある。生成AIの普及に伴い、インターネットユーザーの情報収集行動に大きな変化が生じているようだ。

 インターネット広告やデジタルマーケティングを支援するシードは12月9日、自社が運営するデジタルマーケティング情報メディア「デジマ部」において、全国の10代〜70代以上の男女1504名を対象に「生成AIによる検索行動の変化に関する意識調査」を実施し、結果を公表した。

 調査によれば、生成AIを利用するようになってから「検索エンジン」の使用頻度が減ったと答えた人の割合は、検索エンジンをほとんど使わなくなった(6.0%)」という層を含めると44.2%にのぼった。

 また、Webサイトへの訪問頻度が「減った」とする回答も30.5%に達した。これは、これまで主流だった検索からWebサイト訪問へ、という流れが薄れつつあることを示すものである。

 さらに、「検索結果で提示されたAI回答を見てリンクをクリックせず、そのまま目的を達成する」という「ゼロクリック行動」がおよそ半数(48.8%)で常態化している点も注目される。

 この結果は、AI回答だけで満足できる、検索エンジン結果ページで完結するというユーザー行動が広がっていることを示している。「Perplexity」のような回答エンジンの台頭だけでなく、Google検索自体にAI概要(SGE)が実装され始めた影響も大きいだろう。

 こうした行動変化を支えているのが、生成AIに対する信頼感だ。AIの回答に対して「まあまあ信頼できる」「非常に信頼できる」と答えた人の割合は60.6%に達しており、スピードや手軽さといった即時性を重視する傾向が浮き彫りになっている。

 また、「わからないことがある時、普段どこで調べますか?」の調査結果において、Googleが64.8%なのに対し、ChatGPT(6.7%)やGemini(1.1%)など、AIサービスだけでおよそ8%のシェアを獲得し、既に既存の検索エンジン(Yahoo!の22.6%)に次ぐ勢力として台頭し始めている。

 なお、「わからないことがある時、普段どこで調べますか?」に対し、SNS(YouTube、Instagram、TikTok、X)を情報収集の主な手段として挙げた割合はわずか1.2%に留まっている。

 しかし、10代〜30代の若年層では、他の世代に比べてSNSを検索として利用する割合が高いことが示されてもいる。これは、将来的に購買力の中心となる世代において、Google検索のシェアが構造的に低下していく可能性があることを示唆している。

 このような利用者の行動変化を受けて、同社は「検索エンジン最適化(SEO)」だけではなく、生成AIなど新たな検索基盤に対応する「GEO(Generative Engine Optimization)」や「AIO(AI Overview Optimization)」といった新しいマーケティング戦略の必要性を訴えている。自社ではこうした対策を支援するサービスの提供を開始するという。

 今回の結果は、生成AIが単なる話題にとどまらず、日常の情報収集や消費行動のあり方を根本から変えつつあることを示すともに、Webマーケティングの現場にも大きな見直しを迫るものといえる。

 今後は、検索エンジンや従来のSEOに依存しない、新たな最適化手法や情報提供のあり方が求められていくだろう。

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