12月3日の国際障害者デーに合わせて、東京で開催されたSYNC25アカウンタビリティ・サミット。障がい者の社会参画に対するアクションを加速させることを目的に、世界500以上の企業や団体から会議に集まりました。
これに合わせて来日中のAppleでグローバルアクセシビリティ ポリシー&イニシアティブ シニアディレクターを務める、Sarah Herrlinger(サラ・ハーリンガー)氏に、同社がどのような考え方でアクセシビリティに取り組んでいるのかを聞きました。
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「アクセシビリティは、基本的人権」、テクノロジーも例外ではない
Appleのアクセシビリティは、製品の「設定」画面にあるいくつかの機能だけを指しているわけではなく、より包括的な取り組みである……ハーリンガー氏は多くの人が誤解しているポイントから話を始めました。
直営店のやオンラインストアでの接客、開発者イベントWWDCやプレス向けの発表イベント運営、Apple TV+のオリジナルコンテンツまで含めて、Appleにまつわる「体験全体」をどう設計するか?という文脈全てが含まれると言います。
ハーリンガー氏は、まず自社のスタンスをこう説明します。
「TV+のオリジナルコンテンツ制作に至るまで、私たちは『アクセシビリティは基本的人権である』というコアバリューを実践し、すべてのお客様を尊厳と敬意を持って接することを確実にしています。製品機能の開発はもちろんですが、障害のあるお客様が店舗に来店された際、スタッフがその機能を理解しているだけでなく、敬意を持って適切に接し、ニーズを理解できているかという点も含め、Appleが行うすべての活動において、障害のある方々のために正しいことができているかを常に考えています」
企業側の説明であることを差し引いても、「機能」単体ではなく「態度」や「接点」までアクセシビリティの範囲に含めている点は、現在の大手テック企業の中でもかなり明確なメッセージを打ち出している、と位置づけられます。

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