前へ 1 2 次へ

「Inter BEE 2025」レポート

ブース内でAV over IPデモ環境を構築、インテグレーター向けセミナーも実施

音響だけでなく「AV over IP」ネットワークも注目! ヤマハのInter BEE出展

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「Inter BEE 2025」のヤマハブース(ホール2 #2307)

 千葉・幕張メッセで開催中の、メディア&エンターテインメント産業向けの総合展示会「Inter BEE 2025」(会期:11月19日~21日)。

 ヤマハのブースでは、コンサートホールなどで使われるプロ仕様の音響機器と並んで、オフィスや商業施設、店舗などで導入される音声/映像のIPネットワーク伝送技術「AV over IP」のソリューションも展示されている。最新のAV over IP対応ネットワークスイッチを中心に据え、さまざまなパートナー企業の映像機器とも連携させたデモ展示が見られる。

ヤマハブース内の「AV over IP」コーナー

パートナー製映像機器を組み合わせてAV over IPのデモ展示環境を構成

 ヤマハでは、古くからコンサートホールやアリーナ、劇場、市民会館といった施設向けの業務用音響機器を開発、製造、提供している。近年では、オーディオのIP伝送プロトコル「Dante」に対応したオーディオミキサー、パワーアンプといった製品もラインアップしており、グループ会社のヤマハサウンドシステムを通じて、国内のさまざまな施設に合わせた音響設備の設計、施工も手がけてきた。

 また、会議室向けの統合音響システムソリューション「ADECIA」も展開している。こちらもDante対応のシグナルプロセッサーを中心に、卓上マイクやシーリングマイク、スピーカーの間をIPネットワークで接続できる。

「ADECIA」の展示コーナーもある

 このように“Audio over IP”分野ではすでに実績を持つヤマハだが、その一方で、映像(Visual)系の機器は開発していない。そこで、SDVoEアライアンスなど映像系IP伝送規格の標準化団体に加盟し、ネットワーク機器における各標準規格への対応を進めながら、映像系機器メーカーとのパートナー連携も図っている。

ヤマハではProAV(業務用音響/映像設備)分野でのパートナーシップ強化を図っている

 今回、ヤマハブース内では、ヤマハの最新ネットワークスイッチ「SWX3220/2320シリーズ」と、複数パートナーの映像伝送機器(エンコーダー/デコーダー)を接続したAV over IPのソリューションデモを展示している。PCやPTZカメラが出力した映像を、SDVoEやNDI、Dante AVなどに変換してIPネットワークで伝送し、6面ディスプレイ構成のビデオウォールに表示させるものだ。

AV over IPデモ環境の中核を担う「SWX3220/2320シリーズ」スイッチ。いずれも12月発売予定

デモ環境のネットワーク構成図。SWX3220/2320スイッチ(図中央)は、SDVoE、NDI、Dante AVなど複数の映像伝送プロトコルを収容している

さまざまなパートナー製品(エンコーダー/デコーダー)とプロトコルを容易に収容できる点をアピールしていた

 AV over IPのメリットの1つが「音声も映像もすべて1つのIPネットワークで伝送できる」点だ。特に、これまで音声/映像それぞれに複数種類のケーブルを敷設する必要があったものが、Ethernetケーブルひとつに簡素化されること、施設内で長距離の伝送も簡単に実現できることなどは、設計や施工を大幅に効率化する。

 さらに、音声/映像ソースとその出力先をソフトウェア的にコントロールできるため、柔軟な運用が可能になるメリットもある。従来は、映像を画面分割/画面統合したりする場合はマトリクススイッチャーなどのハードウェアを導入する必要があったが、その必要もなく、大きなコスト削減が見込める。

 ただし、業務用音声/映像設備のインテグレーター(導入事業者)が、IPネットワークの取り扱いに慣れておらず、それが国内でのAV over IPの普及のハードルになっている側面もある。そこでヤマハでは、AV over IP向けのスイッチ製品において、簡単に設定や運用監視ができる仕組みを取り入れ、この動きを加速させようとしている。

 ちなみに今回、ヤマハブース内のAV over IPデモ環境を設計、構築したのも、ふだんはネットワーク機器ではなく音響機器を手がけている社員だったという。構築前はネットワーク的なトラブルが不安だったが、スイッチのGUI操作だけで接続機器(プロトコル)に応じた一括設定ができる、ネットワーク構成や接続機器の一覧、トラフィックの状態などもGUIでリアルタイムに確認できるといったSWX-3220/SWX2320スイッチの特徴があるため、大きなトラブルもなく簡単に構築できたと話した。

AV over IP対応スイッチ(SWX3220)の管理画面。GUIを通じて最適な設定や監視が簡単にできる

前へ 1 2 次へ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

過去記事アーカイブ

2026年
01月
02月
03月
04月
2025年
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2024年
01月
04月
07月
10月
2023年
03月
07月
11月
2022年
08月
09月
2021年
03月
04月