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auが最速! SUPER GT 2025で前人未踏の「三連覇」を狙うau TOM’S密着レポート 第7回

SUPER GT第7戦はau号にとって試練の1戦に! トラブルで痛恨のノーポイントに終わる

2025年10月26日 12時00分更新

文● 三家 香奈子 写真●加藤智充 編集●ASCII

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 SUPER GT第7戦が10月18~19日に大分県のオートポリスで開催され、チーム3連覇を狙う1号車「au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)」は、いつも通り力強い走りを見せるも、後半にパワーダウンの症状に見舞われるトラブルが発生。残り1時間を切ったところでピットイン。結果は13位となり、今季初のノーポイントに終わった。

予選は雨に悩むも7番手を獲得できた

 第6戦まではすべてポイントを獲得する走りを見せている1号車。これまでは獲得ポイント1点に対して2kgのサクセスウェイト(ハンデ)が課せられていたが、シーズン7戦目は1ポイント×1kgに半減。それでも、1号車は60.5ポイントを獲得しているため、四捨五入で61kgのウェイトを積むことになった。

 そのため、多くのライバルが50kgを下回って燃料リストリクター制限が解除されるなか、1号車は引き続き制限が1段階入っている状況。ライバルと比べると難しい状況にはあるが、いつも通り1ポイントでも多く獲得することを狙って、レースウィークに入っていった。

 予選日の午前中に行なわれた公式練習では、ほとんどの時間をドライコンディションで走ることができたものの、各クラスの占有走行の時間帯には雨がパラつき、一部はレインタイヤを装着するチームも見られた。

 迎えた午後の予選。開始直前から小雨が降り、路面コンディションに影響はないものの、セッション前にはウエット宣言が出された。そんななか、1号車は予選Q1を山下健太に託す。不安定な天候の中で徐々にタイヤに熱を入れていき、計測5周目に1分33秒053をマーク。5番手に入り、予選Q1を突破した。

坪井 翔選手

山下健太選手

 しかし、予選Q2では開始前に雨が降り出し、乗り込んだ坪井はウェットタイヤを装着してピットアウト。2周目に1分42秒158をマークすると、一度ピットに戻ってタイヤ交換。これでさらにタイム更新する狙いだったが、思うようにうまくいかず、最終的に7番グリッドからのスタートが決まった。

決勝レース後半でトラブル発生
最終戦前にノーポイントで終わる

 日曜日の決勝レースは雨が上がり、曇り空のなかで3時間の決勝レースが幕を開けた。最初にステアリングを握った山下はオープニングラップで6番手に浮上。さらにポジションアップを狙うが、コース上では開始20分ほどでアクシデントが発生し、FCY(フルコースイエロー)やSC(セーフティーカー)が導入される、荒れた展開になった。それでも山下は接触なく周回を重ね、29周目に4番手まで浮上し、1時間が経過した34周目にピットイン。坪井にバトンタッチした。

 自身のスティントを終えた山下はのちに「スタートからペースは良かったです。なかなか追い抜くことはできませんでしたが、3時間レースなので後半に必ずチャンスが来ると思って、他車に接触をしないように気をつけながら、タイヤと燃費をセーブして、坪井選手にバトンを渡すことができればいいなと思っていました」と振り返った。

 完璧なピット作業でのロスを短縮し、45周目には4番手に浮上した1号車。トップ集団に加わり、展開次第では表彰台圏内への進出の可能性が出てくるほどの勢いをみせた。

 しかし、59周目に1つポジションを落としたあたりからペースが鈍り始めていく。62周目に2度目の通常ピットストップを済ませる際に、フロントのエアインテークに詰まったゴミを掻き出すなどの対応をしたが、パワーダウンの症状は改善されず、ライバルに次々とオーバーテイクされてしまう。69周目に緊急ピットインで応急処置を施した。

 「普通に走れていれば、優勝も狙えるような雰囲気もありましたが、途中からパワーが出なくなるような症状に見舞われて、直線でもスピードが15~20km/hくらい遅くなりました」と坪井。

 これでポイント圏外に沈んだことと、最終戦を前に大きなトラブルを避けるため、76周目にピットへマシンを戻し、1号車はそのままガレージに収まった。

 規定周回数を超えているため、リザルト上では13位完走扱いとなったが、1号車が最後までレースを走りきれなかったのは2023年の開幕戦以来。同じTOM'Sの37号車も、同様のトラブルで戦線離脱を余儀なくされ、TOM'Sのピット内は悔しい雰囲気に包まれていた。

auのレースアンバサダー、央川かこさん

同じく、辻門アネラさん

 これでポイントランキングでは、ライバルの接近を許し、2番手が6ポイント差まで詰め寄ってきた。気持ちを切り替え、11月1~2日に迫った最終戦で、3年連続のチャンピオン獲得を目指す。

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