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田口和裕の「ChatGPTの使い方!」 第38回

【無料】「NotebookLM」神機能“音声概要”をスマホで使おう! 難しい論文も長〜いYouTubeも、ポッドキャスト化して分かりやすく

2025年08月22日 13時00分更新

文● 田口和裕

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PC版には動画作成機能も登場

 最後に7月に実施されたPC版のアップデートにも触れておこう。目玉は「Video Overviews」だ。これはAudio Overviewを拡張したもので、AIが作成した要約を音声とスライド形式のビジュアルで提示してくれる。テキストだけでは理解しにくいポイントも、図表や引用文が画面に並ぶことで直感的に把握できるようになる。

 さらにUI面でも「Studio」パネルが刷新され、ノートの上部に音声解説(Audio Overview)、動画解説(Video Overviews)、マインドマップ、各種レポートといったアウトプットを並べて生成できるようになった。同じノート内で複数のアウトプットを作成・保存できるほか、音声を聴きながら別のマインドマップを確認するといったマルチタスク操作にも対応している。

 これらの新機能は現在PC版で先行提供されており、Video Overviewsも現状では英語のみの対応となっている。ただしAudio Overviewも当初は英語限定で提供され、その後に日本語を含む多言語に対応した経緯がある。Video Overviewsについても、将来的には日本語化されることはほぼ確実だろう。

 もし日本語対応とモバイル対応が実現すれば、NotebookLMは「耳だけ」ではなく「目と耳の両方」で学べるツールに進化する。要約を音声で聴きながら、同時にビジュアルで確認できる──学習効率をさらに高める未来像が見えてきた。

新しい情報インプットの形

 NotebookLMは、従来の生成AIとは一線を画す「研究パートナー型」のAIだ。ユーザーが指定した資料や動画に基づいて要約や質疑応答を行うため、信頼性の高い情報整理が可能になる。特にスマホ版の登場で、YouTubeやPDFといった情報ソースを耳で要約して聴けるようになり、通勤や家事の合間といった“空き時間”を効率的に活用できるようになった。

 YouTube動画の耳インプットはもちろん、白書や論文、マニュアル、会議記録など幅広い資料にも対応し、学習から実務まで多様な場面で役立つ。複数の動画や資料をまとめて1本の音声要約にできるのも強力で、自習用の教材としても大きな可能性を秘めている。

 さらにPC版では、Video OverviewsやStudioパネル刷新といった新機能が加わり、将来的な日本語対応やモバイル展開への期待も高まっている。耳だけでなく目でも同時に理解を深められる「ハイブリッド学習」環境が整えば、NotebookLMは学習・情報整理ツールとして一層存在感を増していくだろう。

田口和裕(たぐちかずひろ)

 1969年生まれ。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイト等を中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。2019年にはタイのチェンマイに本格移住。
 新刊:発売中「生成AI推し技大全 ChatGPT+主要AI 活用アイデア100選」、:https://amzn.to/3HlrZWa

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