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田口和裕の「ChatGPTの使い方!」 第38回

【無料】「NotebookLM」神機能“音声概要”をスマホで使おう! 難しい論文も長〜いYouTubeも、ポッドキャスト化して分かりやすく

2025年08月22日 13時00分更新

文● 田口和裕

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実践:スマホ版NotebookLMでYouTube耳インプット

 スマホ版NotebookLMではYouTube動画のリンクを直接ソースに追加できる。長尺の英語解説やカンファレンス映像も、AIが要約を作成し、Audio Overviewとして音声で聴けるようになるのだ。では実際の手順を見ていこう。

 ここではグーグルのAIツール「Flow」を活用した映画製作を紹介した「Behind the Lens: AI Filmmaking with Flow from Google at Tribeca Film Festival」という動画を要約してみることにする。動画タイトルの下に表示されている「共有」をタップ。

 ダイアログから「コピー」をタップして動画のURLをコピーしよう。

Android

iOS

 次にNotebookLMアプリを開き、グーグルアカウントでログイン。画面下部の「新規作成」をタップ。

 「ソースを追加」画面が表示されるので、今回は「YouTube」をタップ

 コピーしたURLをペーストし、「追加」ボタンをタップ。

 動画がアップロードされたら「←」をタップしてトップページに戻る。

 すると「AI Filmmaking: Flow at……」というノートが新規で作成されたことがわかる。あらためてノートをタップして開いてみよう。

 NotebookLMスマホ版のそれぞれのノートには「ソース」「チャット」「スタジオ」の3つのUIがあり画面下部で変更できる。最初に表示される「チャット」画面には、入力されたYouTube動画の日本語要約がすでに生成されており、チャット欄にプロンプトを入力することによってChatGPTのようにソースの内容についての質問や、ソースを元にした各種ノートの作成を依頼することができる。

 これだけでも十分すごいが、目玉機能の音声要約(Audio Overview)を利用するには「スタジオ」をタップだ。

 「生成」ボタンをタップすると、AIキャスターが掛け合い形式で要約を読み上げる要約音声の生成が開始される。

 動画の長さにもよるが生成には結構長い時間がかかる。お茶でも飲んで待とう。

 この画面が表示されたら準備完了。「再生」ボタンをタップしよう。

 以下が今回生成された音声要約だ。親しみやすい男女の掛け合い形式になっており、ポッドキャストのように気軽に聞くことができる。

 なお、再生画面では10秒単位での前後移動(スキップ)や再生速度の変更が可能。また、バックグラウンド再生にも対応しているので他アプリ使用中や画面オフでも再生を継続可能だ。

 この機能を活用すると、長い英語動画でも要約を先に耳で把握してから本編を視聴できるため、理解がぐっとスムーズになる。特に最新の製品発表会や技術解説のように情報量の多いコンテンツでは効果が大きい。さらに同じノートに複数のYouTube動画を登録すれば、それらの情報をまとめて1本の音声要約にすることも可能だ。たとえば複数のイベント発表を一度に整理したり、関連する講演をまとめて聞き流したりでき、動画視聴の効率を大幅に高められる。

 もちろん日本語で要約できるのは英語だけではない、中国語やフランス語といったメジャーな言語はもちろん筆者の住むタイのタイ語動画もスムーズに要約してくれた。

YouTube以外で効果的な耳インプット例

 YouTubeはもっとも分かりやすい利用例だが、NotebookLMの耳インプット機能はそれだけにとどまらない。たとえば企業や政府が公開しているPDF形式の白書や調査レポートは、分量が多く読むのに時間がかかる資料の代表格だ。これを音声要約で流し聞きすれば、冒頭からすべて目で追わなくても主要なトピックを短時間で押さえられる。

 同様に、大学や研究機関の論文も耳インプットに適している。数十ページにわたる英語論文でも、まず要約を耳で把握し、その後に本文を必要な部分だけ読み込めば理解がスムーズに進む。

 さらに、カンファレンスやセミナーのイベント登壇資料も効果的だ。セッション前に要約音声を聴いておけば、実際の講演を視聴するときの理解度が格段に高まる。新製品の発表資料など、タイムリーな情報をキャッチアップするのにも役立つだろう。

 実用的な面では、長文マニュアルを耳で消化できるのも便利だ。新しいソフトウェアやガジェットの取扱説明書をまとめて聞き流せば、全体の構造をつかんだうえで必要なページだけを参照できる。これは日常的に役立つ活用法のひとつだ。

 ビジネスの現場では、会議記録や取材ノートを音声化するのが有効だ。議事録やインタビューのメモをそのまま読み返すのは手間がかかるが、要約音声にしておけば移動中でも内容をおさらいできる。

 また、個人の学習にとっては、NotebookLMは最強の自習素材メーカーにもなり得る。オンライン教材やチュートリアル記事をまとめて登録し、要約を耳で確認すれば、机に向かわなくても勉強を続けられる。資格試験の対策や語学学習など、幅広い分野で活用できるはずだ。

 YouTubeに限らず、こうした多様なソースを音声要約に変えることで、文字中心の資料も耳から取り込めるようになる。NotebookLMは、学習や仕事だけでなく日常の情報収集にも役立つ“耳インプット環境”を整えてくれるのだ。

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