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都内で年次イベント「SuiteConnect Tokyo」を開催

Oracle NetSuite、業界特化型スイートに新エディションを追加しAI機能も拡充

2025年08月01日 11時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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営業担当者向けの「NetSuite CPQ」も提供開始

 このほか新製品としては、保守や修理といったフィールドサービス業務を管理する「NetSuite Field Service Management」なども発表された。

「NetSuite Field Service Management」のデモ画面

 また、既存製品の新機能としては、NetSuiteの請求モジュール「SuiteBilling」におけるサブスクリプション契約管理などの改善、日本で新たに導入する「NetSuite CPQ」、インボイス制度の対応などを含む請求の「NetSuite E-Invoicing」も発表した。

 中でも、営業担当者がNetSuiteを使って、製品構成/価格設定/見積書の発行を迅速に実行できるCPQは、物理製品とサービスを組み合わせた構成での提供もサポートする。ECサイト上に展開したり、CRMの一部として利用できるようにするなど、柔軟性も備える。

 「品目が多く、ユーザーが使用・購入する可能性のある品目の組み合わせも多い企業にとって、製品構成、価格設定、見積もりは複雑なシナリオだ。今回、SuiteSuccessのWholesale Distribution Editionのローンチにより、企業はCPQとともにNetSuite Stairwayを進めることができる」(サリバン氏)

「SuiteBilling」のデモ画面

「NetSuite CPQ」および「NetSuite E-Invoicing」のデモ画面

 ユーザーインタフェース(UI)については、数年前からOracleが製品やWebサイトで導入しているデザインシステム「Oracle Redwood Design System」を、NetSuiteのダッシュボード、リスト、フォームなど、よく利用される機能に適用した。

組み込みAI機能も「アドバイス」「アシスト」両面で強化

 AI機能の強化については、同社 テクノロジーおよびAI担当 シニア・バイスプレジデントのブライアン・チェス氏が説明した。

 チェス氏は、AIがもたらすメリットを「アドバイス」と「アシスト」の2つだと表現する。アドバイスとは「データから得た洞察によって、人々には見えない、あるいは見つけにくいことを教える」こと、アシストとは「人々がより迅速に仕事を進められるよう支援する」ことを指している。

 今回、AI関連の新機能として、プロンプト管理「NetSuite Prompt Studio」、翻訳「Text Enhance Translate」、カスタムフィールド向け「Text Enhance」、予測AIとエージェント型AIを活用して財務上の例外の検出/管理を行う「NetSuite Financial Exception Management」、NetSuiteの拡張機能やカスタマイズに生成AI機能を組み込む「The Generative AI API for SuiteScript」、そしてスイート全体でAI機能を設定する「NetSuite Advanced Customer Support (ACS) AI Playbook」を発表した。

 チェス氏は、NetSuiteが備えるAIの優位性について、すべてのデータが“同じ屋根の下”にあり、ビジネス全体のナレッジグラフが構成できる「統一されたデータモデル」、AIが組み込まれ、ニーズに合わせてスイートを拡張できる「拡張可能なプラットフォーム」、そして「AI時代に最適化されたユーザーエクスペリエンス」の3つ。

 そして、AIに関して強調したのが、オラクルとの関係だ。チェス氏は、NetSuiteが「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」をクラウド基盤として利用しているため、Cohere、Meta、OpenAI、xAIなど、同じくOCIを利用するAIベンダーの技術にアクセスしやすく、加えてNVIDIAの技術を導入したデータセンターを米国(テキサス)、日本で展開していると説明した。

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