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7月29日発売

「無糖」が売れている中“じゃない”缶チューハイ、サントリーから。異例の夏発売でけっこう本気

2025年07月23日 17時00分更新

文● ナベコ 編集●ASCII

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無糖じゃない、だからこそ本気な新スタンダード缶チューハイ

 缶チューハイ市場ではいま、“糖質ゼロ”などをうたった無糖タイプがトレンドです。コンビニやスーパーのお酒売り場を見ても、無糖商品のラインアップが拡大していることに気付くはず。そんな中、サントリーはあえて“無糖ではない”スタンダードな缶チューハイを大々的に打ち出します。その背景とは?

サントリーの“無糖じゃない”新缶チューハイ
「-196 レモン/シャインマスカット/白桃」

「-196〈レモン〉/〈シャインマスカット〉/〈白桃〉」アルコール度数5%

 サントリーは、新缶チューハイ「-196(イチキューロク)〈レモン〉」「同〈シャインマスカット〉」「同〈白桃〉」の3種を、7月29日から全国で発売します。アルコール度数はすべて5%で、350ml缶は174円、500ml缶は237円。

CMが豪華です

 CMには俳優の上戸彩さんと錦戸亮さんを起用し、すでに7月19日から放映を開始。この豪華なキャストからも、サントリーの本気度がうかがえます。

 発売に先がけて開かれた発表会では、今回の新商品開発に至るまでの背景も明かされました。

無糖伸長の影に“じゃない”ニーズも
シンプルにおいしさを追求

 RTD(缶チューハイ)市場は、2024年に無糖タイプが前年比123%と好調で、トレンドを牽引しています。一方で、サントリーの調査によると、20代~40代の間では“無糖でない商品”への支持も根強いことが判明。「無糖は味気ない」「買いたいと思うものがない」といった声も見られ、必ずしも無糖志向が主流というわけではありませんでした。

めきめき伸びている無糖。一方で「買いたいと思うものがない」という声も

 サントリーでは、ライフステージの変化とともに、お酒との付き合い方にも変化が表れる30代をメインターゲットに据え、約2年にわたる調査を実施。同社のRTDでは初となる参与観察という手間と時間を要する調査の手法も取り入れています(参与観察……調査者が対象の集団やコミュニティに実際に参加して調査する手法)。その結果、「シンプルでわかりやすいものがほしい」といった30代のニーズが浮かび上がったといいます。

 そうしたニーズに応え、“シンプル”に果物のおいしさを追求して開発されたのが今回の「-196」新商品。“朝摘みした果物のようなみずみずしい味わい”を実現したという缶チューハイです。

-196℃製法を採用

 シリーズ名にもなっている、サントリー独自の“-196℃製法”がキモです。果実をまるごと-196℃で瞬間凍結し、パウダー状にして原酒に浸漬するこの製法により、軽やかに広がる果実感や、果実由来の甘やかさとすっきり感を両立させました。

 注目すべきは、果物を「忠実に再現」したのではなく、「食べた時に感じるおいしさ」を表現しようとした点。

 果物を食べると、最初に香りが立ち、次に味わいが広がり、最後に余韻が残りますよね。サントリーのスピリッツ・ワイン開発生産本部 成瀬さんによると、この「香り」と「味わいの移り変わり」に着目したといいます。サントリーの缶チューハイでこの着眼点で開発した商品は初めて。

 口に含んだ瞬間にフレッシュで軽やかな香り、次にジュワッと広がる爽やかな味わいと柔らかい甘さ、そして後味には伸びのある優しい香りと味わいが残るように設計したということです。

飲んでみた! 甘いけどすっきり、自然なおいしさ

 発表会では、「-196」のレモン、シャインマスカット、白桃の3つのフレーバーを試飲できました。

 レモンは酸味がやわらかく、まろやかな味わい。シャインマスカットはふわっとみずみずしい香気が広がり、白桃は華やかで気分が盛り上がるような香り立ちが特長です。それぞれ優しい甘さで、後味には心地よい余韻が残ります。

自然な甘さ。甘さっておいしさだ……!

 果実系チューハイにありがちな「甘ったるさ」や「香料感」はなく、まるで果物そのものを楽しんでいるかのような自然な仕上がりです。

 そして、甘みがあるからこそ、無糖缶チューハイでは感じられないわかりやすい満足感! そう、甘さはおいしさ……というのをあらためて思い出しました!

 甘すぎないのもいい。“濃厚”まではいかない“程よい”甘さで、後味はすっきりしています。3種それぞれ良さがありますが、私は、シャインマスカットが、香り立ちが本当にシャインマスカットのようで一番印象に残りました!

 そして、気になるカロリーをチェックしたところ、それぞれ100mlあたり、レモンが44kcal、シャインマスカットが52kcal、白桃が54kcalでした。

「-196〈レモン〉」

「-196〈シャインマスカット〉」

「-196〈白桃〉」

夏の最盛期に投入する理由は?

左から、サントリーホールディングス デザインセンター 神村晃世さん、サントリー ビール・RTD本部 RTD部 玉腰潤さん、スピリッツ・ワイン開発生産本部 スピリッツ・ワイン商品開発研究部 成瀬祐里さん

 なお、缶チューハイの新商品は春や秋に発売されるのが通例ですが、「-196」の新商品はあえて夏の真っただ中に商品が投入されます。その理由は、缶チューハイの消費がもっとも高まるお盆シーズンに合わせることで、ユーザーの活性化を狙っているから。これは新商品の出来栄えに対する自信の現れともいえるでしょう。

 果物のおいしさをシンプルに届けるサントリーの新「-196」。店頭に並びはじめるのはもう間もなく。果実系の缶チューハイが好きな人は手にとってみてください。

ナベコ

酒好きご飯好きのライター、編集者。フードコーディネーター。
♪アスキーグルメでおいしい情報発信中♪

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