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「AWS Summit Japan 2025」レポート

AWS Summit Japan 2025セッションレポート

プライムデーの荷物はどう届く? Amazonが物流現場の「6つのAI活用」を披露

2025年07月10日 11時30分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 間もなくプライムデーも開催されるAmazon。この巨大なECプラットフォームで購入した商品が届くまでに、どのようなテクノロジーが活用されているのか。

 「AWS Summit Japan 2025」Day2(6月26日)のスペシャルセッションには、アマゾンジャパンのオペレーション技術統括本部 統括本部長である渡辺宏聡氏が登壇。Amazonの物流現場における、AI/ML(機械学習)や生成AI活用のユースケースが紹介された。

アマゾンジャパン オペレーション技術統括本部 統括本部長 渡辺宏聡氏

自動で入荷検品した商品は、需要予測で全国に最適配置

 Amazonでは、25年以上にわたりAIへの投資を続けている。同社が、AI含めたテクノロジー活用で目指しているのは、継続的な「顧客体験」の改善と働きやすい職場を生み出すための「オペレーション」の改善だ。

 渡辺氏は、「Amazonは、『地球上で最もお客様を大切にする企業』として、品揃え・低価格・利便性を継続的に高めながら、顧客体験を改善してきた。一方、AWSは、毎年テクノロジーを進化させ、Amazonの成長とイノベーションの創出を支えている」と説明する。

 ここからは、物流現場のオペレーションにおけるAI/ML、生成AI活用の「6つのユースケース」を紹介しよう。

 ひとつ目が、入荷した商品を自動登録する「自動レシーブ」だ。ベンダーやリセラーから届いた商品は、「スキャントンネル」を通り抜ける際に“自動レシーブ”され、ウェブサイトへ出品される。このスキャントンネルでは、複数のカメラが、段ボール箱上の文字情報やバーコード、箱のサイズや重量などを読み取り、過去のレシーブ履歴を含めてAI分析することで、箱を開けることなく中身を特定する。

 「このシステムのおかげで、入荷した商品を速やかにAmazonのウェブサイトへと出品でき、品揃えのスピードも高められる」(渡辺氏)

届いた荷物が通るスキャントンネル

スキャンカメラと読み取り情報

 2つ目は、「在庫配置最適化」だ。入荷された商品は、全国25拠点の物流拠点に分配される。その際に、機械学習を用いて、地域性や季節性、過去の購買履歴から需要予測をし、全国の在庫配置を最適化している。「その結果、注文された商品を、最もお客様に近い拠点から届けることができる。このシステムは、サプライチェーン全体を効率化するだけではなく、顧客への配達スピードも高めている」と渡辺氏。

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