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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第112回

楽曲生成AIの進化が凄い 鼻歌からプロ級の曲がポンポンできる

2025年06月23日 07時00分更新

文● 新清士

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リリースと同時に“AIリミックス”を認める曲が登場する可能性

 Sunoに代表される音楽生成AIは、アップデートされるたびどんどん強力になっています。筆者のように個人のニーズを満たすための楽曲を作り、それだけ聴く習慣を作る人も増えていくことでしょう。

 一方で、大手レコード会社は、一刻も早くAIを自分たちのビジネスに取り込みたいというのが本音でしょう。裁判が長期化すれば、それだけ音楽生成AIとそのエコシステムは強力になっていきます。そのため、早めに妥結することを目指しているはずです。

 筆者は、そう遠くない未来、リリースと同時に積極的にリミックスを認める曲が登場し、ユーザーが自由にリミックスして、それらのライセンス収入が音楽家に支払われるような状態が登場してくると考えています。それはプロモーションを目的としたり、新しい収益源を生み出す方法として採用される可能性が高いでしょう。

 それが広がるのがSunoのアプリなのか、iTunesなのか、Spotifyなのか、TikTokなのか、予想は難しいですが、いずれの企業もその可能性にはすでに気がついており、ライセンスの整理が進むタイミングに合わせて参入してくるのではないでしょうか。

(本稿は2025年6月時点の各社発表・文化庁資料を基に執筆しています。法的解釈は今後の判例・ガイドラインにより変動する可能性があります)

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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